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バランス型投信、再び脚光 人気継続のカギは QUICK資産運用研究所 清家 武

2017/1/4

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 金融機関が資産管理型営業を推進する中で、「バランス型投資信託」を顧客の中核資産として販売するケースが多くなり、純資産総額が拡大している。

 2014年から15年にかけて、金融機関が個人顧客に代わって投信で資産運用する金融サービス「ファンドラップ」が普及。このファンドラップ人気を背景に同様の運用手法をとるバランス型投信にも資金が流入した。16年に入り、勢いこそ落ちたものの安定的に資金が流入している。

■価格変動リスクを低減

 投信の投資対象である株式、債券、不動産投資信託(REIT)は景気局面によって循環的な値動きをする。例えば景気拡大期には、株式やREITの価格が上昇し、景気後退期には金利が下がり債券価格が上がる傾向がある。

 ひとつの資産に集中投資した場合、値上がりすれば大きな収益が得られる半面、値下がりするとその分損失も大きくなる可能性がある。バランス型投信ではこうしたリスクを軽減できる。

 バランス型投信は「リバランス型」と「リアロケーション型」の2タイプに大別できる。

 「リバランス型」は当初設定したモデル資産配分比率を基準に運用し、定期的にリバランス(上昇した資産を売却し、下落した資産を買い増し、当初のモデル資産配分比率に戻す)を行う。バランス型投信の多くはかつてはリバランス型であり、07年ころ純資産総額が拡大した時期があった。

 ここ数年は、景気動向などによって資産配分を柔軟に見直す「リアロケーション型」が増加している(グラフA)。

 「リアロケーション型」は市場が強気に傾いている場合は株式やREITの資産配分を増やし、市場が弱気に傾いている場合は債券の資産配分を増やすなど、市場環境の変化に応じて機動的な資産配分を行うことで、収益獲得機会の拡大を追求する。

■株式型、REIT型より低リスク

 バランス型投信の過去10年間の騰落率をみると、リーマン・ショックで大幅に下落した時期もあったものの、10年間で13%上昇した。

 過去10年間の投信タイプ別の値動きを見ると、国内外の株式型、REIT型などのタイプは運用成績の良い年、悪い年で極端な動きをしているが、バランス型投信は比較的安定している(表B)。

 価格変動リスクを示す統計指標の標準偏差(月次3年)で見ても、バランス型投信の平均は10%程度であり、国内外の株式型、REIT型などのタイプと比較して小さく、海外債券型と同程度だ(表C)。

 標準偏差が10%とは、平均的な年間リターンを0%と仮定した場合、年間騰落率が約68%の確率でマイナス10~プラス10%の範囲に収まり、約95%の確率でマイナス20~プラス20%の範囲に収まることを意味する。統計的にみれば、バランス型投信が年間で20%以上下落するケースは少ないといえる。

 07年ころに「財産3分法ファンド」などと銘打ったバランス型投信がブームになった時期があったが、リーマン・ショックによる大幅下落を機にブームは終焉(しゅうえん)した。現在人気化しているバランス型投信も、相場が大きく下落した際に真価が問われることになる。

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