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ドコモの格安スマホ「MONO」は格安SIMキラー?

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日経トレンディネット

NTTドコモは2016年12月上旬、端末料金が一括648円と低価格なスマートフォン「MONO」を発売した。新規契約やMNP(番号ポータビリティ)はもちろん、ドコモ利用者の機種変更でも気軽に買える「ドコモの格安スマホ」と呼ぶべきモデルだ。

MONOのライバルが、一般的な格安スマホなのは明らかだ。では、ドコモの格安スマホはどこが魅力的なのだろうか。料金や機能、サービスなど、具体的な内容についてみていこう。

「家族契約」ならば魅力増す

最近の携帯電話の話題といえば、ドコモなどの回線を借りて通信料金が割安なサービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)の格安SIM・格安スマホだ。シェアトップのドコモが低価格スマホを出すとなれば、まず比較するのはこうしたMVNOの格安スマホとなる。

現在、ドコモの契約は大きく二つに分けられる。1人だけでの契約と、家族全員がドコモに契約することを前提とした「シェアパック」の利用だ。

2016年11月時点で、ドコモでは、家族がまとめて携帯電話を購入すると5184円または1万368円を割り引く「家族まとめて割」などのキャンペーンで、家族丸ごとドコモで契約してもらうための施策を進めている。

ドコモを1人だけで契約すると、多くの場合は基本料金だけで毎月7000円以上の支払いが必要だ。これでは、いくらMONOの端末料金が安くても、基本料金が毎月1980円からの格安スマホには対抗できない。

だが、家族で通信容量を分け合って使う「シェアパック」契約だと話が変わってくる。ドコモのシェアパックは、家族全員がドコモに契約したうえで、通信量を無駄なく使えばお得なプランだ。

家族4人の場合、代表回線は「シェアパック10(10GB)」(月額1万2420円)、もしくは「シェアパック15(15GB)」(月額1万5660円)のシェアパックを契約する。その場合、他の家族回線は、シェアパックの通信量を共有する「シェアオプション」契約だけで済むので、1回線あたり月額2700円と格安スマホに近い料金になる。

MONOはスマホ機種代金が一括648円であるため、店頭で648円を払ってしまえば以降の分割払いはない。シェアパックの家族回線として契約すれば、毎月2700円でずっと使い続けられる。スマホ初心者や子ども向けに格安スマホを考えている人を思いとどまらせるだけの料金的な魅力があるというわけだ。

ドコモの狙いとは……

ドコモはこれまでも、型落ちスマホや「AQUOS EVER」シリーズなど低価格のスマホを投入してきた。ドコモはなぜ、2016年冬に改めてMONOのような低価格スマホを投入するのだろうか。

一番の理由は、フィーチャーフォンからスマホへ移行する人や、子ども向けの安いスマホが欲しい人の囲い込みにある。もし、家族が1人でも格安スマホに流出すると、将来的に家族丸ごとドコモから格安スマホへ乗り換える火種になりかねない。

ドコモとしては、そういった流出を避けるために、MONO以外にも割引施策も充実させている。まず、長期契約者と若者向けには月額料金の割引を提供している。

●「ずっとドコモ割
4年以上の契約者を割り引く。15年以上かつシェアパック10以上の契約だと1000円/月以上が割り引かれる。

●「U25応援割」
26歳の誕生日まで500円/月を割引。1GBの通信量もつく。

フィーチャーフォンからスマホへの乗り換えには、さらに手厚い割引や、MONO以外にもお得な端末が用意されている。

●「はじめてスマホ割」
FOMA契約(※)かつ、ドコモケータイに分類される端末(iモードケータイ、spモード契約のドコモケータイ)、らくらくホン、キッズケータイのいずれかから、Xi契約のスマホへ契約プラン変更を伴う買い替えをすると、24カ月のあいだ「カケホーダイプラン」なら1520円/月、「カケホーダイライトプラン」なら850円/月が割り引かれる。
※FOMA契約のスマートフォン、らくらくスマートフォンF-12Dなどは対象外

フィーチャーフォンからスマホへ機種変更で特にお得なスマホ


iPhone SE 16GB:一括5832円
Nexus 5X 32GB:一括648円
Xperia Z3 Compact SO-02G:実質648円

ここまで見ると、ドコモはMONOの投入だけに限らず、料金割引からスマホの特価販売まで含めて、格安スマホへ流出しそうな層を逃さないよう何重にも力を入れていることが分かる。

これらの割引を駆使すれば、家族の支払額の合計金額は、格安スマホにかなり近づく。さらに、ドコモには高品質なサービス内容やサポートがある。これらを格安スマホに近い料金で利用できるとなれば、格安スマホを展開するMVNOと競争する余地が出てくる。

スマホ市場の地殻変動

ドコモのMONO投入や各種割引といった施策の意味を、スマホ市場全体からも見てみよう。

現在のスマホ市場は、大手のドコモ、au、ソフトバンクのサービスと、その下に各社の通信インフラ(主にドコモ)を借りたMVNOの格安スマホに二分されている。

だが、近年ではこの2つの間に、ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルや、KDDIグループのUQ mobileという、やや低価格で通信品質はそこそこのサービスが登場。格安スマホ市場に攻勢をかけている。

ドコモとしては、ドコモのサービスを継続してほしいが、もし格安スマホに乗り換えるならドコモの回線を利用したMVNOにしてほしい。だが、ワイモバイルやUQ mobileに直接対抗するサービスが今のところない。そこで、格安スマホを検討する層に対しては、MONOなどの低価格スマホの投入や各種割引をぶつける施策が必要だったともいえる。

