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グルメ・トラベル

飛びネコとサンセットクルーズ 非日常の1日 離島でランチ@瀬戸内海(後編)

2016/12/1

 「離島でランチ@瀬戸内海」の後編は、香川県の西の方にある粟島と真鍋島(岡山県)のおすすめランチと、両島の近くにある「飛びネコ」で有名な佐柳(さなぎ)島(香川県)、そして帰路に楽しむサンセットクルーズをご紹介します。クルーザーを1日チャーターして、ちょっとVIP気分で楽しむこのコースは、非日常の時間をたっぷり体験できます。

 これらの島は高松港からクルーザーで約90分で到着しますが、途中で瀬戸大橋をくぐったり、多島美の景色を堪能しながらゆったりと行くのがおすすめ。ランチの後は、佐柳島に立ち寄ってネコと戯れたり、ネコにあまり興味のない方は途中の島にふらっと係留して島内を巡ったり、船上でのコーヒーブレークなどもすてきです。

 そして最後の楽しみはサンセットクルーズ。帰路は東に向かうことになるので、クルーザーの後方から空の色が移り変わる美しい日没をずっと眺めることができます。

■粟島(香川県) 目の前に広がる絶景ビーチ付きのランチ

 粟島のおすすめランチは、上新田港近くにある「民宿ぎんなん」です。宿泊者が優先ですが、宿泊者がいないときはランチの予約を受けてくれます。オーナーの宮崎由美子さんの作る料理は体にやさしく、とても美味。近くでとってきた野菜や、今朝お隣のご主人が釣ってきてくれた魚など新鮮な食材がたっぷりです。

 こちらの人気のメニューは最後に出てくる「波布茶(ハブチャ)の茶粥」です。ある日にランチでおうかがいしたときのメニューは「食前酒の梅酒(自家製)、タイのあかね漬け、焼きナス、ままかりの酢漬け、タイの切り身の焼き魚、つるむらさきのお浸し、ひじきの煮物、高野豆腐の煮物、波布茶の茶粥」でした。ひじきも粟島でとれたもの。ままかりは、隣から「まま(ご飯)」を借りるほどおいしいといわれる魚。これで1500円(税込み)です。もっとお値段上げてもいいのでは? とお伝えすると「かまんのや。これで粟島を知ってくれる人が増えたらうれしいけん」とのことでした。

粟島の民宿ぎんなんのある日のランチ。近隣の食材をふんだんに使っています
民宿ぎんなんの前に広がるビーチからは、沖を通る船がよく見えます

 この民宿でのランチは、目の前に広がるビーチと海の景色が最高です。備讃瀬戸南航路になっているので、東に向かう大きな貨物船などを眺めながらお食事することができます。スマートフォンアプリの「Marine Traffic」を活用して、見える船がどこからどこに向かっているかなど調べるのも楽しいものです。

 粟島は以前、国立粟島海員学校(1987年に廃校)があった島で、島民の多くがその卒業生として海運業に携わり、昭和の戦前から戦後の復興期にかけて世界各国に船でいろいろな物資を運び、日本の成長に大きく貢献しました。元船員だった島民の方々は、世界地図が頭に入っていて、世界の港町や観光名所に詳しく「リオは庭じゃ」「喜望峰や南極にも行った」「海賊はおるんや」など、お話が世界規模でとても楽しいです。島を訪れて元船員さんとお話しする機会があったら、ぜひいろいろ聞いてみてください。

■真鍋島(岡山県) 自家用桟橋に着岸、VIP気分で豪快ランチ

 続いて、真鍋島です。こちらは岡山県になりますが、粟島や、後ほどご紹介する佐柳島の近くにあり、クルーザーなら高松港からほぼ変わらない時間で行けます。この島にある「島宿三虎」のランチはとにかく絶品。自家用桟橋があるので、そこに直接着岸します。まさにVIP気分が味わえます。

