K-POPビジュアル系のVIXX 日本に支社、活動強化へ
K-POP新世代ファイル(11)
ボーイズグループの人気者が続々と登場しているK-POP市場で、VIXX(ヴィックス)がファンの期待を高めている。今年は、日本での活動に重きを置く計画を打ち出しているからだ。彼らは2012年に韓国のオーディション番組で選抜され、6人組としてデビュー。平均年齢は23.8歳と若い。日本では14年から活動を始め、人気若手グループの一角として知名度を上げている。
日本と同様、韓国でも年末年始の音楽授賞式は、今の音楽界の人気者を知る格好の機会になる。例えば、2017年1月14日に開催された「第31回ゴールデンディスクアワード」で、アルバムのセールスが好調だったアーティストに贈られる「アルバム賞」に選ばれたのは次の顔ぶれ。大賞がEXO、それに続く本賞が、INFINITE、EXO、GOT7、SHINee、テミン(SHINee)、防弾少年団、MONSTA X、SEVENTEEN、VIXXと、いずれも日本に活動領域を広げ、多くのファンを抱えている男性グループだ。
ここで1つ問題となるのは、受賞を目指して韓国での活動に比重を置くと、日本での活動が減り、ファンの心離れが進むこと。グローバル化目覚ましいK-POP界では、どのグループも国内外での人気の両立を求められるが、アーティストの時間も体力も限られている。
そんな熱い生き残り競争のなかで、日本での活動により力を入れようとしているのがVIXXだ。16年10月には、所属事務所のジェリーフィッシュエンターテイメントが日本支社を開設。これまでのレーベルだったCJビクターとの契約も年末で満了し、新たなレーベルへの移籍準備を進めている。
新設した日本支社で音楽事業部長を務めるパク・ギョンヒョン氏によると、日本に拠点を設けたことは、VIXXの日本活動のさらなる強化を示す。メンバーは3月開催のファンミーティング(東京・幕張メッセイベントホールのほか、大阪、愛知)に向けて、趣向を凝らした催しを準備中で、8カ月ぶりのイベントになる。さらに下半期には新曲のリリースとライブを計画中だ。
ミュージカルのような舞台
彼らの魅力は「他のグループのように、ダンスのシンクロ率の高さを競うだけではなく、独特の世界観を持ったミュージカルのような舞台がウリ」(パク氏、以下同)。
VIXXはこれまでの日本公演で「バンパイア」や「ジキルとハイド」「ギリシア神話」など、幻想的なキャラクターとそのストーリーを、最近は現代舞踊なども取り入れたダンスや舞台演出で表現してきた。「テレビで見せる愛らしい姿とは一線を画し、舞台上ではダークで強く、男らしい姿を見せる。その<ビジュアル系>な魅力が、同年代の若い女性だけでなく、見ごたえのある演出を好む大人の女性も動員できる秘訣」という。その世界観の浸透ぶりは、ライブ会場で、髪型や服装をまねしたファンを多く見かけることからもうかがえる。
日本では、CDセールス3万枚、東京国際フォーラムホールAやパシフィコ横浜への5000人規模の集客というハードルは堅く超えられる安定株になっているというが、「デビュー5年目のアーティストとしてもっと上を目指すべき」と、17年は勝負の年と見据えている。
(日経エンタテインメント! 白倉資大)
[日経エンタテインメント! 2017年3月号の記事を再構成]
(1)BIGBANG、WINNER、iKON
(2)Boys Republic/少年共和国
(3)Apink【研究編】
(4)Apink【インタビュー編】
(5)チャン・グンソク
(6)2PM
(7)April
(8)AOA【研究編】
(9)AOA【インタビュー編】
(10) 仕掛け人が語るK-POP再ブーム
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