1万円台でも満足　価格で選ぶ液晶ディスプレー

パソコン用液晶ディスプレーの注目製品を画面サイズ、最大解像度、価格、入力端子の種類などから厳選した。手ごろな価格で手に入る標準的なディスプレー、高精細な画像や映像を表示できる4Kディスプレー、激しい動きにも対応できるゲーミングディスプレーの3分野に分けて紹介していく。

標準的なディスプレーの売れ筋である24型は1万円前半から、27型や30型でも2万円前後から購入できる。選択肢も多いので、まずはだいたいの予算を決めて選ぼう。設置場所が許すなら、思い切って大きめのディスプレーを選ぶのもありだ。

【1万円台　――24型が中心】

低価格だが、IPS方式の液晶を採用。超解像技術で画像のぼやけを改善できる。ボディーカラーは黒色のほかに、加賀藩・前田家奥方御殿「成巽閣」の群青をモチーフにした紺色もある。

専用の台座が小さいので、奥行きが狭いところでも設置できる。省スペースを求める人にお薦め。IPS方式を搭載しながら価格も手ごろ。

映り込みが少なく目に優しいという。スタンドは－5～25度で傾きを調節でき、端子も一通り揃えているなど使い勝手がいい。速い動きに強いTN液晶なので、ゲームなどにも向く。

27型ワイドで2万円を切る。VA方式は速い動きに強く画質も上々なのでスポーツ観戦向き。ちらつきを低減するスリッカーフリーバックライトを搭載しており、目にやさしいという。

【2万円台前半　――27型も手に入る】

画面の角度を変えるチルト、スイベル機能に加え、高さを最大130mmで調整できる。疲労や不調の原因となる青色光源を低減する「Blue Light Reducer」という機能を搭載。

「OnScreen Control」という管理ソフトが付属し、パソコンで動作しているソフトウエアごとに描画設定を切り替えられる。27型で奥行きが小さく、壁際などにも設置しやすい。

「ブルーリダクション」と呼ぶ機能があり、液晶ディスプレー自体でブルーライトを低減できるという。27型では幅や高さが比較的小さく、省スペース。

【2万円台後半　――30型を超える大型も】

高さを130mmも上下できるスタンドが付いている。画面は回転させて、縦向きにもできる。

画面表面は半光沢。5W＋5Wの大出力スピーカーを搭載しており、大迫力の音響を楽しめる。

画面表面は半光沢。疲労や不調の原因となる青色光源を低減する「Blue Light Reducer」という機能を搭載する。

31.5型ワイドと大型だが、薄くでスッキリとしたデザインで奥行きがたった180mmしかない。省スペースで設置しやすい。

4K対応になると、ディスプレーの価格はやや高くなる。価格は、3万円台後半からだ。その分、フルHDの標準的な液晶ディスプレーより画面上のドットが小さいため、写真や文字をよりきめ細かく表示できる。ただし、4K画質で画像や映像を楽しむには、パソコンの画面出力端子も4K出力に対応していなければならない。

AMDの独自技術「FreeSync」に対応し、ゲームなどで素早く画面表示が切り替わる高リフレッシュレート時でも画面のズレやかくつきを抑制できるという。

小窓で別画面を表示する「Picture In Picture」と、画面を分割する「Picture By Picture」を搭載し、2画面同時表示できる。

入力端子が豊富でゲーム機やHDDレコーダーなどもつなげやすい。4Kディスプレーとしては珍しくアナログRGBもある。

ゲーミングディスプレーは標準のディスプレーよりも応答速度が速く、高リフレッシュレートで表示ができる（リフレッシュレートとは単位時間あたりに画面を書き換える回数のこと）。応答速度が速いと残像が少ないため、ゲームや動画の動きが激しいシーンに強い。高リフレッシュレート表示ができると、ゲームの描画枚数を上げられるため、その分ゲーム画面は滑らかに表示できる。

「Black eQualizer」という機能し、ゲームの暗い場面で輪郭や明るさを明確にし視認性を高められるという。

144Hzのリフレッシュレートに対応。「i-StyleMod」というゲーム向け描画モードも搭載。

画面が弧状に湾曲したディスプレー。左右の画面端が手前に張り出している分、迫力のある映像を楽しめる。

（ライター　田代祥吾）

［日経トレンディネット　2016年11月30日付の記事を再構成］