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徹底リサーチ 「Apple Pay」一番お得に使う方法

日経トレンディネット

2016/12/12

リアル店舗では、iPhone 7 / 7 PlusやApple Watch Series 2でApple Payを使える
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 Suicaなどが使えるiPhoneの電子マネー決済「Apple Pay」は、どうすれば得に使えるのだろうか? クレジットカードやポイントに詳しい、ポイント情報サイト「ポイ探」社長の菊地崇仁氏が解説する。

 2016年10月下旬、日本でも、iPhoneやApple WatchでSuicaなどが使用できる非接触電子マネー決済「Apple Pay」がスタートした。3週間ほど実際にApple Payを使ってみて感じた注意点とApple Payで得する方法を紹介する。

■PASMOは使えない

 まず、「Apple Pay」というアプリは存在しないことに注意が必要だ。Apple Payを利用するには、iPhone標準の「Walletアプリ」を使う。

 このWalletアプリに、電子マネーの決済手段として登録できるカードはSuicaとクレジットカード、プリペイドカードとなる。

 Apple Payが2016年11月時点で対応している電子マネーは、Suica、iD、QUICPayに限られている。nanacoやWAON、楽天Edyなどの電子マネーは登録できない。また、交通系の電子マネーはSuicaのみで、定期券としてPASMOを使っている場合はApple Payに登録できないので、注意してほしい。なおSuicaでも、Suica一体型のクレジットカード付属のSuicaも登録できない。

 Apple Payに登録可能なクレジットカードは、イオンカード、au WALLETクレジットカード、オリコカード、クレディセゾン、JCB、トヨタファイナンス、dカード、ビューカード、三井住友カード、楽天カードとなる。また、今後は三菱UFJニコス(MUFGカード)も対応予定だ。

 現時点では上記の発行会社以外のカードは登録できない。また、JCB発行であっても、リクルートカードプラスやJAL・JCBカードや法人カードなど対象外のカードもある。登録できない場合はそれぞれのカード会社に問い合わせてほしい。

 なお、Walletアプリに登録可能カード枚数は合計8枚となっている。また、Walletアプリに現時点で登録できるプリペイドカードはソフトバンクカードのみだ。

■Suicaの使い勝手が「最強」なワケ

 それではコンビニでApple Payを使用し、支払う方法を説明しよう。ここではローソンを例にとる[注]。

[注]2016年11月時点の方法

 iDやQUICPayで支払いたい場合は、「iD(QUICPay)で支払います」と伝え、iPhone 7のホームボタンに親指をタッチしながら決済端末にタッチし、レジ前にある液晶端末の「iD(QUICPay)」ボタンをタップする。

 なお、決済前にPontaカードもしくはアプリを提示すれば、Pontaポイントも獲得できるため、決済時のポイントと提示のポイントをダブルで獲得できる。

 このように、Apple Pay決済の際にはホームボタンでのTouch ID認証を行うため、親指タッチが必要だということが分かる。さらにレジ画面のタッチも必要なため、これを片手で操作するのは大変だ。

 だが、同じApple PayでもSuicaを利用する場合は少し異なる。SuicaはTouch ID やパスコード不要で使える「エクスプレスカード」の設定ができる(1台の端末で1枚のカードのみ)、エクスプレスカードに指定しているSuicaで支払う場合は、親指タッチが免除される。

 上記のローソンの場合でも、「Suicaで支払います」と言って、iPhone 7を決済端末に置き、レジ画面の「Suica」ボタンをタッチすれば決済可能になり、操作の手間が省ける。

 このエクスプレスカードの仕組みを使えば、他のリアル店舗でも、決済の前のiPhone 7のTouch ID認証や、Apple Watch Series 2の場合はサイドボタンをダブルクリックすることが免除される。そのため、Apple Payをリアル店舗で使う場合は、端末操作が少ないSuicaのほうが便利だ。

「設定」→「WalletとApple Pay」から「エクスプレスカード」の設定ができる

■Suicaチャージで得するカードは?