プライベート桟橋から上陸する「島宿三虎」

 三虎さんのランチも、前編の岩黒島のランチに負けないくらい豪快。テーブルの上に盛りだくさんにのります。オーナーの久一博信さん・みちるさんご夫妻が、その日にとれた魚を仕入れて調理してくれます。おうかがいした日のメニューは「ワタリガニ、タイの刺し身、タコの酢の物、野菜天ぷら、焼き魚、煮魚、豪快アクアパッツァ、潮汁」。どれもおいしいのですが、個人的には「豪快アクアパッツァ」が最高。このボリュームで1人約5000円。女子グループや同窓会などで遊びにくるのもいいなと思います。

島宿三虎の豪快ランチ。アクアパッツァ(右)は絶品。イス席なので足が楽です

 島宿三虎は、以前小学校だった建物を民宿にしています。食事をした部屋にはアップライトのピアノがあって「弾いていいですよ」とおっしゃってくださったので、ちょっと弾いてみました。島でピアノもいいものですね。

■佐柳島(香川県) 「飛びネコ」発見! ネコ好きなら外せない

 最後にご紹介するのは佐柳島です。ここはお食事ではなく、粟島や真鍋島でランチした後のお散歩コースにぴったり。今、ネコ好きの人たちに大人気で、動物写真家の岩合光昭氏がNHKの番組で来島したことでも有名です。特に、波止場でジャンプする「飛びネコ」が有名で、私も撮影してきました。佐柳島のネコはとても人懐こく、のんびりしていてかわいいですよ。

有名になった佐柳島の「飛びネコ」。ネコの向こうに見えるのは高見島です

 日没のタイミングを見て、高松港に向けて出発します。時間があれば近くの高見島などに寄って、クルーザーを係留して散歩してみるのも楽しいでしょう。佐柳島へは、香川県多度津から高見島経由の定期便フェリーが出ています。

■何度体験しても感動のサンセットクルーズ

 好天の日に瀬戸内の西のほうまで行かれた際は、サンセットクルーズをぜひ体験してみてください。デッキから後方を眺めれば、空の色がオレンジから紫色に移り変わるのをずっと見ていられます。お天気や雲の動き、季節によって毎回景色が違い、何度見ても感動します。瀬戸大橋とサンセットのコラボは、写真好きの方にはおすすめの撮影ポイントです。

クルーズも終盤。美しいサンセットを見ながら帰路につきます

 クルーズの終着点は、高松港の赤灯台「せとしるべ」。世界初のガラスでできた灯台で、夜になって明かりがつくと真っ赤に輝いて美しい光を放ちます、これを見ると、高松港に帰ってきたんだなと思う灯台です。高松港に到着して、旅は終了となります。

終着点、高松港の赤いガラスの灯台がお出迎え

 参考までに、クルーザーのチャーターは1日(8時間まで)5万円、半日(4時間まで)3万円が目安です。定員は12人ですが、4~5人くらいなら船内でゆったり過ごすことができるでしょう。

 今はLCCのジェットスターも就航して、香川は東京からでも気軽に行けるようになりました。高松行きのJRの寝台列車「サンライズ瀬戸」も大人気です。来年の旅行プランの一つに加えてみてはいかがでしょうか。

[DATA]
ユアクルーズ http://ycruise.net/
島テーブル(男木島) 男木島港前
民宿さくら(男木島) http://takoyado.jimdo.com/
民宿岩黒(岩黒島) http://www.iwakuro.jp/
民宿ぎんなん(粟島) 香川県三豊市詫間町粟島2217
島宿三虎(真鍋島) http://www.santora.biz/
津田千枝(つだ・ちえ)
 大手外資系通信社でセールスマネジャーを務める。シンガポールで8年間の勤務経験がある。旅や観光、地域振興に詳しく、インバウンド向けの地方観光の広報コンサルタントも現職で行っている。瀬戸内の海に魅了され、小型船舶免許を取得。国内旅行業務取扱管理者。香川県出身。

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