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入社1年目で妊娠・退職 悔しさバネに留学・起業

ビザスク代表取締役・端羽英子さん(前編)

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NIKKEI STYLE

起業するまでの経緯や仕事と家庭の両立についてなど、多くの壁を乗り越えてきたママ起業家や社長にインタビューします。今回は経営者や専門家に直接相談できる「スポットコンサル」の情報プラットフォーム「ビザスク」で起業したビザスク代表取締役CEOの端羽英子さんを、前後編の2回に分けて紹介します。

端羽さんは、外資系金融や化粧品会社、投資ファンドで活躍後に起業。業界業務の経験豊富な「その道のプロ」に、1時間からピンポイントに相談できる「スポットコンサル」という知見活用の新しい仕組みを生み出しました。現在は、子育てをしながら、登録者が2万5000人超と成長を続けている会社を経営しています。

仕事好きな父に男の子のように育てられた子ども時代

熊本出身で父親は地方銀行勤務、母親は専業主婦という保守的な家庭に育った端羽さん。三姉妹の末っ子で、一番上の姉とは10歳違い。そのため、大人が近くにいる環境で活発な幼少期を過ごした。

父親は仕事が大好きな人で、家で仕事の話をよくしてくれていたそう。

「俺が地域の経済を支えているんだ、というくらい強い仕事人の思いがあって。その姿を見て、働くっていいな、と。父は男の子が欲しかったようで、三女の私を長男のように育てていたこともあり、女の子らしくしなさい、と言われたことはありません。小さいころは、歴史が好きだったので年表に載るのが夢でした」

経済学部に進学。公務員志望から一転、就職に切り替え

高校時代は進学校に通い、単身赴任をしていた父がいる東京の大学を受験。銀行勤務の父の影響で経済学部に進学した。

「周りの話を聞いて面白そうだと思い、大学3年生の最初のころまでは国家公務員試験を受けようと思っていました。いつか留学をしたかったので、留学制度があるのもいいなと。それが、結婚することになる男性と出会い、勉強するよりも恋のほうが楽しくなってしまって(笑)。留学できるくらい稼げばいいと思い、民間への就職に切り替えました」

就職活動をしている中で、外資系金融会社のインターンに参加。部門ごとに採用するスタイルがプロフェッショナルだと感じて受けてみたところ、見事採用されたという。

「色々な手法で企業の資金調達を支えたり、M&Aをサポートしたりする投資銀行部門に興味を持ちました。父が銀行員だったこともあり、日本の銀行より新しくて面白そうだと感じたところもあります。企業の活動を金融の面から支えるところもいいなと思いました」

就職目前に学生結婚。やってみて後悔するほうがいい

その後、就職する直前の3月に当時お付き合いをしていた同級生と学生結婚。周囲から結婚が早過ぎると言われたこともあったそう。

「親が古く、お付き合いしたら結婚するものだと育てられてきたので、その通りに。親の教えは怖いですね(笑)。母も姉も21歳で結婚していたので、とくに抵抗はありませんでした。むしろやらなくて後悔するよりは、やってみて後悔するほうがいいと思いました」

就職、結婚という人生の節目を迎えた当時は、起業すると思っていなかったといいます。

「就職先を決めた後に結婚が決まったので、3年間死ぬほど働き留学をしよう。その後に自分で手に職をつけたほうが子どもを産んだときに仕事と両立できるのではないか、と思っていました。起業というより、独立したコンサルタントのイメージが強かったですね」

仕事を続けるより、得意なことを見つけて働きたい

いざ外資系金融に入社をしてみたら、あまりの忙しさに驚いたという。その後、入社1年目で妊娠。子どもがいなくても大変なのに、子どもができてこの忙しい環境で働くのは無理だと思い、退社を決意した。

「今思うともっと頑張るべきときに、結婚をしていたことで逃げ道ができたのかもしれません。当時の先輩から『正直なところ君はまだ実績もない。同級生と結婚し、旦那さんは別の外資系の同じような部門にいる。男の側を採用していれば色々と配慮しなくてもよかった、という気持ちがないわけではないよ』といわれ、そのとおりだと。『ごめんなさい』を言いながら仕事を続けるのは辛いだろうなと思いました」

