ファミコン、野球盤…大人が欲しいクリスマス玩具
便乗型クリスマスプレゼント6選(1)
お歳暮や忘年会など、何かとお金が出ていく年末。パートナーや子どもにはクリスマスプレゼントを買っても、自分の買い物は後回しというビジネスパーソンは多いことだろう。今回はそんな方に、子ども用クリスマスプレゼントの提案。
といっても、ありきたりな子ども向け玩具ではなく"便乗型"、つまり子どもへのクリスマスのプレゼントを隠れみのに、大人が買いたくなるようなひねりの効いたブツをピックアップした。大人も子どもも楽しめる玩具は、絶好のコミュニケーションツールになる。帰省時のお土産や、子どものいる友人宅へのプレゼントとしてもお薦めだ。2回に分けて紹介する。
任天堂「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」
ソフト30タイトル収録! 入手困難、でもほしい…
いま、ちまたで大人気となっているミニサイズのファミコン。手のひらサイズの本体に『スーパーマリオブラザーズ』『ゼルダの伝説』『グラディウス』といった誰もが知る往年の名ソフト30タイトルが収録されている。筆者もそうだが、現在、小学生以下の子どもを持つ親の多くは幼少期にファミコンに夢中になった世代だ。
1983年に登場した初代ファミコンをそのまま縮小したようなきょう体やパッケージデザインを採用するクラシックミニは、そんな世代のコレクターズアイテムとしての魅力もある。しかしまるで実写のようなCGがグリグリ動く現代のゲームに慣れた子どもが果たしてファミコンゲームなんぞ楽しめるのか? 筆者自身もかなり久しぶりにファミコンソフトをプレーしてみたが、その心配はまったくないと確信した。
当時の(名作といわれる)ファミコンゲームは、機器の性能的な制約からグラフィックやサウンドこそ貧弱だが、ゲーム性や演出といった「本質」が伝説的なゲームクリエーターたちの手によってとことん磨かれている。ノスタルジーだけにとどまらない普遍的な面白さがあるのだ。
グラフィックにしても、リアリティーという意味では現在のCGとは比べようもないが、最小限のドットであらゆる物体を表現する見事な職人芸だ。どのソフトもシステムや操作がシンプルでとっつきやすく、親子で遊ぶにはむしろ現在のゲームよりも優れているかもしれない。
そういえば筆者もファミコン全盛だった小学生のころ、担任の教師に本将棋のルールを教えてもらい、「こんな面白いゲームがあったのか」と感動した記憶がある。あれから30年あまり。ファミコンもそのポジションに就いたということなのだろう。
エポック社「野球盤 3Dエース モンスタースタジアム」
野球盤史上最大のフィールド面積と全9球種に驚き!
ファミコンと同様、いま30代以上の男性なら一度は遊んだであろう玩具がこれ。要は野球を題材にしたボードゲームなのだが、エポック社といえば野球盤、野球盤といえばエポック社というくらい昭和生まれの少年たちには浸透していた。余談だが、筆者が小学生だった1980年代後半には当時完成したばかりの東京ドームを模した「ビッグエッグ野球盤」という商品が販売されていた。球場全体が透明な屋根で覆われた高価なデラックス仕様である。クリスマスシーズンになるとが然厚みを増す新聞の織り込みチラシにそいつが載っていて、欲しくてたまらなかったことを思い出す。
この「野球盤 3Dエース モンスタースタジアム」は野球盤史上最大のフィールド面積をうたう最新モデル。名前に「3D」とあるのは、これまで転がすだけだった投球を、何と本物の野球のように飛ばして放ることができるようになったから。もちろん野球盤名物の「消える魔球」も引き続き採用されており、全9種の多彩なボールを投げることが可能だ。
また外野手の守備位置を手元のレバーで動かせるほか、音声やサウンド、アニメーションを表示して試合を盛り上げる電光掲示板も付属。プレーするのは小学生以来だったが、進化に驚きつつもその面白さに思わずうなってしまった。球がうまく出てこなかったり、とんでもない変化球を投げてしまったりと、しばしば苦笑するような"事故"が起こるのが、いかにもアナログのゲームらしく楽しい。
ただ、いくら懐かくて面白いといっても、これほど大型の玩具を何もエクスキューズもなしに買って帰った日には、妻君にどやされること必至。子どもへのクリスマスプレゼントを言い訳に利用しない手はないだろう。
(ライター 佐藤旅宇)
[日経トレンディネット 2016年12月2日付の記事を再構成]
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