 Apple Payで使用できるSuicaはクレジットカードでチャージができる。チャージ方法は標準のWalletアプリからとJR東日本が提供する「Suica」アプリからの2種類存在する。おすすめは後者の、Suicaアプリを使ったチャージだ。

 まず、Suicaアプリからチャージする場合は、どんなクレジットカードからでもチャージが可能だ。ただし、Suicaへのチャージはできても、クレジットカードのポイントがたまらないものも多い。

 例えば、「au WALLETクレジットカード」や「dカード」「Amazon Mastercard」などはポイント還元率1%とそこそこ高いが、Suicaチャージではポイントはたまらない。一方、JR東日本のクレジットカード「ビューカード」は、モバイルSuicaへのチャージは通常よりもポイントが3倍となり、還元率は1.5%となる。

 ビューカードのなかでも、ビックカメラで手に入れられる「ビックカメラSuicaカード」はモバイルSuicaチャージ用として還元率も高く、年会費も実質無料にできる。Suicaチャージにおすすめのカードといえる。

 次におすすめなのは「LINE Payカード」だ。これはクレジットカードではなく、プリペイドカードだが、JCB加盟店で利用した場合は還元率がなんと2%。100円につき2 LINEポイントがたまり、たまったLINEポイントは、再度LINE Payにチャージすることで、LINE Payカードとして利用ができるお得なカードだ。LINE PayカードでもモバイルSuicaにチャージが可能で、LINEポイントもたまる。

 Androidのおサイフケータイの場合は、ビューカード以外でのチャージはモバイルSuicaの年会費が必要。しかし、iPhone版のモバイルSuicaに関しては年会費が発生しない。そのためiPhone版のモバイルSuicaチャージでは、LINE Payカードを使うとポイント還元率が良い。

LINE PayカードでSuicaにチャージすると、LINEポイントがたまる

■ポイントを合計3%獲得できることも

 このLINE Payカードへのチャージは、銀行口座、コンビニ、チャージ専用口座、Pay-easy、オートチャージが利用できる。チャージ方法としては銀行口座の登録がおすすめだ。都市銀行だけでなく、地方銀行も対応しており、瞬時に口座からLINE Payにチャージできるようになる。

 もし駅の改札でSuicaが残高不足になっても、LINE Payカードで銀行口座を登録しておけば、その場でSuicaアプリ経由でチャージし、改札を通ることが可能となる。

 また、コンビニ、それもファミリーマートでチャージするとお得になる。ファミリーマートでLINE Payにチャージする場合、ファミマTカード(クレジット機能つき)であれば、チャージしたときに200円につき1Tポイントが獲得できるからだ(提示でたまるショッピングポイントはたまらない)。

 さらに、ファミマTカード(クレジット機能つき)の場合、火曜日・土曜日はクレジットポイントが2倍のため、200円につき2Tポイントためることができる。

 従って、ファミマTカード(クレジット機能つき)でLINE Payにチャージするときに1%、LINE PayカードでモバイルSuicaにチャージするときに2%の、合計3%のポイントを獲得できるということだ。

LINE PayカードとファミマTカード

■ネット決済での注意点は……

 Apple Payをネット上の通販サイトやスマホアプリで利用する方法を紹介しよう。2016年11月時点でサイトやアプリでApple Pay決済が可能なサービスは、「出前館」や「じゃらん」「minne」などがある。

 例えば、出前館で注文するお店とメニューを選んで、「Apple Payで支払う」ボタンをタップする。後は、iPhone 7のホームボタンに親指をかざすと、あっという間に注文を完了できる。カード番号を入力する必要もなくスピーディーに購入できる。帰宅前に電車の中で注文して、家で受け取る、というような使い方も可能だ。

出前館でApple Pay決済すれば、カード番号を入力する手間もない

 Apple Payをネットで使う場合は、iPhone 7でなくても利用できる。iPhone 6やiPhone 6s、iPhone SE、2012年以降のMacなど、旧端末でも利用できるため、Apple Payはネットショッピングで威力を発揮する決済手段といえる。

 Apple Payをリアル店舗で使う場合は、Walletアプリに登録できるカードであればどのカードでも使えた。ただし、ネット決済では、利用できるカードに制限がある。

 通販サイトやスマホアプリで利用可能なカードは、登録したクレジットカードやプリペイドカードのなかでも、国際ブランドが「JCB」「American Express」「Mastercard」のカードのみとなり、「Visa」ブランドは利用できない。

 例えば、じゃらんや出前館などをApple Pay決済で利用するとき、Visaブランドのカードを登録していると、決済画面では「App内の支払いはできません」と表示される。

 Suicaチャージも上記の制限に当てはまる場合があり、Walletアプリ経由でSuicaをチャージする場合はVisaブランドのカードが使えないなどの制限がある。ただしSuicaアプリ経由でSuicaをチャージする場合には、Visaブランドでもチャージは可能だ。

■どのクレジットカードがお得なのか?

