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スマホでVR 一番人気は「ハコスコDX2」

日経トレンディネット

2017/2/2

ビックカメラ新宿西口店 3階にあるスマホ用VRヘッドセットコーナー。試着できる実機が10台以上並んでいた
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 今回は、VRヘッドセットの売れ筋をビックカメラ新宿西口店に取材した。VR環境を作り出すアイテムといえば、PS4と組み合わせる「PlayStation VR」(PSVR)やパソコンにつなぐVRギアなどもあるが、今回紹介してもらうのはスマートフォン(スマホ)をセットして使うヘッドセットとなる。

ビックカメラ新宿西口店 携帯電話コーナー主任 加藤正嵩氏

 それぞれは一見近いジャンルに思えるが、市場はまったく別に育っているという。同店の携帯電話コーナー主任の加藤正嵩氏は「スマホで楽しめるVRコンテンツが充実したことで、スマホ用は独自に伸びていますね。みずから編集して楽しめる環境も整ってきていますし、購入層もPSVRなどとはあまり重ならない印象です」と解説する。実際、1年前は数台しか選択肢がなかったが、いまでは下の写真のように専用コーナーが作られるまでに成長している。観光地体験やゲーム、アダルト、自家製VR写真など、コンテンツの伸びも急速だ。

 それを踏まえて、スマホ用VRヘッドセットの売れ筋モデルをみていこう。

※掲載している価格とポイントは、2017年1月11日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見ていただきたい。

●ビックカメラ・加藤氏が教えるスマホ向けVRヘッドセット選び 基本の三箇条
(1)簡易型なら1000円前後から選べる。長時間楽しむ本格モデルは3000円前後から
(2)VR酔いが不安な人は、ピントの調節幅が広めの本格モデルを選ぶのがベター
(3)店頭では装着感のチェックが重要。VRアプリを入れたスマホの持ち込みもあり

 入門機的なモデルは5位の「3D VR GOGGLE」のみで、6000円~1万円前後の本格モデルが上位に並ぶ構図になっていた。加藤氏は「購入層の中心は新しモノ好きな20代後半の男性です。本格的に遊ぶために、良いレンズを使っていて長時間の装着でも疲れが少ないモデルが人気を集める傾向にありますね。もちろんライト層の注目も集めていますが、人気が集中しているのはそうした本格派タイプが多いです」という。モデルごとの人気の理由は次のページから追っていく。

■ピント調節やレンズの良さで人気の「ハコスコDX2」「STEALTH VR」

 1位となったのは、ハコスコの二眼最上位モデル「ハコスコDX2」だ。前世代の「ハコスコDX」から装着性を高めるなど大幅に改良したモデルで、スマホとレンズの距離を微調整してピント調節する機能も備えている。

ハコスコ「ハコスコDX2」

 「良いレンズを使っているうえ、肌に当たる部分のフィット感も追求した本格派の仕様です。スマホのホールドもしっかりしていて、多少頭を振ってもズレないくらいというのも強みでしょう。それでいながら割安ということで安定した人気がありますね。このクラスを求める人には、ピント調節機能も重視されます。ボヤけているとVR酔いしやすくなりますから」

スマホをホールドする部分。両脇から挟んでしっかり固定するつくりだ

 続く2位は、A4Tの「STEALTH VR VR200WHT」。こちらもハコスコDX2に匹敵する高い装着性やスマホのホールド性能を備えており、ピント調節機能も持っている。そのうえでレンズを重視する人に好まれているそうだ。

A4T「STEALTH VR VR200WHT」

 「42mm径の非球面レンズを採用していて、視野角が92度と広いのがポイントです。本格クラスになると、臨場感を求めて良いレンズを重視する方が多いので、こちらも昨年夏から長く売れていますね」

■コスパで人気の「P-VRG03」、カールツァイス純正の「ZEISS VR ONE Plus」も

 3位はエレコムの「P-VRG03」がランクインしている。3970円という入門機と高級機の中間的な価格帯ながら、ピント調節機能や目幅調節機能を備えている。装着性もまずまず高く、コストパフォーマンス重視の人に支持されているそうだ。

エレコム「P-VRG03」

 「スマホのホールドはバインドで挟む形式なので、本格派の高級機に比べると激しく頭を動かすとズレやすいという部分もあります。そういった部分を織り込み済みで、割安感を優先して買われていくという流れが多いですね。入門機では飽き足らないけれど、1万円前後のクラスは予算的に厳しいという場合にうってつけですね」

 4位は、ランキング上位で最高級品となるカールツァイスの「ZEISS VR ONE Plus」。カメラ業界で名をはせているレンズの名門だけあって、ピント調節が不要な光学環境を構築するなど、本格派のなかでも独特の強みを持っている。2016年12月に売り出されて以来、熱い指名買いが続いているそうだ。

 「VRコンテンツの開発者の方にも人気があるモデルですね。視野が100度とかなり広く、最高クラスの臨場感が味わえます。VRヘッドセット市場の傾向を考えると、今後もこうした高い付加価値を備えたモデルが出てきそうですね」

カールツァイス「ZEISS VR ONE Plus」

■入門機唯一のランクインは「3D VR GOGGLE」

 5位に入ったのは、BELLの「3D VR GOGGLE」。1280円で買えるエントリークラスの製品で、入門機的な人気を集めているという。「VRをちょっと試してみたいという人や、プレゼントのためにという人に選ばれます。新しい市場なので、そういうお試し的な需要も勢いがあるんですよね」

 エントリークラスでは、ダンボール製の組み立てヘッドセットなどもあり、そちらも安定して売れているとのことだ。

BELL「3D VR GOGGLE」

■はみ出し情報…VR関連ではBluetoothコントローラーやVRマスクも人気

 VRヘッドセットの周辺機器では、Bluetoothコントローラーがよく売れているそうだ。「動画を巻き戻したり別のアプリに切り替えたりするときに、いちいちヘッドセットからスマホを取り出す必要がなくなりますし、ゲームのコントローラーにもなります。VRヘッドセットをお買い求めいただいた人の5人に1人に選ばれている感じです」。売れ筋はエレコムの「JC-VRR01」で、取材時の価格は2970円(ポイント10%)だった。

 そのほか、VR用のマスクをそろえる人も珍しくない。同コーナーで試着する際はVRマスクを装着してもらうようにしているが、そこで存在を知って欲しいという人も多いとか。「ヘッドセットに皮脂がつくのを避けて大切に使いたいという方ですね。カウンターで注文いただければ、100枚入りのものをお売りできます」

 同店で扱っているのは、MOGURAのVR体験用衛生布マスク「NINJA MASK(100枚入り)」で、価格は2759円(ポイント10%)となる。

エレコム「JC-VRR01」
コーナーに置かれている試着用のVRマスク。試着時の使用は無料だ

古田雄介(ふるた・ゆうすけ)
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。

[日経トレンディネット 2017年1月19日付の記事を再構成]

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