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ホワイトデーのお返し 外さないのはチーズケーキ

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男性が女性にバレンタインデーのお返しを贈るホワイトデー。しかしバレンタインのチョコレートのように、ホワイトデーにはこれといった決まりはない。そのため様々な企業がこの一大商戦に参戦し、男性は頭を悩ませている。そこでホワイトデーの歴史をさかのぼりながら、今年のオススメを探ってみた。

80年代前半は「お返しはキャンディー」

ホワイトデーはバレンタインと違い、日本で発祥したほぼ国内のみで行われている慣習だ。「ホワイトデー」という名称を使いはじめたのは、あめ菓子業界の組合である全国飴菓子工業協同組合(全飴協)。ホワイトデーの名前は、あめの原材料である砂糖の色に由来する。3月14日を「キャンディーを贈る日」と制定し、1980年に第一回ホワイトデーを開催した。

全飴協顧問で、ホワイトデーの普及に関わった中西信雄さんは当時を振り返り「複数の企業がそれぞれ自社の商品をお返しとして打ち出していたが、小規模だった」と語る。その中で、全飴協は広告代理店を通じたコンサートなど大規模なキャンペーンを展開し、「バレンタインのお返しにキャンディーを贈る日」という文化を広めていく。ホワイトデーはその後若年層を中心に年々規模を拡大し、1984年には55億円、85年には70億円の売り上げを記録した。

「ホワイトデー」という商品を限定しない普遍的な名前から、80年代後半になるとお返し文化の定着とともに種類も多様化していく。必ずしもあめではなく、ケーキなどの洋菓子、ショーツやアクセサリーを贈る動きも増えてきた。「ホワイトデー」を商標登録しようとする動きもあったが、中西さんは「あくまで公共的に使ってほしかった」という。

「あめ業界が独占したいわけではなく、様々な企業が参入し、広まればいいと考えています。そのため十分にホワイトデーが定着した90年代中ごろからは初期のような大々的なキャンペーンはやめました。代わりに、贈り物にあめを添えてください、としています。そのおかげもあり、あめ業界の中で例年3月は最も高い売り上げとなっています」(中西さん)

3月14日をお返しの日にした福岡の和菓子店

ホワイトデー黎明(れいめい)期には衣料品メーカーや花屋など様々な企業が参戦したが、いち早く3月14日を「バレンタインのお返しの日」と位置づけたのが福岡にある和菓子店・石村萬盛堂だ。同社は3月14日を「マシュマロデー」とし、1978年から自社の菓子「鶴乃子(つるのこ)」を売り出した。

鶴乃子とは、マシュマロ生地で黄味あんを包んだ同社の看板商品。ホワイトデーの時にはチョコソースを包んだものを「君からもらったチョコレートを、僕のやさしさ(マシュマロ)で包んでお返しする」というコンセプトでチョコマシュマロを開発し、売り出したが、数年は売り上げの奮わない時期が続いた。

「コンセプトが伝わりにくかったこと、福岡という地方で情報発信力がなかったことが理由だと思います。その後、80年代中頃に『マシュマロデー』ではマシュマロがどうしても中心になってしまう為、もっと幅広くバレンタインのお返しの文化としていきたいということから、マシュマロの白を想起させる『ホワイトデー』にできないかとの申し出があり、改称しました」(石村萬盛堂企画マーケティング室 増田洋さん)

同社は現在もチョコマシュマロをホワイトデーの主力商品としてPRする。

「自社の和洋菓子を販売する店『お菓子の広場いしむら』では、ホワイトデー期間中は通常の2倍近い売り上げになります。加えて、百貨店での売り上げも大きい。他の菓子メーカーよりも、ホワイトデーの売上比率は高いと思います」(増田さん)

「とにかく外さないものを教えてほしい」悩める男性たち

あめもマシュマロもホワイトデーの時期には高い売り上げを記録し、一定数選ばれてはいるが、現在「定番」と呼べるお返しは生まれていない。阪神梅田本店の担当者によれば「とにかく外さないものを教えてほしい、という男性が多い。行列ができている売り場があれば、みなさん迷わずその列に並ぶ」。