 つまり、Apple Payをネットで利用するときにお得を考えた場合は、Walletアプリに登録でき、かつJCB、American Express、Mastercardブランドのカードであることが条件となる。さらに、ショップ側で契約している国際ブランド以外は支払えないため(minneとBASEはVisa、Mastercardのみ利用可能)、Apple Payで一番使い勝手のよい国際ブランドは現時点ではMastercardとなる。

 この条件で、Apple Payに登録するとお得なクレジットカードを厳選してみよう。ドコモの「dカード(Mastercard)」やauの「au WALLETクレジットカード(Mastercard)」、「楽天カード(Mastercard、JCB)」、「Amazon Mastercard」、「Orico Card THE POINT(Mastercard、JCB)」、ビックカメラSuicaカード(JCB)」あたりが、年会費無料(実質無料含む)で還元率が1%、かつリアルでもネットでも利用できるApple Payに適したクレジットカードだろう。

 特にdカード(Mastercard)は、ローソンやマクドナルド(都内の一部)で請求時3%OFFになる特典なども利用可能だ。また、ビックカメラSuicaカード(JCB)も、ポイント還元率1%でWalletアプリからのSuicaチャージでも1.5%の還元率となっており、お得なカードといえる。

 ただし、ビックカメラではWalletアプリに登録したビックカメラSuicaカードで支払うと、通常ポイントが10%たまらない。この場合、通常のプラスチックカードを利用するか、Apple PayのSuicaでの支払いがおすすめだ。

 その他、マイル系のクレジットカードであれば、ANAマスターカードやANA To Me CARD PASMO JCB(minneやBASEなどでは利用不可)、JALカードSuica(同様にminneやBASEなどでは利用不可)などのカードもある。

■iD、QUICPayを併用すればより得に

 これまで述べてきたようにApple Payは、リアル店舗ではSuicaを、ネットではクレジットカード決済を使うのがおすすめだ。ただリアル店舗でSuicaが使えない場合には、Walletアプリに登録したクレジットカードで支払うことになる。

 その際、Apple Payを使うには、iDもしくはQUICPayでの支払いをする必要があるため、支払い時に「iDで」や「QUICPayで」と伝える必要がある。もし、Apple Payで登録するカードがどちらにひも付いているかどうか分からない場合は、Walletアプリ上でクレジットカードの右横にiDやQUICPayのロゴが出てくる。ここを確認してほしい。

 Apple Payに登録するカードがどちらにひも付いているかで、リアル店舗での使い勝手は異なる。例えば、楽天カードをWalletアプリに登録していた場合、QUICPayでの支払いとなる。iDやEdyで支払いが可能なマクドナルドではQUICPayに対応していないため、Apple Payは使用できない。一方、ツルハドラッグでは、QUICPayの利用で毎月1・10・20日は3%キャッシュバックのキャンペーンもある(2017年3月20日まで)。

 そのため、Apple Payには、iDに対応したカード1枚、QUICPayに対応したカード1枚、Suica 1枚をWalletアプリに入れるのがおすすめだ。かつ、Suicaチャージ用としてSuicaアプリにクレジットカードを登録すると、さらにお得にApple Payを利用できるだろう。

Walletアプリ経由でSuicaにチャージした時にもポイントがたまるクレジットカード例
菊地崇仁
ポイント情報サイト「ポイ探」社長。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。著書は「新かんたんポイント&カード生活」(自由国民社)、「得するポイント(カード)の貯め方・使い方」(日本監督協会)

[日経トレンディネット 2016年11月10日付の記事を再構成]

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