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小澤征悦 『クリミナル・マインド』新作の裏側を語る

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NIKKEI STYLE

FBI(連邦捜査局)に実在する行動分析課の活躍を描いて、世界中で人気のテレビドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』。そこから新たに生まれたスピンオフが『クリミナル・マインド 国際捜査班』だ。

米国では2016年3月から放送がスタート。世界中で事件に巻き込まれたアメリカ人を救出するために国境を越えて活動するチームの活躍を描く。国際捜査班はタイ、インド、フランスなど世界各国を飛び回り、日本を舞台にした回ではメンバーのサポート役で小澤征悦がゲスト出演した。本人に、米国での撮影の裏話を聞いた。

国際捜査班のチームリーダー、ジャック・ギャレットを演じるのは、『CSI:NY』のマック・テイラー役で知られるゲーリー・シニーズ。彼が率いる5人のチームが、各国の捜査官と協力して犯罪捜査にあたる。米国人の連続自殺事件の捜査のために来日する第4話では、小澤征悦が警視庁のリョウ・ミランテ刑事にふんした。

映画に続いて海外作品に出演

小澤が海外作品に出演するのは、16年の映画『JUKAI―樹海―』に続いて2作目。同作へはオーディションで出演が決まったが、それがきっかけで今回の『クリミナル・マインド 国際捜査班』の役に抜てきされたという。

「リョウは日本の警察という大きな体制の中にいる人物で、上司のカズミはガチガチの保守派。しかしリョウは、海外の捜査グループなど受け入れないという人物の下で、自分がどんな状況に陥ったとしても正義を追求しようとする人物であると説明を受けました」

つまりリョウは警視庁の刑事であるにもかかわらず、国際捜査班と共に捜査に繰り出していき、その中のマシュー・シモンズ(ダニエル・へニー)と仲を深めていく。

「ダニエルとは個人的にも仲良くなりました。彼は韓国の血が流れているせいか、とても目上の人を立てるんですよ。僕の方が2、3歳年上だったので、『兄貴!兄貴!』と慕ってくれ、飲みに行こう、飯に行こうと誘ってくれて。ただ、僕はロスのお店を知らないので、心の中では僕の方が(彼を)兄貴と思ってました(笑)。なんというか、互いに心がオープンになり、とても親しくなりました」

また、主演のゲーリー・シニーズについては、人間の大きさを感じたと語る。「彼を最初に見たときは『"フォレスト・ガンプ"だ!』と思いました(笑)。銀幕でしか会えない人が目の前にいる!という感じです。でも、実際はすごくフランクで、やさしく、銀幕のスターという匂いが全然ないんです。だからこそ余計に大きさを感じましたね」

そんな彼らとの撮影は、実に有意義だったという。「作っている人たちが見ている先にあるのが世界なんです。国外も視野に入れて作っていて、キャストもスタッフもそれを誇りにしているんです」

撮影は全編ロサンゼルスで

撮影は、全編ロサンゼルスで行われた。「例えば、樹海のシーンはロスの住宅街にある公園で撮影し、ホテルのシーンは日本人街のホテルで撮影しました。築地のシーンはセットです。チームが乗ってくる飛行機もセットで、つまり飛行機の半分がセットとして作られているんですが、それが7000万円もするんですよ」

そうして演じたリョウの吹き替えも小澤本人が演じた。「自分の英語を聞きながら日本語訳を話すので、英語が耳障りでした(笑)。英語と日本語では尺も抑揚も違うから英語に引っ張られてしまうんです。大変というか、これまで感じたことのない初めての体験でした」

彼が出演する第4話では、外国人目線で見た日本の姿が描かれており、その解釈は実に興味深い。ストーリーでは渡日中の米国人の自殺が問題になることから、切腹=自害が日本の文化と捉えられているのだ。だが、それはひとつの見方にすぎないと小澤はいう。

「正直、『自殺は日本の文化のひとつ』というセリフには思うところがありましたが、僕は役者として作品を成立させる立場なので、特にそれに対しては何も言いませんでした。でも、僕たちも海外のことに対して勘違いしていることってたくさんあると思うんですよね。もちろん自殺が日本の文化だなどと思ってはいませんが、富士の樹海って聞いたら、みなさんは何を連想します? やっぱりそうじゃないですか? 日本人でもそう思うぐらいだから、海外の人には分からないよなって。それに今回の台本の中には、本当のこともきちんと描かれているんですよ。ですから、多面性の中のひとつであることは確かですし、作品としてはとても面白くなっているので、ぜひより多くの方に見ていただきたいなと思っています」

(ライター 及川静)

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