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品川新駅再開発に着手 JR東、民営化30年目の挑戦

2017/3/21 日経産業新聞

 通勤や通学に電車を使う日本の15~64歳の生産年齢人口は1990年代から減り始めていたが、東京都の動きは別だ。現在も増えており、30年まで900万人台が続く。その後800万人台へと減少していくが、それまでの膨張期間はJR東日本がノウハウを築く上では好機となる。

 東京への経済一極集中の恩恵を受けてきた同社の運輸業は堅調に推移してきた。同業の売上高は2016年3月期で1兆9545億円。06年3月期比8%伸びた。ショッピング・オフィス事業は2559億円と同34%増加したが、それに満足しているわけではない。

 品川には27年にリニア中央新幹線の駅がつくられ、東海との大動脈が出来上がる。立地の優位性は大きく、外資系企業などが関心を寄せている。

 周辺では住友不動産が18年度に3万平方メートルの敷地でオフィスビルや住宅棟を建設し始める予定など、プロジェクトが複数ある。JR東日本と相乗効果を生みそうだ。

 ただ、周辺を見渡せばそれほど事業が容易ではないこともわかる。三井不動産、三菱地所など不動産大手が、オフィスや住宅の再開発を次々と進めていくからだ。

 新駅の隣のJR田町駅前では東京ガス、三井不動産と三菱地所が複合ビルの建設を進めている。地上31階建てと36階建てのビルには主にオフィスが入り、ホテル棟は地上9階建てとなる。全体の延べ床面積は30万平方メートルに上る。全体の完成は19年の予定だ。

 田町駅の隣、浜松町の駅前では野村不動産が大規模な再開発を始める。オフィス中心の高層ビル2棟を建設、延べ床面積は最大50万平方メートルの見通し。総事業費は約3500億円で、20年にも着工し30年に完成させる。

 東京都心の再開発では街にストーリー性を加えてにぎわいを創り出した六本木ヒルズ(東京・港)が成功例。JR東日本はどう味付けするか。品川駅周辺に6万平方メートルの土地を保有し再開発計画を持つ京浜急行電鉄など、他社との連携はひとつのカギになる。

(新沼大、岩本圭剛)

[日経産業新聞2017年2月14日付]

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