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豊島岡女子学園 理事長 二木謙一氏

豊島岡女子学園 理事長 二木謙一氏

全国トップ級の女子進学校に躍進した東京・池袋にある豊島岡女子学園。四半世紀前までは東京大学の合格者はほぼゼロだったが、2016年は41人と「女子御三家」筆頭の桜蔭学園の59人に次いで女子校2位になった。実は躍進の立役者はNHKの「大河ドラマ」の時代考証でも知られる歴史家の二木謙一理事長(国学院大学名誉教授)。戦国史の大家はいかにして都会の女子校をトップ校に変身させたのか。

毎朝、5分間のお裁縫 

JR池袋駅から徒歩10分、都会のど真ん中にある豊島岡の高層校舎。午前8時15分になると、校内に一瞬の緊張が走る。1800人あまりの中高女子生徒が真剣なまなざしで、一斉に赤い糸で白い布を縫い始めるのだ。

これは「運針」という、60年以上も続く同校独自の取り組み。毎朝、授業がスタートする前のわずか5分間だけ、裁縫をする。同校はもともと1892年に女子裁縫専門学校として開校した。しかし、伝統を守るためだけにやっているのではない。精神を統一し、集中力を高めるのが狙い。「針は正直だ。体調が悪かったり、イライラしていたりすれば、担任の教師がすぐ見抜ける」と二木氏は話す。

豊島岡出身で東大文学部4年生の渥美真生さんは「豊島岡の特徴はなんといっても毎朝の運針です。なかには大学受験の当日、運針して心を落ち着かせる生徒もいるそうです」と語る。

同高校の1学年の定員は360人だが、東大合格者は2015年の30人から16年は41人と増加の一途をたどる。「全国で最も進学実績が伸びている女子校。数年内に桜蔭を抜く可能性もある」と、各予備校が高く評価し、難易度はうなぎ登りだ。

こうした同校の改革を推し進めてきたのが二木氏だ。

理事長、大河ドラマ14作の時代考証を担当

二木氏はユニークなキャリアを持つ。国学院大学で長く教授を務め、文学部長、図書館長、理事など組織運営にも携わった。一方で戦国時代を舞台にした大河ドラマ14作品の時代考証を担当し、プロデューサー的な役割も担った。

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