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働く人に多い「過緊張」 1分マインドフルネスが効果

こちら「メンタル産業医」相談室(1)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
読者のみなさま、こんにちは。精神科医の奥田弘美です。私は現在、都内18カ所の企業の産業医として、金融、IT(情報技術)、広告業、製造業、小売業など様々な分野の働く人のメンタルケア・ヘルスケアに携わっています。この記事では、私が精神科医・産業医として日々リアルタイムに感じること・伝えたいことを通して、読者のみなさまが健やかに幸せに働くためのヒントを提供できればと願っています。

さて新しい年、2017年がスタートしてほぼ1カ月が過ぎましたが、あなたの心と体はお元気でしょうか? お正月休みでスッキリ昨年の疲れを落とし、晴れ晴れとした気持ちで仕事をスタートさせることができているでしょうか?

もしかして「年末年始も仕事のことが頭から離れず、あまりリラックスできなかった」とか、「家族と過ごしていても、これからどうなるんだろうかと不安や焦りを感じていた」とか、「年末ギリギリまで仕事して慌ただしく帰省して、常に時間に追われてイライラしていた」といった状態だったのでは?

もしもあなたがこうした状態のまま新年の仕事をスタートしているのであれば、要注意。なぜかというと「過緊張」と呼ばれる兆候が出ているからです。

ビジネスパーソンに多い「過緊張」って?

過緊張とは正確に言うと「自律神経の交感神経が過剰に緊張した状態」です。私が産業医として働く人をカウンセリングするなかで、一番多いお悩みがこの過緊張に関する症状です。

例えば……。

「家に帰っても頭の中で、仕事や職場のことをずっと考えてしまって落ち着かない」

「日中に上司(または同僚、クライアント)から言われた言葉が、寝る前になっても頭から離れない」

「明日すべきことが山積みで常に時間に追われ、夢の中でも仕事のことを考えている感じ」……などと訴える社員さんは本当に多い。

つまり仕事や職場の人間関係のことが気になって、「気が休まらない」「リラックスしにくい」「しょっちゅうイライラ、ぴりぴりしている」「妙に焦りや不安を感じやすい」というのが過緊張の初期症状です。

そしてこれらがさらに高じると

「寝床に入っても何時間も寝つけない」

「寝ついても、仕事の夢ばかり見て夜中に何度も目が覚める」

「数時間しか寝ていないのに、明け方に目が覚めてしまって眠れない」といった不眠症状に発展していきます。

その不眠症状が週に何度も頻繁に起こるようになってくると

「朝になっても疲れがとれずに体が重だるい」

「仕事に行く気力がわかず、気持ちがどんよりする」

「会社でも仕事に集中できない、頭がボーっとする」と、うつ病の一歩手前である「抑うつ状態」に移行していってしまうのです。

あなたもこの一連の過緊張症状の流れに陥りかけた経験はありませんか? この過緊張症状は、ストレスフルな現代日本で働く人なら誰もが容易に陥ってしまう、メンタル不調の黄色信号です。

IT化が極度に進み、スマートフォンやパソコンを通じて情報やコミュニケーションがひっきりなしに24時間押し寄せてくる。そのため思考や感情が常に刺激され続け、未来や過去への不安や心配、恐れが頻繁に引き起こされる。そんな中で、日本社会特有の礼儀や秩序を重んじた丁寧かつきめ細やかな対応を望まれ、かたや最大限の効率と成果を求められる――。こうした状況で働く日本のビジネスパーソンの脳や心が疲れないわけがありません。

ちなみに2012年の厚生労働省「労働者健康状況調査」でも、「強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者」は60.9%に上ります。この連載を読んでいるあなたも、もしかしてこの6割の中に入っているのでは? たとえ今は入っていないとしても、「今後6割の中に入ることは絶対ない」と自信を持って言い切れる方はいないのではないでしょうか? 何を隠そう精神科医である私自身も、ふとしたきっかけで「強い不安、悩み、ストレス」を感じて、過緊張の初期症状を感じることがあるのですから……。

過緊張の予防に役立つマインドフルネス瞑想

さてそんな私が過緊張予防も兼ねて、数年前から愛好しているのがマインドフルネス瞑想(めいそう)です。マインドフルネス瞑想は2016年頃からビジネス系雑誌やウェブサイトでも紹介されることが急激に増えてきたため、読者の中にも興味を持っておられる方がいらっしゃることでしょう。

