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退職ママ 収入は激減しても、小さな企業でやりがい

管理職を辞め、夢は起業の3児の母・カヨさん(後)

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カヨさんは2016年3月、10年近く勤めた企業を退職しました。在職中、3人の子どもを産み、管理職にも昇進。恵まれた条件のようですが、実際は上司が変わったり、会社の構造が変わったり、自分の目指す仕事ができなくなってしまったからです。社員が何となく居残る長時間労働の習慣にも、疑問を感じていました。前編の「夢を叶える40代へ ぬるま湯の大企業を退職」はこちら

小さな会社で「自分で工夫する」楽しさを知る

カヨさんは4月に転職しました。中国の企業が東京オフィスを立ち上げるため、友人に誘われていたのです。カヨさんのキーワードは「中国」。学生のころ留学して以来、中国語が得意。3年半ほど、現地で仕事をした経験もあります。新しい会社は広告代理店で、来日する中国人向けに、ショッピングの携帯アプリを立ち上げています。スマートフォンを使う中国人は多いので、他にも、開拓できる分野があるそうです。小さな会社ですが、ビジネスのノウハウを学べると思い、前に勤めていた会社を辞める決心がつきました。基本は週3回の勤務、という柔軟さも魅力です。

手始めに、カヨさんは、会社のホームページ立ち上げをほとんど一人でやり遂げました。Webサイトは会社の顔になるので、外注するかどうかから考えました。トップページのデザインを提案したり、デザイン会社とトラブルが起きて交渉したり。自分で文章を入れ、見出しも付けました。努力が見える形になって、充実感でいっぱいになりました。

小さな会社に転職して、発見がありました。以前の会社はそれなりの規模で、環境も整っていました。職場でコーヒーも飲み放題、備品もふんだんに使えました。今の会社には備品もなく、ボールペンやノートも自分で用意します。コピーをとるのも、節約のため「本当に必要なの?」と聞かれます。それがかえって、自分で工夫してやっていかなきゃ、というやる気になります。

柔軟に勤務する代わりに、子どもと夜のオフィスへも

基本は週3回といっても、自主的に他の日に出勤することもあります。それでも調整して使える時間ができたので、これまでできなかった習い事を始めました。まず始めたのはフラメンコ。娘たちも習うようになり、親子で舞台に立つのが目標です。こういう時間を作り出すため、生活をリセットするための転職でもありました。以前は週に5日、勤務しなければならず、「毎日、会社に行く必要あるのかな」と疑問に感じていました。今は、「短い時間でも、どれだけ成果が出せるか」という挑戦をしています。

金曜日はなるべく休みにします。午前中は家事の時間。「1週間のうち、金曜日は家事のための時間がある」と決まっていると、気持ちが楽です。掃除機かけ、シーツ洗濯、キッチンや洗面台・トイレを磨くなどの家事をします。子どもたちのたまったプリントも整理。こうした片付けをしていると、「無の境地」になって、気分が良くなります。

家事をしたら、フラメンコのレッスンに出かけます。終わったら、ランチをしてコーヒーを飲みながら1人ミーティング。この1カ月、どういう生活をしたか振り返り、スケジュールの微調整をします。来週は何をしようか、この先1カ月にやりたいこと、休みにしたいことを考えます。子どもの洋服をどうやって整理しようか、フリーマーケットに出そうか。そんなことを考える余裕もできました。その後、仕事があれば会社に行きます。

柔軟に勤務する代わりに、必要なときは持ち帰りや時間外の仕事もします。他の社員との兼ね合いで、夜や休日に設定される用事もあります。子どもたちを連れてオフィスに行き、18時半からの会議に出たことも。職場のお花見にも、子どもたちを連れていきました。大阪に出張するときは、子ども3人を関西に住む義理の母に預けました。「決まった時間、会社にいなければならない仕事」ではなく、「自分でやりたいこと、やるべきこと」があれば、モチベーションが上がります。

明日、死んだら……と考えて、やりたいことをやる

カヨさんは前の会社を辞めて、夫の扶養家族になりました。ずっと働いてきたので、扶養に入るときに抵抗感がなかったわけではありません。「今の給料を夫に教えたら、少なくて驚かれました。でも自分がやりたいことがやれて、結果が出せればいいと思っています。ボランティアではないから、ある程度の収入は必要ですが」

やりたいことはできない大企業に勤め続けて安定した収入を得るか、収入は期待できないけれどやりたいことをやるか。

カヨさんはやりたいことをやる人生を選びました。「行動するかどうかの違いだと思います。明日、死んだらどうしますか。そう考えると、やりたいことをやったほうがいい。お金がないなら、ないなりの生活をしよう。わが家は住宅や車のローンもないし、好きなことをやろうと決断できました」とカヨさん。

先日は1週間、子どもたちの世話を義父母に頼み、中国へ。カヨさんは「留学経験があり、日中関係の仕事にかかわっている」ということで、大使館から声がかかって招かれたそうです。働いていたので事情はよく知っていますが、久しぶりに現地の大学や企業の人たちと交流して、中国との「縁」を改めて感じました。日本から一緒に行ったメンバーは起業している人が多く、刺激を受けました。

カヨさんには、以前から、40代でNPOか会社を始めるという目標があります。

カヨさんの具体的なプランは、実家のある静岡で地域おこしに貢献したいということ。前に勤めていた会社を辞めるとき、顧問にやりたいことがあると話したら、専門家を紹介してくれました。NPOにはどんな助成があるか教えてもらったことも。地元の農家や旅館の知り合いにも、相談しています。

商店街で空いている店舗を使い、天候に左右されず子どもが遊べるところを作りたい。農家の有機野菜をネット販売するのもいいし、観光客が農家を訪ねて地元の産物で料理を楽しむのもいい。海や緑や、自然に恵まれた土地なので、自然体験のツアーもできそう。泊まる場所は、民宿や、高級旅館や、予算に合わせて選べる。国内からだけでなく、中国からどうやって地方に観光客を招くかも考えたい…。

3児のママ、カヨさんの夢は、どんどん膨らんでいます。

なかのかおり
 ジャーナリスト。記者として20年勤めた会社を退職し、フリーランスに。主な取材テーマは、医療・福祉・労働・教育・カルチャーなど。39歳で初産。産前産後の体験記・お出かけ情報についてのコラムや近況は「なかのBlog」をご覧ください。Twitterは@kaoritanuki

[日経DUAL 2016年11月9日付記事を再構成]

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