カサカサ手荒れはヘパリン系 ハンドクリームの選び方
初期の手荒れは、セルフケアで改善できる。「手荒れ対策の基本は、手を洗うたびにハンドクリームを塗ること。また、夜寝る前にはたっぷりと使いたい。軽い手荒れなら一晩でかなり改善する」と、南青山皮膚科スキンナビクリニックの服部英子院長は話す。
ハンドクリームによって有効な成分が異なる。「かさつきには、ヘパリン系。皮膚科で処方する保湿クリームと同じ成分で、保湿効果が高い。角質層が硬くなって、ざらざらするときは尿素系がいい。保湿効果とともに硬くなった角質をなめらかにする効果がある」(服部院長)。
ハンドクリームでなかなか改善しない場合は、量が足りていないことも考えられる。「量の目安は、手のひら一枚につき0.3~0.5 gで人さし指の先一つ分。べとつきが気になるときはティッシュで押さえて。クリームの膜は残るので、効果に変わりはない。マッサージを加えると、血液循環がよくなり、より効果的」と服部院長は説明する。
手荒れを繰り返さないためには、普段の生活からその要因を取り除くことも大切だ。「石けんや殺菌剤の使い過ぎは避けた方がいい。手洗いは、ぬるま湯で洗い流すことでも十分な風邪対策になる。殺菌用のアルコール製剤は手を洗えないときに使って。保湿成分入りがお薦め。熱いお湯は皮脂膜を壊すので、手荒れ対策には、入浴は40℃以下、水仕事は37~39℃が適温」と服部院長。
毎日使っている食器用洗剤なども見直してみよう。「ラウレス硫酸系などの界面活性剤を含む洗剤は刺激が強く、できれば避けたい。購入時に成分の確認を。洗いものをするときは、パウダーフリーのプラスチック製手袋で保護するとなお安心」と、おゆみの皮フ科医院の中村健一院長はアドバイスする。
この人たちに聞きました
おゆみの皮フ科医院(千葉市緑区)院長。一橋大学法学部、信州大学医学部卒業。聖路加国際病院皮膚科等を経て、おゆみの皮フ科医院を開業。「日経メディカルonline」で「【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来」を連載中
南青山皮膚科スキンナビクリニック(東京都港区)院長。東京女子医科大学医学部卒業。日本皮膚科学会皮膚科専門医。保険診療の一般皮膚科と自由診療の美容皮膚科で、女性の心に寄り添う治療を行う。特にアトピー性皮膚炎に実績がある
(ライター 海老根祐子、構成:日経ヘルス 羽田光)
[日経ヘルス2017年2月号の記事を再構成]
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