格安スマホでもドコモのサービスが使える

ドコモのMONOや通信、サービス内容と格安スマホを、より具体的に比べてみよう。

サービスの面では、ドコモのほうが店舗サービスや通信速度の面で優れている。全国にドコモショップがあり、通信速度も格安スマホが苦手とする昼のランチタイムや夜の時間帯も安定して高速だ。

ドコモは全国にドコモショップという店頭サポート窓口を展開している。当たり前に思うかもしれないが、MVNO事業者の多くは店頭サポート窓口を設けておらず、サポートはメールや電話が中心だ。店頭での端末設定などは、格安スマホの取扱店が有料で受けていることも多い。

格安スマホと呼んでいいサービスのうち、全国にサポート窓口を持っているのはワイモバイルぐらいだ。最近では「楽天モバイル」や「TONE」などの格安スマホも店頭窓口を充実させつつあるが、今のところ展開は都市部に集中している。

一方で、フィーチャーフォンの時代と違って、ドコモでしか利用できないサービスはケータイメール(spモード/iモードメール)など少なくなっている。というのも、ドコモ自身が自社の映像や音楽、雑誌配信などのサービスを、ドコモ契約者以外にも提供しているからだ。またMVNO事業者を通じ、格安スマホへのドコモサービスの提供も推し進めている。

端末はコスパ高なのか?

次に端末のコストパフォーマンスについて比べてみよう。

ドコモはMONOの端末料金を一括648円で販売しており、シェアパックを使用した家族回線は月額2700円から利用できる。

格安スマホの比較として、IIJmioのミニマムスタートプラン(通話+通信量3GB)とセットで割賦購入して月額2700円前後になる端末をピックアップした。この価格帯なら、ライバルはASUS(エイスーステック・コンピューター)のZenFone 3あたりとなる。

ディスプレー画質やCPUなどの性能面で見ると、ZenFone 3はMONOよりもひと回り上のスペックだ。だが、MONOはコンパクトで持ちやすい形状で、VoLTEの高音質通話や防水など便利な機能を搭載している。

ブラウザーやメール、SNSなど一般的なアプリの操作はどちらも快適で、室内でのカメラ撮影の感度も良好だ。

性能だけで選ぶならZenFone 3のほうが良い。すでにスマホ慣れしている人は、ZenFone 3のミドルクラスながらそこそこ高性能な点に驚くだろう。

一方で、スマホ初心者にとってはMONOのほうが便利かもしれない。というのも、ドコモ主導で企画されたスマホなので、搭載しているアプリや機能が、Android標準のものとドコモのアプリだけに絞られているからだ。

そのため、初心者にスマホの使い方を教えるという意味ではMONOのほうがシンプルで便利。また、独立したマナーモードボタンやストラップホール搭載など、フィーチャーフォンから移行した利用者にも使いやすい機能を搭載している。

MONOを、一般的な格安スマホとして見ると「2万円台のシンプルなミドルクラス端末」といえる。最近はこの価格帯の端末でも大画面や指紋認証センサー、メタルボディといった特徴が備わってきているが、MONOにはそれらがない。つまり、MONOはスマホ慣れした層があえて欲しいと思う「コスパ高な端末」ではないのだ。

MONOの価値は、スマホ初心者がドコモから低価格で購入でき、ドコモのサービスやサポートを利用しやすいという点だ。らくらくスマートフォンなどと同じく、サポートを含めたトータルのサービスで評価すべき端末といえる。

MONOを買うべき人は……

MONOは「家族やスマホ初心者が気軽に買えるスマホ」と「とにかく安いスマホ」という、現在のドコモとその利用者が求めているものをストレートに満たすべく、ドコモの企画のもと生まれた端末だ。

購入をおすすめするのは、家族全員がすでにドコモ契約で、これから初めてのスマホを購入する家族や、スマホにそこまで詳しくない家族だ。スマホに詳しい人が少ない世帯の場合、無理に格安スマホへ移行するよりもドコモの中で安く済ませたほうが、結果的に満足できるだろう。

毎月の支払額で評価すると、家族4人全員がMONOを購入して各種割引を活用した場合でも、格安スマホ4人分よりも支払額は家族全体で月5000円以上は高くなる。だが、MONOには格安スマホにないサポートコストの削減という価値がある。

例えば家族全員が格安スマホに移行した場合、トラブルが起きるとスマホに詳しい家族にサポートの負担が集中しがちだ。しかも格安スマホはトラブル解決にはスマホ本体と通信回線の問題を切り分ける知識や手間も必要となる。たとえ家族でも、度を超えたサポートにかかる手間や時間は難しい。だが、MONOならスマホ初心者の家族でもドコモショップで相談できる安心感がある。遠いところに住む家族に勧める場合はなおさらだ。

2016年は格安スマホを展開するMVNOが存在を増す一方、今後の成長のためには携帯電話契約者の半数近くを占めるフィーチャーフォン利用者をスマホに取り込む施策が求められている。その結果、当初は価格競争が中心だった格安スマホ市場も、今では独自サービスや店頭サポートなど「質」の部分での競争に移行しつつある。

ドコモの低価格スマホ「MONO」の投入は、格安スマホ市場が、スマホに詳しい層に対する価格競争から、スマホ初心者を狙う競争へ移行しつつある現状に対して、自社サービスで積極的に対抗するための武器といえる。MONOの売れ行きや反応によっては、ハイエンド中心のドコモのスマホラインアップに変動が起きる可能性もある。今後の動きに注目したい。

(ライター 島徹)

[日経トレンディネット 2016年11月22日付の記事を再構成]

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