一人暮らしなら出しっ放しで 魅せるスティック掃除機
特集 新生活に欠かせない一人暮らし家電(3)
新生活におすすめの最新家電として、これまで小型冷蔵庫、オーブントースターを紹介してきた。第3回は手軽に使え、出しっ放しにしておいても恥ずかしくないデザインのコードレススティック掃除機(以下、コードレス)を紹介する。
こまめに使える手軽さで、忙しくても掃除できる
一人暮らしの家の掃除機は、コードレスが1台あればいい。あまり大きくない部屋でコード付きのキャニスター型掃除機(以下、キャニスター型)を引きずるのは非効率だし、キャニスター型は収納場所も確保しないといけないがコードレスなら使わないときは部屋の隅に置いておけるからだ。
こまめに掃除できるのも利便性のひとつ。キャニスター型は、掃除しようと思ったらまず掃除機を取りに行き、コードを引き出し、電源プラグを挿すという手間がかかる。その手間が面倒で、結局、掃除機を使わない場合も増える。コードレスなら、その工程が省略でき、ゴミが気になったらすぐに使える。つまり、まとまった掃除の時間が取れない一人暮らしの家にこそ、こまめに使えるコードレスはおすすめなのだ。
最近は、キャニスター型並みの吸引力を誇る製品も続々と登場しているので、コードレスだからといって吸引力を諦める必要もない。なにより、どんなに吸引力があっても、押し入れから出すのが面倒で使わなければ何の意味もない。一人暮らしの家にあるとうれしいのは、部屋に出しっ放しにできる構造とデザインだろう。
今回は、そういった事情も踏まえたうえで、コードレスのおすすめを紹介していく。
●日立「コードレススティッククリーナー PV-BD700」/パワフル吸引、自走式で掃除がはかどる
充電中はもちろん、掃除中に一時中断したいときも立てたまま手が離せる自立式。モーター技術で定評のある日立ならではの「小型ハイパワーファンモーター」とサイクロン気流をさらに加速させた「パワーブーストサイクロン」機構を搭載し、パワフルにゴミを吸引する。ヘッド部分は軽い力でぐんぐん進む自走式。ヘッド幅も広いので、短時間で効率よく掃除できるのも特徴。3.5時間で満充電でき、標準運転で約30分、強運転で約8分使用できる。
便利なのが、スティックからハンディーに簡単に切り替えられる点。通常、ハンディーとして使うには、パイプを抜いて短くしたり、ハンディー部分を取り外したりするものが多いが、これは手元のレバーだけで自在に伸縮できる。付属のノズルを付け替えれば、高い棚の上やふとん掃除もできるマルチっぷりだ。
●パナソニック「コードレススティック掃除機[イット]MC-BU500J」/デザイン性の高さと使いやすさを両立
床掃除しているときはT字形のノズルが、手首をひねるだけでI字形に変えられる「くるっとパワーノズル」で、ノズルを交換することなくすき間掃除が手軽にできる。また「ハウスダスト発見センサー」は約20マイクロメートルのゴミも見つけてランプで知らせ、きれいになったら消えるので、掃除を終えるタイミングがわかりやすい。約3時間で満充電でき、自動運転で約15~30分、強運転で約10分使用できる。
特筆すべきは、そのデザインだろう。美しさにこだわったという前面のストレートパネルは、ボタンを一切つけず、金属のような質感に仕上げたという。自立はしないものの、グリップ裏に滑り止めがついているため、壁に立てかけられ、掃除を中断したいときはもちろん、充電時も立てかけたままにしておける。インテリア的な要素が強いので、部屋の雰囲気に合わせてカラーを選びたい。
●シャープ「EC-A1R」/ 1.5kgの軽量ボディーと"ちょいかけフック"で掃除頻度がアップ
最大の特徴は、わずか1.5kgという業界最軽量の軽さだ。本体パイプ部に軽さと強さを兼ね備えた「ドライカーボン」素材を採用したことで実現したという。手に取りやすい軽さのため、自然と掃除頻度も高まりそうだ。その一方で吸引力にもこだわり、大風量モーターや遠心分離サイクロンを搭載するなど、同社の高機能モデルと遜色ない吸引力を備えている。
便利なのが、ラバー製の「ちょいかけフック」だ。いすや棚などに、安定して引っかけられるため、よく使う場所や手を伸ばしやすい場所に引っかけておくことができる。バッテリーを本体から外して充電できるため、掃除機の置き場所を選ばないのも便利。わずか80分で充電でき、標準モードで約30分、強モードで約8分運転できる。
●エレクトロラックス「エルゴラピード・リチウム ベッド・プロ・パワー」/立ち姿が美しい。コードレスの概念を変えたデザイン家電
スウェーデンの家電メーカー、エレクトロラックスといえば、日本におけるコードレス掃除機の市場を活性化させた立役者。デザインの美しさに加え、吸引力、運転時間の長さなど、常に進化を続けている。昨年秋に登場した本モデルも、ターボパワー・リチウムイオン電池を搭載し、通常モードで約45分連続運転が可能。一度の充電で、約180畳もの広さを掃除でき、コードレスでありながらバッテリーを気にしなくていいのがうれしい。
充電台にセットしたときはもちろん、本体だけでも自立するため、掃除中に一時的に手を離し、ほかの用事を済ませられるのが便利。さらに本モデルは、ダニアレルゲンを98.1%除去するという「ベッド・プロ・パワーUVノズル」を標準装備。いつもの掃除機のヘッドを替えるだけで、手軽にふとんのケアができる。
「ベッド・プロ・パワーUVノズル」の代わりに、UVランプなしの「布団ノズル」が付属したスタンダードモデルは、落ち着いたカラーリングの2色展開。インテリアのテイストによっては、こちらもおすすめだ。
◇ ◇ ◇
昔のコードレススティック掃除機と違い、最近のコードレスはキャニスター型に近い吸引力を持ち、バッテリーの持続時間も延びている。新生活で使うのなら、今回取り上げた4機種はメインの掃除機として問題のない性能を持つ。部屋に出しっ放しにしておきたくなる掃除機はどれか、デザインで選んでもいいかもしれない。手を伸ばせばすぐ使えるところに掃除機があれば、掃除をする回数は確実に増える。どんなに吸引力が高い掃除機を持っていても、押し入れに入れっ放しでは部屋はきれいにならないのだ。
前編 新生活は冷蔵庫もインテリアに デザイン重視型が続々
中編 一人暮らしなら、まず高性能トースター お薦め4選
後編 一人暮らしなら出しっ放しで 魅せるスティック掃除機
(家電ライター 田中真紀子)
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