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あったかインナーは着心地で選ぶ 綿かオイルか?

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日経トレンディネット

寒さが厳しくなってきた。ユニクロが2003年に「ヒートテック」を発売したのを皮切りに、今や男性も女性も1枚はあったかインナーを持っている時代になった。

発熱機能を追求したあったかインナーが第1世代とすれば、裾が切りっぱなしでアウターに響きにくいものや、絵柄や色にこだわったデザイン性が高いあったかインナーは第2世代といえるだろう。低価格帯の商品もここ数年で増え、市場が飽和状態にあるなか、今年は「着心地」や「肌触りの良さ」を全面に打ち出した新商品が続々と発売されている。素材の見直しや保湿成分の配合など、取り組み方は各社それぞれだが、あったかインナーは「着心地重視」の第3世代に突入したのだろうか。あったかインナーを取り扱う4社を取材し、動向を探った。

ベルメゾンは綿95%で「かゆくなりにくい」のが売り

素材における綿の比率を高めることで勝負に出たのが、千趣会が運営する通信販売のベルメゾンが扱う「Hotcott(ホットコット)」だ。ホットコットは素材に綿を使っていることを売りにしたあったかインナーで、発売初年度に72万枚を販売している。

2016年の新商品は素材全体に占める綿の比率が95%。昨年までのモデルが綿比率45%だったのに比べて大幅に増えている。発熱機能はそのままに、綿特有の肌触りの柔らかさがより感じられるようになったといい、さらに「あったかインナー着ると体温が上がって肌がかゆくなるという人がいるが、ホットコットは綿なのでかゆくなりにくい」と千趣会広報部の浅川亜由美氏は話す。

ホットコットを開発したとき、ユーザーの「インナーには天然素材を着たい」という声が参考になったという。ベルメゾンの利用者層は30代から40代の既婚女性が中心。「綿は肌への刺激が少ないというイメージや、夫や子どもにも天然素材を着せたいというユーザーが多かった」(浅川氏)。2011年当時、天然素材を用いたあったかインナーは珍しく、ホットコットを買い求めるためにベルメゾンに新規登録をしたという人も少なくなかったそうだ。

高価格帯商品が想定の3倍の売れ行き

翌2012年は従来品と並行して綿の比率が95%の「極上ホットコット」も発売した。通常品が税込み990円であるのに対し、極上ホットコットは税込み1990円と2倍の値段だったが、想定の約3倍を売り上げ、「着心地がいい」「こういう製品が欲しかった」という反響があったという。その後、2014年にも綿100%のホットコットを発売。こちらも好評だったことで、従来のホットコットそのものの綿比率をアップさせる方向に至ったという。

従来品は綿とマイクロアクリル、吸放湿性が高いレーヨンをブレンドして薄さやフィット感を出していたが、2016年モデルは原綿に薬品加工を施したオリジナルの発熱綿糸に、高級綿糸のスーピマ綿とオーガニックコットンを組み合わせ、薄くて柔らかい綿素材に仕上げた。さらに、5%のポリウレタンを加えて伸縮性を高めている。厚みは従来品とほぼ変わらないものの、綿の比率が高まったことで綿が空気を含んだときの保温力が向上し、体感温度が0.8℃上がっているというモニター試験の結果が出たそうだ。

値段は従来品通り税込み990円で販売する。また、「タグが肌に当たるとチクチクする」という声を受け、2016年モデルからは品質表示タグを廃止。生地に直接プリントしている。

綿比率45%のホットコットが好調だったのだから、綿比率の高い製品は高級価格帯として並行して販売し続けることもできたのではないだろうか。

「ホットコットはベルメゾンの定番商品だが、発売から5年を経てマンネリ感を感じるユーザーも多いのではないかと考えた。過去に好評を得た高価格帯商品を低価格で提供できれば、改めてホットコットのよさをアピールできると思い、リニューアルすることにした」(浅川氏)

他社からも綿比率が高い商品が発売されるようになった。差異化を図るために、価格は据え置いたままで綿の比率をさらに高める必要があったというわけだ。

2016年はベルメゾン初の試みとして、輸入生活雑貨を扱うPLAZA(プラザ)・MINiPLA(ミニプラ)全87店舗での販売を開始した。店頭では試着もできるので、通販の弱みとされる「直接手に取ることができない」点が解消される。また、プラザ、ミニプラともに利用客は10代から20代の女性が中心。店頭販売をきっかけに、ベルメゾンの新規ユーザー獲得につながるのではないかと見ているようだ。

イオンは「綿混」「保湿成分入り」で着心地訴求

イオングループのイオンリテールでは、2014年から「ピースフィット」というブランド名であったかインナーを展開している。あったかインナー自体は2007年から販売していたが、冬物は「ヒートファクト」、夏物は「クールファクト」というブランド名で、それぞれ涼しさや温かさを訴求した商品だった。2014年に全シーズンのインナーをピースフィットのブランド名に統一し、季節ごとの快適な着心地やフィット感、肌触りの良さの訴求を始めたという。

