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疲れ目に「サケの刺し身2人前」 ビルベリーも効果的

日経ヘルス

2017/1/8

イラスト:sino
日経ヘルス

 疲れ目とともに頭痛や肩こりに悩まされる眼精疲労は、目のピント調節力が低下したサイン。背景にあるのは、加齢とともに明らかになってくる“初期老眼”や“かくれ遠視”だ。老眼や疲れ目対策について3回に分けて解説する。2回目は疲れ目に効く食材やサプリメントについてみていこう。

 疲れ目はサプリメントで緩和できる。これまでに効果が確認された2大成分として、サケやいくらに豊富なアスタキサンチンと、ブルーベリーの一種であるビルベリーに豊富なアントシアニンがある。「血流を介した侵入を防ぐ機構である『血液・眼関門』を通過し、目に届く点が両者に共通した特徴」と、北海道医療大学個体差医療科学センターの北市伸義教授は話す。

 どちらもカロテノイドと呼ばれる色素成分で、老化を促進する活性酸素を除去する「抗酸化力」が高い。実際、20~60代の男女がアスタキサンチンを4週間摂取した研究では、調節力とともに「目がしょぼしょぼする」などの愁訴も改善した(下グラフ)。「近くを見続けると毛様体筋が緊張し微小な炎症が起き、活性酸素が生じる。アスタキサンチンは活性酸素を除去し、炎症反応の中心となるNFκB(エヌエフカッパービー)の活性化を阻害することで抗炎症効果を発揮すると考えられる」と北市教授。

眼精疲労がある男女40人を1日にアスタキサンチン6mgを摂取する群と、対照群に分けた。2週間後、アスタキサンチン群の調節力の変化率は156%に、4週目には164%に改善(グラフ)。「目がしょぼしょぼする」「イライラしやすい」の主観的な評価も低下した。(データ:臨床医薬;21,6:637-650,2005)

 有効量は1日6mg。「サケなら刺し身2人前からとれる量なので、食事からとるよう心がけるのもいい」(北市教授)。

 一方、アントシアニンの効果はビルベリーエキスを用いた研究で確かめられている。パソコン作業に従事する人および眼精疲労がある人が1日107mgを摂取した研究で、毛様体筋の緊張を表すHFC値が低下することが確認されている(下グラフ)。

男女24人(平均35歳)を1日にビルベリー果実抽出物(アントシアニン37%含有)を53.5mg含むサプリを2粒とる群と偽サプリ群に分け、毛様体筋の緊張を示すHFC値の摂取4週間後での変化を比較した。結果、ビルベリー群は低下し、疲れ目の改善が示された。(データ:薬理と臨床;43,9:1339-1346,2015)

 摂取量を1日160mgと480mgに増やした研究でも、摂取28日目の評価で、両群ともに目の疲れが改善。「肩・首の凝り」や「焦点のぼやけ」は高用量群のほうに軽減傾向があったが、両群で統計的な差はなかったという。研究を行った北市教授は「目の疲れをとる成分にはほぼ100%、頭痛や肩こりも軽くする効果がある」と話す。

 抗酸化成分の組み合わせも効く。アスタキサンチン、緑黄色野菜の色素であるルテイン、青魚に豊富なDHAなどを含むサプリの摂取で、調節力と首・肩こりの改善が確認されている。

■この人たちに聞きました

北市伸義さん
北海道医療大学個体差医療科学センター眼科学系教授。専門は炎症性眼疾患。アスタキサンチンやビルベリーエキスの眼精疲労に対する効果を検証する基礎研究、臨床研究を行う。北海道大学医学部卒業。2000年、同大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。北海道大学病院客員臨床教授も務める
梶田雅義さん
梶田眼科(東京都港区)院長。パソコン作業や老視の放置などによる目の調節異常に詳しい。眼精疲労の原因を特定する調節機能解析装置の開発に携わる。1983年、福島県立医科大学卒業。同大学眼科講師などを経て2003年から現職。医学博士。日本コンタクトレンズ学会理事

(ライター 小林真美子 構成:日経ヘルス 太田留奈)

[日経ヘルス2017年1月号の記事を再構成]

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