「おそ松くん」が表紙に 使えるキャラ手帳
自由すぎる個性派手帳(2)
赤塚不二夫の世界を楽しめる大人のためのキャラ手帳
キャラクター手帳もあなどれない。赤塚不二夫のキャラクターをデザインした文具を発売しているグリーティングライフが作った「2017 FUJIO AKATSUKA B6ダイアリー 六つ子 ハードカバー」は、アニメ「おそ松さん」のヒットで大人気になったおそ松くんのキャラクターを表紙にした手帳だ。
これが、単に表紙がおそ松兄弟になっていてかわいい、というだけの製品ではない。中は赤塚不二夫のキャラクター総出演で、しかも、毎ページ、デザインやキャラクターが異なる。見開き1カ月のマンスリーページにも、見開き1週間のホリゾンタル型ページも、単にキャラ絵だけではなく、赤塚マンガのエッセンスがイキイキとデザインされ、配置されている。
手帳としても、マンスリーページはきちんと6週間ある月に対応し、土日も平日と同じボリュームで書き込め、スケジュールは右利きの人が書きやすい右ページに集中させるなど、使い勝手を考えた構成になっている。
全体のデザインもスッキリしていて、B6ハードカバーで薄手に作られているなど、大人が使うことを前提にして作られているのもうれしい。持ち運ぶときも邪魔にならず、ハードに使っても中のページがぐちゃぐちゃになりにくい。キャラクターモノも、これだけのクオリティーで作られるようになったのだなあと感動さえ覚えてしまった。
1年間使うと物語が成立する絵本仕立て
手帳もここまで来たという感じの、絵本のような手帳が登場。子ども用というわけではなく、きちんと見開き1カ月のマンスリーページと、見開き2週間のウィークリーページが用意された、普通に使える手帳だ。その一方で、ほぼ日手帳に長期連載されていた「ブタフィーヌさん」や、幻冬舎プラスで好評連載中の「40歳からのハローギター」でおなじみの人気イラストレーター、たかしまてつを氏による描き下ろし絵本としての側面も持っている。
季節や記念日などに関連しているような、そうでもないようなイラストを挿絵代わりに、自分のスケジュールや日々のメモなどを書き込んでいくことで、一年間の物語が絵本としてまとまる、という仕掛けなのだ。
2017年の干支「とり」をモチーフに、イラストによるにわとり歳時記のような紙面は、真っ白なページに比べて書き込むハードルが低い。さらに、ゆるいキャラクターのムードは、適当にいろいろと書いたほうが似合う感じがする。プライベートの記録を思いつくまま書きこむような、日記と手帳とSNSのいいとこどり的な使い方ができそうだ。
日付や罫線まで、すべてが「たかしまてつを」氏の手描きによる完全描き下ろし手帳というのも珍しい。2016年から始まった企画だが、これがヒットして12年間、十二支がそろうまでは続いてほしい。
(ライター 納富廉邦)
[日経トレンディネット 2016年11月21日付の記事を再構成]
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