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「日経平均は20年に4万円も」 武者陵司氏の強気予測

日経マネー

2017/3/21

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──2020年に日経平均株価4万円も、という強気な見通しが話題になっています。

 日本株相場は「アベノミクス相場第2弾」の壮大な上昇波動に入った可能性が高いと思っています。17年末に3万円到達もあり得る。それでも上昇率は50%程度ですから、第1弾に比べればまだ低い。

 「3万円」という数字自体は厳密なものではありません。2万8000円でも3万2000円でもいい。それぐらいのスケールの相場になり得るということです。

1949年生まれ。ドイツ証券副会長などを経て、2009年に武者リサーチを設立。米国経済に対する深い分析に定評がある

──PERの水準などから17年の高値は2万2000~2万3000円と見る専門家が多い。

 ほとんどの専門家は、今、世界で何が起こっているかを正しく理解していない。だから、PERだとかチャートだとか、過去の循環論みたいなもので考えてしまう。

 そうした計算は、私にとっては単なるトレーディングのアイデアです。ランダムウオークの中の「行き過ぎ」でポジションを取るための手段。だから、上がったら行き過ぎだ、売りだ、となる。

 しかし、今起こっているのは全く新しいトレンド。トレーディングのアイデアでは理解できない。「上がっても、さらにその上を買っていく」相場になるはずです。

■“新大陸発見”で米国隆盛

 重要なのは、世界の資本主義がどう動いていて、その中で米国がどういうポジションにあるかを正しく理解すること。これまで、ほとんどの専門家は、米国を極端に過小評価していた。米国は沈んでいく国だとか、米国中心の資本主義は大きな困難にぶつかっているとか。「Gゼロ」なんて言葉はその最たるものです。

 しかし、米国は駄目な国ではない。これから隆盛を極めていく国です。そしてトランプは強い大統領になる可能性がある。つまり株高・ドル高になるということです。

──米国隆盛の根拠とは。

 かつて欧州の歴史では、新大陸の発見が成長を加速させた。そして、今、全く新しい7番目の大陸が発見された。「サイバー大陸」です。猛烈に大きな経済資源が発見され、それがものすごい勢いで有効活用され始めている。

 サイバー大陸は米国企業のイノベーションによって作り出された。まさに米国企業が支配している大陸です。これからあらゆる生活やビジネスがサイバー上に移行し、最も重要な大陸になる。サイバーを支配する米国のプラットフォーム企業にテラ銭を支払わないとビジネスができなくなるのです。

 そして、恐ろしいことに、サイバー大陸はwinner-take-allの世界。ベストなものに60億人が自由にアクセスする。資本主義のルールに基づいて、世界がより強力に統合されていくわけです。世界の貿易量が減ってきたことから、「グローバリゼーションは終わりだ」と言う人もいますが、「何を言っているんだ、全く逆だろう」と思いますね。

 サイバー大陸の発展は既存の統計では捕捉できないものが多いので見落としやすいのですが、こうした視点で米国の国際収支統計などを分析すると顕著な変化が起きているのに気付きます。

 例えば、米国企業の海外留保利益は年々増加し2.5兆ドルに達している。これは、貿易ではなく、「直接投資とサービス輸出で稼ぐ」という米国企業の今の姿を端的に表しています。そして、米国の国際収支はこの10年間で大幅に改善しましたが、それを牽引しているのは金融・知的所有権料などのサービス収支と、直接投資・証券投資などの第一次所得収支の2部門なのです(下グラフ)。

■ドル高が日本株押し上げ

──米国が隆盛に向かうなら、投資の本命は米国株ですか。

 私は断然日本株だと思います。というのは、このシナリオの帰結として壮大なドル高が起こるからです。日本は円安で特恵的なメリットを受ける国です。しかも、世界最大の貯蓄余剰を持つため、日銀は長期金利ゼロ政策を続けざるを得ない。バリュエーション的には日経平均4万円でも決して割高ではないんです。ドルベースでの投資なら米国株も選択肢になりますが、円ベースでの上昇率なら日本株が大きく上回ると思います。

──トランプ氏の当選後、すぐに日経平均が上がるとコメントを出しました。

 それは別に反射神経で言ったわけではなく、トランプであれクリントンであれ、経済がこういう方向に向かうことは、確信を持って以前から主張していました。

 もちろん、トランプリスクはあります。例えば、米中摩擦が激化し、17年末の日経平均は2万2000円ぐらいだった、ということがあるかもしれません。しかし、それはこれから起きることのタイムテーブル上の調整でしかない。シナリオは不変です。

(日経マネー 市田憲司)

[日経マネー2017年3月号の記事を再構成]

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