マインドフルネス瞑想に関する研究は、欧米を中心に医学・心理学分野で進んでいて、「怒りや不安、抑うつなどの感情を低下させ気分を安定させる効果」「注意力や思いやりなどの心理的機能を改善する効果」「免疫系を強化する効果」など、様々な効果が報告されています。

私自身も実践していてこれらの効果を実感しますし、過緊張の予防にも大いに役立っています。このマインドフルネス瞑想はお金もかからず簡単に手軽にできるので、医師としてぜひ多くの方にお勧めしたいと考え、日々の業務のほか執筆、セミナーを通して今、イチ推しでお伝えしているところです。

あぐらを組んで行うことだけがマインドフルネス瞑想ではない

「マインドフルネス瞑想」と聞くと「あぐらを組んで瞑想すること」とイメージする方も多いようですが、マインドフルネス瞑想はそれだけではなく、様々なやり方があります。歩いたり、食べたり、オフィスの椅子に座ったり、ストレッチしたりしながらマインドフルネス瞑想ができるというと驚かれるでしょうか? 

この回では、まず手始めに最も簡単にできて効果が実感しやすい「深呼吸瞑想」をご紹介したいと思います。

<深呼吸瞑想の手順>
(1)背筋を伸ばして椅子に座るか、肩幅程度に足を広げて安定して立ちます。
(2)次に目を閉じておなかに両手を当ててください。
(3)鼻から静かに息を吸い込みながら、ゆっくりとおなかが膨れていく感じをおなかと手のひらでしっかり感じていきます。おなかの皮・筋肉が膨らむ感じ、両手のひらが膨らんだおなかで押されていく感じなど、しっかり感じてみましょう。
(4)最高におなかが膨らみきったら今度はゆっくりと息を吐き出していきます。このときもおなかがへこんでいく感じを手のひらやおなかの感覚でしっかりと感じてください。
(5)このように感覚を研ぎ澄ませながら行う深い腹式呼吸を、時間が許すかぎり、じっくり続けます。

深呼吸瞑想中に、仕事や人間関係での心配事や気になることが頭に浮かんでくるかもしれませんが、そのたびに手のひらやおなかの感覚に意識を戻してください。マインドフルネス瞑想は、「無になること」を追求する瞑想ではありません。思考や感情が浮かんだら、そのたびに気づいて呼吸を行っている身体感覚に意識を戻す。その繰り返しができていれば、OKです。

腹式深呼吸をするだけでも副交感神経優位となるためそれなりにリラックス効果は得られるのですが、しっかりと手のひらやおなかの感覚に意識を向けることを繰り返していくと、心を未来や過去の心配や不安から「今ここに戻し」「今この瞬間に集中する」というマインドフルネス瞑想効果が生まれます。

まずは今年からの新習慣として、この深呼吸瞑想を日常生活の中に取り入れてみませんか? 毎朝の習慣として窓辺に立って行うのもよし、食卓やオフィスのデスクに着席したときに行うのもよし、夜にベッド端に座って行うのもよし。もちろん不安、心配、イライラ、焦りなどに襲われたときも、その都度1分だけでも深呼吸瞑想をやってみてください。

マインドフルネス瞑想は、1日1分からでも毎日の習慣にすることが大切です。毎日少しずつでも行うことで、未来や過去の心配や不安、焦りに取り込まれず「心を今ここに安定させる」感覚を磨くことができるのです。

次回も引き続き、マインドフルネス瞑想の手法についてご紹介したいと思います。お楽しみに。

※マインドフルネス瞑想はあくまでも過緊張の予防のための手段です。もし現在、過緊張が高じて激しい不安・イライラ、不眠症や抑うつ症状が出ているようならば治療が必要ですので、お近くの心療内科や精神科を受診してください。

奥田弘美(おくだ・ひろみ)
 精神科医(精神保健指定医)・産業医・作家。1992年山口大学医学部卒。精神科臨床および都内18カ所の産業医として日々多くの働く人のメンタルケア・ヘルスケアに関わっている。著書は「1分間どこでもマインドフルネス」(日本能率協会マネジメントセンター)、「一流の人はなぜ眠りが深いのか」(三笠書房)など多数。日本マインドフルネス普及協会(http://mindfulness-fukyu.net)を立ち上げ日本人に合ったマインドフルネス瞑想の普及も行っている。

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