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危険なアラフィフの金銭感覚 家計見直しはお早めに

 
日経マネー

2017/1/10

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 「支出の蛇口を開けるのは簡単だけど、締めるのは難しい。いったん膨らんだ支出を絞るのに苦労している40代後半~50代がものすごく多い」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの藤川太さん。藤川さんが代表を務める家計の見直し相談センターを訪れる40代半ば以降の相談者の多くは「これ以上何を削っていいか分からない」という悩みを抱えているという。しかし、そこには「世代による金銭感覚の違い」があると藤川さんは指摘する。

 「境目はバブル。1997年まで給料は右肩上がりでした。その頃、既に社会人だった人は、給料は上がり続けるものという意識で生きてきた。背伸びをしたワンランク上の住宅を買い、クルマを買った。職場を訪れる保険の営業職員や保険会社に勤める知り合いに言われるままに保険に入り、食事を先輩におごってもらったように後輩におごってきた。社会人になってずっと不況だった世代が“浪費”と考えることに当たり前のように出費している」と話す。

 住宅、保険、クルマ、教育、通信といった固定費に「ちょっとずつぜいたくをしている」ため、食費や小遣いといった変動費で使えるお金が減り、ゆとりがなく、貯蓄ができない。

 「変動費を減らした生活は不可能だとは思いませんが、あまりお薦めはできません。中には、毎日もやしなど安価な食品を食べて家族4人月1万5000円で生活をしているといった人もいますが、強靭(きょうじん)な精神力を持っていない限り、長続きしません」

 人生の楽しみを失わず支出を減らしたいなら、固定費を減らすこと。保険に入り過ぎていないか。住宅ローンを組み直した方がいいのではないか。クルマは必要か。携帯電話は大手キャリアにこだわる必要があるのか。そうしたことを一つひとつ見直していくと、「大抵の家計で、月数万円は節約できる」という。

 「運用で月に1万円利益を出すのは大変なこと。運用は自分でコントロールできないからです。でも、節約は自分でコントロールできますよね。講演会やセミナーの会場で『もっと若い時に話を聞きたかった』と言われることがあるのですが、50代でも決して遅くはない。平均寿命で見たら、あと30年は生きなければなりませんから。月1万円の見直しができたとしたら、1年で12万円、10年で120万円、40年で480万円違う。節約のパワーはすごいんです」

藤川太さん
CFPファイナンシャルプランナー。「家計の見直し相談センター」にて、15年で2万世帯以上の家計の診断を行う。不動産投資などにも精通

(日経マネー 御船晶子)

[日経マネー2017年1月号の記事を再構成]

日経マネー 2017年2月号

著者 :日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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