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芸能ニュースで読む エンタメ界をにぎわせた人・事件

日経エンタテインメント!

2017/1/11

『ワイドナショー』にベッキーが出演した10月9日の回で最初に扱ったニュースは、偶然にも「川谷絵音活動自粛」だった。視聴率は10.4%で、初めて『サンデー・ジャポン』を上回った。日曜10時/フジテレビ系

 ワイドショーを連日にぎわせる芸能ニュース。2016年の話題をランキングで振り返ると共に、報じる側の『週刊文春』と、トークテーマにしている『ワイドナショー』に話を聞いた。

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 16年はいつにも増して芸能ニュースが多く、年間を通して世間を騒がせた。下の表は、朝の情報番組で取り上げられた芸能・スポーツニュースを、放送時間順にランキング化したもの(エム・データによる調査)。

 1位は「清原和博覚せい剤所持事件」という結果になった。野球界のスーパースターの転落だけに、芸能界からの失望コメントもニュースになった。薬物関連では6位の高知東生と17位の高樹沙耶、そのほか5位の高畑裕太と、残念ながら有名人の逮捕が続いた。

朝4時から10時までにNHK総合、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビの各番組で取り上げられた「芸能」「スポーツ」のトップニュースの放送時間を集計、ランキング化した。集計およびランキング作成はエム・データ

 2位は、「SMAP解散」。1月に分裂危機が報じられ、一旦は存続表明するも、8月14日に解散を発表。国民的グループが苦悩の末に出した結論は、日本中に衝撃をもたらした。

 スポーツ選手での最高位は3位の錦織圭。世界の強豪に肉薄する活躍が年間を通して伝えられた。

 そして4位は、年明け早々に『週刊文春』がスクープした「ベッキー&ゲス極。不倫騒動」。これを皮切りに、20位の乙武洋匡ほか、数々の不倫ネタが報じられた。

 「小林麻央乳がん闘病」は7位。6月に夫の市川海老蔵が会見を開いて明らかにした。9月に小林が立ち上げたブログには病に向き合う姿がつづられ、多くの人の心を動かしている。結婚の話題は、10位の福原愛など3組が入った。

■【週刊文春】 週刊誌の持つ影響力を再認識した1年

新谷氏が12年4月に編集長になってから完売は7回あり、そのうちの4回が16年(写真は完売号)
 事件や騒動の最前線に立ち、多くの人の関心を集める話題を提供し続けた『週刊文春』。編集長の新谷学氏は、どんな考えで週刊誌を作っているのか。

 著名な人たちの興味深い、知られざる素顔を伝えることが週刊誌の役割の1つだと思っています。人はみんな、美しく素晴らしい部分がある反面、醜かったり愚かだったりもする。それらすべてひっくるめて人間の魅力であり、原点は「人間への興味」です。決して誰かを断罪するために作っているわけではありません。

 ただ、それが結果的に非常に大きな影響を及ぼすことがあるというのは、改めて認識しました。公金流用疑惑で、舛添要一さんの記事を8週にわたってやりましたが、あれがなければ小池百合子さんは都知事になっていないし、築地市場の豊洲移転問題なども出ていないわけですから。ベッキーさんやSMAP、ショーンKさんら様々な芸能人の記事も出しましたが、改めてペンの力を自覚しなければいけないと感じた1年でした。

 私の考える基本方針は、まず当事者の意見を聞くこと。もし対立関係にあれば、自ら発信できる側ではなく、弱い立場の人に耳を傾ける。だから能年玲奈さんには、対談連載の「阿川佐和子のこの人に会いたい」に出てもらいました。

 そして、真実を求めてリスクをとってでも勝負すること。以前はブラックボックスに封じ込めていたことも、今は裏が透けて見える世の中です。本音むき出しの社会になればいいなんて全く思っていませんが、きれいごとと建前で埋め尽くされている世の中は息が詰まるし、健全ではないです。

 あとはやっぱり、面白いこと。最初から「この人をこらしめてやろう」と思って作ると、雑誌そのものが暗くなってしまうんですよ。それは私の目指すものではない。甘利元大臣が大臣室でようかんと一緒に現金を受け取ったスクープには、「『水戸黄門』じゃないんだから」というツッコミどころがありましたし、中村芝翫(しかん)を襲名する前の橋之助さんの交際報道のときは、「けしからん!」と断罪するのではなく、「芸の肥やしですか」とご夫婦双方に聞くことで、「歌舞伎界ではどこまで許される?」と問題提起して話題が広がりました。

 “文春砲”が流行語大賞にノミネートされましたが、私としてはあまり怖がられたくないんですよ。『週刊文春』をもっと面白がってもらいたい。ゴシップには暇つぶしや憂さ晴らし、世の中のガス抜きという役割もあると思うんです。正義の味方ぶって拳を振り上げるのではなく、読者の皆さんにどんな記事が載っているのかな、と関心を持っていただき、たくさんの話題を提供していきたいです。(談)

■【ワイドナショー】ある意味強運(?)を「持ってる」出来事が続出

 松本人志をはじめとする出演者の発言が、数多くニュースになる番組『ワイドナショー』。この1年で印象に残ったことは何か。演出の竹内誠氏によると、数奇な出来事が多かったという。番組がタイムリーな運を「持ってる」ともいえそうだ。

 スクープされる側の有名人が発言できる場にしたいと考えて立ち上げた番組なので、ベッキーさんに出演してもらえたことは良かったです。でもやっぱり、否定的なご意見もたくさんいただきました。それだけ、世間に与えた衝撃は根深いんだなと。松本さんが笑いに変えるいじり方をしてくださり、ヒロミさんが同じタレントの立場で「大変だったな」と迎え入れてくださって、温かい雰囲気で進行できたのは成功です。その代わり、東野幸治さんが痛いところにもツッコんでくれました。

 全体的な印象は、悪いことも含めて引きが強かったです。清原和博さんが飲食店で灰皿を破壊したことが話題になっていたので、番組に呼んだのですが、2週間たたないうちに逮捕されました。あとは、中居正広さんや乙武洋匡さんら、準レギュラー陣がどんどん渦中の人になっていくという。先日は視聴者からのリクエストを受けて、乙武さんの事務所兼ご自宅に行かせてもらいましたが、笑いの多いロケになってほっとしました。堀潤さんはDV疑惑が報じられた日と収録日が重なったんですよ。でも自力で乗り越えました。

 そのほか、「ワイドナ高校生」の岡田結実(ゆい)さんがまさかの裏番組(『誰だって波瀾爆笑』)のMCになるという(苦笑)。視聴率も調子がいいみたいです。「紅白歌合戦の司会ができるぐらいになってね」と送り出しましたが、帰ってきてくれないかな(笑)。青木珠菜(じゅな)さんは数学で1点を取ったという理由で、学業に専念すると番組内で引退を発表、松本さんや東野さんは大爆笑でした。青木さんには新しいステージで頑張ってほしいです。

 作家の山口恵以子さんは、うちの番組のハロウィン担当なんです。それでUSJの「祟(TATARI)~生き人形の呪い~」のロケに行ったんですが、その日の夜に日本人形協会からUSJに抗議文が届いたそうで。だから山口先生が「祟」を取材した最後の人なんです。

 何だかズレてますが(笑)、運の強さを感じた1年でした。(談)

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2017年1月号の記事を再構成]

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