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世界の聖地を歩く女性写真家と「お伊勢参り」 写真家の稲田美織さん

2017/1/1

内宮 宇治橋初日の出  (C) Miori Inata

 一生に一度は「お伊勢参り」――。江戸時代、そんな言葉が広まるほど古くから日本人の憧れだった伊勢神宮(三重県伊勢市)。2016年5月に日本で開かれた主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)をきっかけに、世界からも注目を浴びている。その日本の聖地を10年以上にわたり、撮影し続けているのが写真家の稲田美織さんだ。稲田さんが16年に英文で書き下ろした「Ise Jingu and the Origins of Japan(伊勢神宮と日本の源流)」は、G7で伊勢神宮を訪れた各国首脳にも贈られた。今回、稲田さんに案内してもらいながら、記者が「お伊勢さん」の持つ力を感じる旅に出かけた。

■内宮で早朝参拝

 まだ夜も明けきらない薄暗い午前6時30分。稲田さんと、宿泊する神宮会館の職員の方に案内され、早朝の内宮(ないくう)に向かった。内宮は、皇室の祖先といわれる天照大御神(あまてらすおおみかみ)をまつるお社だ。

 ピンと張り詰めた気持ちの良い空気を頬に感じる。あたりはひっそりと静まり、「静寂」という言葉の本来の意味を初めて知ったような気がした。内宮への入り口、五十鈴(いすず)川にかかる宇治橋は、神の世界と人の世界をつなぐ橋だ。川の底が見えるほど、水は透き通っている。

 内宮の庭園、神苑(しんえん)をすぎ、御手洗場(みたらし)の五十鈴川、川べりに向かう。「川の水で、手を清めましょう」。稲田さんが声をかけてくれた。手をひたすと、水の冷たさが心地よい。五十鈴川を守る瀧祭神(たきまつりのかみ)を経て、天照大御神をまつる御正殿へ向かう。

内宮 参道の光 (C) Miori Inata

 今回、稲田さんに伴われ、伊勢神宮のなかでも最も神聖な場所、御垣内(みかきうち)での「正式参拝」を体験することができた。通常は外玉垣(とのたまがき)と呼ばれる垣根の外から参拝するのだが、なかに入り神様に近い場所でお参りできる。正式参拝をするには、内宮と外宮(げくう)の神楽殿で事前に申し込みが必要だ。また、少しでもカジュアルな服装では入ることができない。上下同じ色のスーツ、男性はネクタイの着用が必須となっている。女性で着物の場合は訪問着や黒留袖(くろとめそで)などの正装で参拝する。

※1月1~3日は神宮会館による早朝参拝ツアーは実施なし。

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