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90秒にかけた男

ビジネスの原点はすべて温泉街で学んだ ジャパネットたかた前社長 高田明氏(15)

2017/2/15

独立した当時の高田明氏(長崎県佐世保市の早岐店で)

 通信販売大手ジャパネットたかた。前社長の高田明氏はテレビ通販王国を一代で築き、お茶の間の人気者ともなりました。朝から晩までテレビカメラの前に立ち続け、「伝える」ということを追究してきた高田氏。通販を手がける前、団体客の観光写真を15年間にわたって撮り続け、「1人の顧客に何枚も写真を買ってもらうには、どうすればいいのか」と工夫を重ねてきたことが、ビジネスの原点となったと振り返ります。

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 今回は私がビジネスの原点を学んだ初期の温泉街の話をしましょう。私は25歳の時にサラリーマンを辞めて故郷の長崎県平戸市に戻り、実家のカメラ店を手伝うようになりました。30歳の時に実家のカメラ店が県内の佐世保市に出した支店を任され、1986年、37歳の時に独立しました。一緒に仕事をしていた兄は実家のある平戸、弟は佐世保中心街、私は佐世保周辺という具合にエリアを兄弟ですみ分けたのです。

夜に宴会の様子を撮影して翌朝、朝食会場でスナップ写真を販売した(平戸店勤務当時)

 その期間ずっとやっていたのが近場の温泉場での宴会撮影です。佐世保の三川内という場所を独立一号店に選んだのも佐賀県との県境だったからです。山を越えトンネルを抜ければ、嬉野温泉という全国にもその名を知られる温泉街があります。クルマで片道30分もあれば着く距離です。嬉野に40歳になるまで10年、毎日のように通い、ホテルや旅館で観光写真を撮っていました。

 平戸で5年、佐世保で10年、足掛け15年間も観光写真を撮り続けました。夜に宴会場の様子を撮影して店に戻って現像し、早朝またホテルに行って朝食会場でスナップ写真を販売するという生活です。雪などで私の到着が遅れ、団体客が次の観光地に出発してしまっていたら、次の行き先まで追いかけていって写真を販売するといったこともありました。

 もちろんカメラ店ですから昼間は店でカメラや写真フィルムを売り、お客さんが持ち込んだフィルムを現像していました。そして夕方6時ぐらいにホテルに向かうのです。振り返ると「よくまあ40歳までやれたな~」と感慨にふけることもしばしばです。

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