そのとき、配慮してもらわないでいい働き方を探そう、それでも配慮してもらわないといけないときもあるから、得意分野を作ろう、と思ったそう。

「みんなが夜中の3時まで働いている会社の場合、夜の10時に帰っても『ごめんなさい』と言わないといけない。みんなが夜の10時に帰る会社なら、民間の保育園に入ることができれば同じように働ける。"普通"が違う会社がいいと思いました」

公園で子どもを寝かせながら勉強。米国公認会計士を取得

辞めてみて、初めはすっきりした気持ちだったが、だんだんと仕事を途中で辞めてしまった挫折感が強くなった。

「人生の大きな挫折でした。同期がどんどん活躍していく中、自分は出産。もともと辞めたときに、子どもがいても強みを持って働きたいと考えていたので、得意だった英語力と会計の分野を生かせて、日本の公認会計士の試験よりも短い期間で合格できる米国の公認会計士の試験を受けることにしました。同期を見ながらだんだん強くなる挫折感をバネに、そりゃもう必死で勉強しました(笑)」

「子どもを公園に連れていき、レジャーシートに寝かせて自分は勉強するという生活。そして、4カ月の子どもを母に預け、日本から一番近いグアムに行って受験し、無事に合格することができました」

不利な状況を乗り越え、再就職

試験が終わってすぐに就職活動を開始したものの、小さな子どもがいることですぐに就職が決まらなかったといいます。

「お昼時にオフィス街を通ると、この人たちには仕事があるのに、私には仕事がない、と考えて落ち込むこともありました。大学生のときはゲタを履かせてもらえるので、そんなに就職活動は大変ではありませんでした。就職に不利な状況になり、初めて落ちるのに理由があると思い、志望する会社をよく調べるようにしました」

何社か受けた中、合格したのが化粧品会社。妊婦でおしゃれができない期間に初めてお化粧が面白いと思った、という気持ちが通じたのかもしれないという。

「人事の人に、1年間しか働いていないし、子どももいるし、なぜ書類で落とさなかったのか聞いたんです。そうしたら1年間しっかり勉強していたみたいだから会ってみようと思った、と言われました。英語×公認会計士で資格を取得したことが役立ちました」

「今が留学のタイミング」と、家族で渡米を決意

共働きを始めるに当たり、子どもを夜11時まで預けられる保育園が敷地内にあるマンションに引っ越し。万全の体制で臨んだものの、やはり仕事と子育ての両立は大変だったそう。

「子どもがだんだん大きくなり、夜11時まで1人で残りさみしそうな顔をしているところに迎えにいくのが切なくなってきて。これは無理かもしれないと思いました。そこで、夫に相談したら『今が留学をするタイミングかもしれない』と言われ、家族で渡米することにしました」

渡米後受験勉強をして、2005年からマサチューセッツ工科大学に進学し、MBAを取得。子連れ留学は思ったよりは大変ではなかった。

「学生は自分でスケジュールを調整できます。チームメートに『こいつがいたほうがいい』と思ってもらうためにも、最初の1、2回のグループワークは頑張り、その後協力してもらいました」

ビジネススクール受験で教わったのは、"Young Japanese Working Mother"が価値あるということだった。

「自分の経験には価値があり、キーワードを組み合わせれば差別化してアピールできることを教えてもらいました。入学後も勉強だけでなく、色々な人に触れ、考え方を学んだことも大きかったですね。アメリカ人のママと話をしたときも、『私はすごいボランティアをしている。だって子どもを2人育てているから』と言ったんです。子育ては社会に対してこんなに自分の時間を削って、次の世代を生きる子どもを育てるのはボランティアとしか思えない、と。本当にそうだと思いました」

留学が終わったら夫と離婚をし、子どもを連れて日本に帰ることが決まったときも、アメリカの保育園の先生の言葉にはっとしたそう。

「大事なのは、これから一緒に暮らすお母さんと子どもの関係。いつか嘘をついてパパはお仕事などと言わずに、家族の関係が変わること、それでも愛情が変わらないことを、素直に伝えなさい、と言われました」

(ビザスクの起業から現在に至る、後編に続きます。)

(ライター 平野友紀子)

[日経DUAL 2016年11月17日付記事を再構成]

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