頭を抱える男性たちのために、百貨店も試行錯誤だ。阪神梅田本店では「ホワイトデー攻略本」と称した冊子を2012年から製作。シックなカタログ風や週刊誌風など、男性が手に取っても恥ずかしくないデザインで、予算や女性への意識調査をまとめ、店内で配布している。さらに昨年は男性社員が「ホワイトデーコーラス隊」を結成し、ロシア民謡の「一週間」にあわせた替え歌を歌い踊った。売り場を盛り上げ、男性の客足を伸ばす結果につながった。

高島屋でも、売り場でずっと悩んでいたり、逆にそそくさと買い物を済ませてしまったり、肩身が狭そうな男性客は多いという。

「男性のお客様は普段来ない女性向けのエリアに来るだけでも大変。少しでも負担を軽減できるよう、過去にはラッピングされた商品を用意しておくことでレジで待つ時間を減らしたり、お客様の相談に乗り、ギフトを一緒に選ぶ『ホワイトデーコンシェルジュ』などのサービスを行ってきました」(高島屋広報・IR室 山川真由美さん)

無難に選ぶなら洋菓子? 「チョコ返し」も人気

では、実際にはどのようなお返しが選ばれているのだろうか。これまでに紹介したお菓子だけでなく、下着や花を贈ろうとキャンペーンを展開する企業もある。下着に関しては、ホワイトデー黎明期の80年代頃からワコールが「ショーツを贈ろう」というギフトキャンペーンを展開している。

「ショーツは実用性があり、サイズ選びも容易。しかし下着を贈ることに抵抗を感じる人もいるため、過去にはパッケージを薬のカプセル風や恋愛映画のビデオケース風にするなどして、一定の成果をあげています」(ワコール 石川桃子さん)

一方、阪神梅田本店の担当者は「近年は下着やアクセサリーなどの好みが分かれるものより、無難な洋菓子が人気」と語る。同社が今年行ったアンケートでは、「ホワイトデーのお返しにほしいもの」に78.7パーセントの女性がスイーツを挙げた。さらに、うち4割がほしいスイーツの種類に「チーズケーキ」を挙げており、「男性の3人に1人がチーズケーキを贈ったことがあり、うち9割が喜ばれた」という結果もあったことから、今年はチーズケーキを大々的に打ち出す。

阪急うめだ本店も無難なのは洋菓子とした上で、お菓子以外なら「ハンドクリームやバスグッズなど消耗品が手軽で人気」(阪急うめだ本店 林秀之さん)。さらに、チョコにチョコをお返しする動きが目立っていることから、ホワイトデーでもチョコレートの特設ショップを充実させる予定だ。

「チョコ返し」に限らず、林さんによると「バレンタインデーで買い逃した海外ブランドのチョコを、ホワイトデーで購入する女性も増えている」。お返しを待つのではなく、バレンタインデーの変化に伴い、女性が自ら楽しむイベントとしての側面も生まれつつある。

一方、高島屋新宿店婦人洋品ストアバイヤーの江崎由美子さんは「男性から女性へ贈るという構図は基本的に変わらない」とし、「男性のセンスが問われる日」と話す。同店では、今年のホワイトデーはハンカチーフを大きく打ち出す。特設会場とハンカチーフ売場では、15点以上購入した人向けに配送先1カ所に限り配送料を無料とし、男性客が気軽に買い物できるサービスも行う。

「20~40代の女性の中で、手首やハンドバッグの持ち手などにスカーフを巻くのがトレンドになっています。スカーフは少し高額ですが、同じように使える大判ハンカチーフなら2000円程度です。もともとハンカチーフはギフトの定番。ここ数年のお返しはスイーツの人気が高かったので、あえてハンカチーフを贈ることで差がつくと思います」(江崎さん)

無難に選ぶか、あえて外すか。ちなみに阪急阪神百貨店が2016年に行った意識調査によると、「お返しにメッセージカードが添えられているとうれしい」と答えた女性が64パーセントだったのに対し、実際にカードを添えた男性はわずか1割程度だった。センスも大事だが、気持ちを伝えることが肝心といえそうだ。

(ライター 小沼理=かみゆ)

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