福神漬け ふく「し」んづけ? ふく「じ」んづけ?
漬物(1)
全国巡演を終えて東京に戻ってきた三林京子隊長とデスク、エミー隊員が都内某所に集まり、いろんな物を作って盛大に飲み食いしたらしいという通報が寄せられている。
妖しげな調理器具まで使ったらしい。八戸方面から食材を送ってもらったらしい。食べたもののほとんどがもらい物だったらしい。と、このような断片的な情報も耳に入っている。
デスクがそのうち詳細な報告をするかもね。
漬物に関するメールを紹介する。
厚めに切られて花がつおをトッピングされてましたが、コレだけでもう!ご飯何杯でも!な美味しさでした。
帰京後に探し回ると、意外にも近所の豆富屋(≠豆腐屋)さんやチョイ高目なスーパーにありました。以来、ウチでも楽しんでます。が…あの美味しさは"ご飯とセット"なんだと何となく思います。ご飯自体がすげー美味しかったンですよぅ!やっぱ水が違うんだなぁ…蛇口からミネラルウォーターが出てるみたいなモンでしょうから。
あと、夏の盛りの食欲減退時期には、最高気温タイトルホルダー・山形の名物「だし」を自作して冷蔵庫で冷やし、ご飯にぶちまけては爽やかにガツガツと食らって、酷暑を乗り切ってます(半ライス大盛りさん)
ベティー隊員冷や汁好きの野瀬さん、お仲間がいましたね。
野瀬 「だし」と冷や汁とはちょっと違う。
いぶりがっこはたくあんの薫製と思えばいいのか。横手におじゃましたときにいただいた。美味かったなあ。横手は麹のまちなので漬物といえば麹漬け。何でもかんでも麹漬け。びっくりしたなあ。
林みかん著『東北の漬け物紀行』(無明舎出版)を読んでいたら、東北ではちょろぎの漬物がポピュラーなようである。ちょろぎか、懐かしい。
「だし」といっても液体ではない。漬物。生協のお取り寄せでゲットし食べてみた。水分が多くご飯によくしみる。でも作り方は知らない。
本当の野沢菜の美味しさは現地で食するしかありません。チルドや宅急便ができても、信州の野沢菜は樽から出したてを切って食べるのが最高!!お母さんが朝、氷の張った樽から野沢菜を取り出し鰹節を削ってかけた野沢菜最高です!!
賞味期限はおそらく数時間でしょう!!(お名前ありません)
酔っぱらって書かれたとのことだが、その何が問題なのだろうか。でも、野沢菜漬けにカレー粉を入れる人はしらふ?
北海道はどうなっているのか?
初めて見た時は何かの冗談か、だまされてるのか、間違いか夢でも見てるのかと思いました。大きすぎて、それくらい現実味がないの…。
ちかごろ道内で有名なのは、南幌町のキャベツキムチです。前述の札幌大球を利用して何か特産品を、ということで開発されたのだそうです。本場のキムチを学び研究を重ねたとかで、数年前から売り出されてぼつぼつ知名度も上がってきています(ちろこ@札幌さん)
今回も長大なるメールをいただいた。一晩かかって読み終えた末に、この部分を紹介することにした。1玉15キロのキャベツは私の自転車の荷台にはのらないので買うことができない。買えても漬物にする容器がない。ドラム缶が必要ではないか。まさか湯船で漬けるわけにもいかんではないか。
デスクううむ 確かに。漬かるまでお風呂に入れないんだろうし――。
北海道で思い出した。富士宮やきそば学会の渡辺英彦会長が富良野へ講演に行き「富良野のふらの辛口カレー」のキャッチフレーズを提案してきたそうである。カレーは脚本家の倉本聡さんが監修しているので、そこんところを取って、
「北の国辛!」
デスク爆笑 ぶわっはっはっ…。
ベティー隊員お目めぐるぐる ワタナベさん、相変わらず飛ばしてるー。
いいでしょう? どこかのメーカーから発売されたりして。
東北の漬物もいいが、京都もね。
土産物の漬物は味が濃い目ですので、あまり食しませんでした。父親は「上げ底がおかしい。立派すぎる」と投書した経験をもっております。
また、父親と私はシソが駄目でしたのでしば漬けも食卓にはほとんど存在しなかったです。
福神漬け(ふくしんづけ)は小学生の時に盲腸で入院した際、最終日の昼食の献立であったカレーライスの添え物が初見です。「甘い」が第一印象で漬物とは思ってなくて、親にせがんで買ってきてもらったときに、包みに「漬物」と書かれていることに、えっ、と思った覚えがあります。
父親は田中長のみりん漬け(一般では奈良漬けのこと)が好物で、以前なら週イチ、最近では月イチ程度は買いに行っております。最初は酒臭くて駄目でしたが、小学生高学年ぐらいからひと切れをちびちびかじって、1膳のご飯を食せる体になっておりました。成長期かつ体育会系でしたので夕食では4膳が平均だったと思います(よっぴい@昭和40年京都市生産・在住者さん)
よっぴいさんは福神漬けを「ふくしんづけ」と濁らずに発音しておられる。地域性があるらしい。小学校の高学年で夕飯にご飯4杯とは頼もしい少年であったろう。奈良漬で鍛えた体はいま、よく似た香りの液体を大量に受け入れているような気がする。
デスクにやり それって、黒いおじさんが大好物の液体?
黒いおじさん そ。
愛媛の名店。
漬物で思い出すのは愛媛県西予市宇和町にある「松屋旅館」です。ここの売り物は正に漬物。200年続く見事なヌカ床を持ち、季節や気温に合わせて漬け込んだ野菜などが小皿に盛られて、朱塗りのお膳にのって運ばれてきます。1膳あたり12皿が4×3にきれいに並んでいてとても美しい! 梅干、キュウリ、ニンジン、タマネギ、ラッキョウなどなど、漬かり具合も絶妙でした。
ここのヌカ床に学ぼうということで、某発酵会社が研究のために訪れたという話も聞きました。
宇和町には慶応3年創業、一子相伝の「山田屋まんじゅう」の本店もあります。私の大好きなまんじゅうであります。東京の百貨店にも入っています。JRの駅名は「卯之町」。情緒あふれる町並みでした。また行きたいな(ミルフォードさん)
漬物ステーキの話題もまた懐かしい。神田のガード下に昼はさぬきうどんのセルフの店、夜になると鶏ちゃん焼きや漬物ステーキを出す岐阜系の店になるところがある。遠く県境を越えて昼夜の顔を取り換えるのである。どっちやねん。
ここに出てくる旅館はなかなかのものであるらしい。漬物が売りの旅館というのも珍しいではないか。この旅館に高菜の油炒めはあるのだろうか。ないと思う。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
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