1日10分、週3回 3つのカンタンな運動で「骨作り」
更年期前から知っておきたい女性特有の骨の弱体化対策。骨粗しょう症の予防には、若い頃からの骨貯金が最重要。「骨対策」を3回に分けて紹介する。最終回は、骨を強化する簡単な運動を紹介する。
◇ ◇
いくら骨にいい食事をしても、運動が足りないと骨は強くなれない。骨は重力や衝撃などの負荷を受けて、初めて強くなるからだ。
「骨の細胞は骨にかかる力を自ら感知すると、骨作りの指令を出す。反対に負荷がないと、作らなくてもいいという指令を出してしまう」と伊奈病院整形外科の石橋英明部長。だから、ベッドで寝たきりの人や無重力下での宇宙飛行士の骨はあっという間に弱くなる。
つまり、骨強化の運動はいかに骨に適切な負荷をかけるかが鍵。そこで石橋部長が薦めるのが、「体反らし」「両足跳び」「片足立ち」の3つの運動だ。
体反らしは、ペットボトルで負荷をプラスし、腰椎を強化する。体を反らしたまま5秒キープ、これを15回ほど行う。両足跳びは、垂直方向の衝撃運動で骨を刺激し、骨形成を促す。1日合計50回を目安に。片足立ちは、脚の付け根の大腿骨頸部を強くするとともに転倒しにくい体を作る。片足ずつ1分、これを1日に3回。
3つ全部やっても、合計で10分程度。週に3回以上やれば十分だという。「いずれも骨を強くする効果が認められている。もちろん、筋肉も鍛えられる。日ごろ、運動をあまりしていない人や骨量が少ない人の方がより効果が出やすいかもしれない」と石橋部長。早速、始めよう!
伊奈病院整形外科(埼玉県伊奈町)部長。東京大学医学部卒業。専門は骨粗しょう症、関節リウマチ、関節外科。NPO法人高齢者運動器疾患研究所代表理事も務める。著書は『骨粗鬆症の最新治療』(主婦の友社)など。
山王メディカルセンター(東京都港区)女性医療センター長。国際医療福祉大学教授。慶應義塾大学医学部卒業。東京女子医科大学産婦人科主任教授などを経て、2010年から現職。ウェルエイジングのための女性医療を実践。著書は『骨は若返る!』(さくら舎)など。
(ライター 佐田節子、構成:日経ヘルス 太田留奈)
[日経ヘルス2017年3月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。