ピースフィットの秋冬商品は、異なる太さのアクリル繊維をより合わせた「サーモエア」という繊維をベースにしている。2016年は、天然保湿成分であるアミノ酸の一種のアルギニンを繊維に配合した「しっとりなめらか」シリーズを発売。アルギニンを配合することで、手触りを柔らかくする目的があるという。

「化学繊維イコール着心地が悪いというわけではない」とイオンリテール広報部の中田真由子氏は説明するが、2016年の新商品として子供向けでは綿混、男性向けでは肌が直接触れる内側部分をオーガニックコットン100%にした商品を扱っている。やはりピースフィットのユーザーからも、天然素材を使ったインナーへのニーズが高まっているのだろうか。

「たしかに『汗をかきやすいので、子どもの肌着は綿がよい』というユーザーの声はある。しかし、ピースフィット購入者の中でも、女性は特に『薄さ』を重視する人が多い。手触りや素材だけにこだわるのではなく、フィット感も重視した商品を展開しているつもりだ」(中田氏)

女性向けでは厚手の綿混素材で裏側を起毛させた商品があったり、男性向けでも化繊のあったかインナーを通常タイプとウェストが細めのフィットタイプの2種類用意したりと、さまざまなバリエーションを用意しているのがピースフィットの特徴。素材だけではなく、ユーザーそれぞれが求める着心地に応えたいという考えのようだ。

ユニクロは保湿オイルを配合

ユニクロのヒートテックの新モデルには、ピースフィット同様に保湿成分が配合されている。使われているのは、数年前から化粧品としても注目を集めているアルガンオイルだ。アルガンオイルはモロッコに生育するアルガンツリーという木の種子から採取される希少性の高いオイルで、肌の脂質成分と近く、オレイン酸などの美容成分が多く含まれている。アルガンオイルを素材のひとつであるレーヨンに練り込んだことで、生地の手触りが柔らかくなり「ヒートテック史上最高になめらかでしっとり」(ユニクロ広報部の謝宝友氏)しているという。

ユニクロでは、2013年から保湿を目的として女性向けに椿オイルを配合したヒートテックを発売。2015年には男性、子供向けの商品にも椿オイルを使用した。2016年は、さらに手触りの良い製品をと考え、アルガンオイルに変更し、すべてのヒートテックに配合した。アルガンオイルの効果とともに、ウェブサイトや店頭でヒートテックの改良について大々的に訴求。「今までの製品は手が荒れていると生地がひっかかったりしたが、今年の製品は引っかからない」「素材がなめらかで脱いだり着たりしやすい」という顧客アンケートの声を紹介し、昨年までの違いを強くアピールしている。

無印良品は「発売当初から天然素材を重視」

無印良品は2008年からあったかインナーを販売している。2016年の新商品「綿混あったか」シリーズはオーガニックコットンを47%使用。アクリルやレーヨン、ポリウレタンなども使われているが、素材の比率を見る限りは昨モデルまでのホットコットに比較的近いかもしれない。

この商品は昨シーズンまで展開していた「天然素材にこだわったぬくもり」シリーズの改良したもの。昨シーズンも綿を使用していたが、今年からオーガニックコットンに変更した。保温性を高めるためにアクリルを追加し、さらに価格を200円ほど安くしている。男性、女性向けともに脇に縫い目が出ないように縫製しているので、着用時に縫い目が当たってチクチクすることがないという。

「特に肌触りだけを重視したわけではないが、コットンの風合いを生かして、温かく快適なインナーを作りたかった」と、良品計画 宣伝販促室の関根純子氏は話す。無印良品では、以前からインナー以外のカテゴリーでも天然素材を重視した商品を展開している。今年のトレンドとは関係なく、天然素材を求めるユーザーに応える商品を用意したということだろう。

綿混あったかインナー以外にも、ウールと綿を混紡した「コットンウールストレッチあったか」シリーズも昨シーズンから継続して販売している。

ユニクロは「温かさ」に回帰するのか?

着心地戦争が加速するなか、ユニクロはヒートテックの上位モデル「ウルトラウォーム(超極暖)」の発売を発表した。特殊な編み方によって繊維の膨らみ感をアップさせ、裏地の起毛の毛足も長くしたことで、定番のヒートテックの約2.25倍温かいという試験結果が出ているという。

価格は1990円と、メーンの商品群に比べて2倍近く高い。なぜいま同社は「温かさ」を付加価値にした高価格商品を展開するのだろうか。「寒冷地に住む人や寒い場所で長時間作業する人に向けて開発した」(ユニクロ)。すでにロシアや中国などでは販売されており、売れ行き好調だという。

「スポーツブランドやアウトドアブランドの商品とは価格設定が違うため、競合とは考えていない」(同)という。ただ、アウトドアブームのなか、アウトドアブランドの高価格帯商品には手が出ないが、より温かいものが欲しい層をつかめる可能性はある。

通勤時、屋外でのレジャー時など、シーンによってあったかインナーを使い分ける人が増えることで、あったかインナー市場はますます拡大していきそうだ。

(ライター 樋口可奈子)

[日経トレンディネット 2016年12月13日付の記事を再構成]

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