内村光良らの過剰キャラ満載 コント番組『LIFE!』
人生がテーマのコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」。一生懸命生きようとするからこその悲喜こもごもが、様々なキャラクターのオムニバスコントで描かれる。NHK BSプレミアムの特集として番組が誕生。「僕は学生時代に『笑う犬』シリーズを見ていて、新たにコントをやるならぜひ内村光良さんにお願いしたいと思って企画しました」と、演出の西川毅氏は話す。2012年にBSで2回放送し好評を得て、13年からは地上波で定期的に放送されるようになった。
現在のレギュラーキャストは、芸人や俳優ら9人。もめているカップルに近付き、女性の気持ちが分かると彼女を連れ出そうとする「女マン」(内村光良)や、『キャッツ・アイ』のパロディー母娘「カッツ・アイ」(西田尚美、石橋杏奈、臼田あさ美)、「キスがうまいだけの男」(塚地武雅)、嘘ばかりつく「うそ太郎」(星野源)など、どのキャラクターにも愛すべき過剰さがあり、演技が光る。キャラを作るときには、キャスト自身の良さや、個性をヒントにするとのこと。例えば、下衆な質問ばかりする「東京ゲスニックマガジンの記者・西条」(田中直樹)というキャラがある。「田中さんは普段とても優しい方なので、毒のある役をやったら意外性があり、面白くなるのではと考えました」。ムロツヨシの場合は、たたかれてもとにかく前に出て結果を残す持ち味を強調する要素を、石橋杏奈の場合は、"美人がやりそうもないこと"を意識するそうだ。4月からは吉田羊が新レギュラーに加わった。今後も新キャラが複数登場するという。
月に3~4回収録があり、1回につき5本のペースで、年間150~180本のコントを制作している。1つのコントを約90分で撮らなければならない。「笑いの間などは瞬間的なもの。ドラマのようなカットで構成しつつ、ライブ感を失わないようワンテイクで撮るのは本当に難しくて、ベストは尽くしますが、100%満足したことはまだありません」
リオ五輪のキャスターをNHK古株社員の三津谷寛治(内村)が激励したりと、コラボレーションにも積極的。4月に起きた熊本地震の際は、3分程のメッセージVTRを制作した。女マンがくまモンと共演し、フジテレビの協力を得て九州男児が登場したりと、熊本出身の内村が演じる数々のキャラがポジティブな言葉を投げかけた。「お笑いなので、誤解を受けるかもしれない怖さはありましたが、放送後に熊本の方々から"元気をもらいました"というメールを何通もいただいて、うれしかったです」
番組内でキャラをアニメ化したりと、今後も多様な展開を考えているとのこと。「近い将来、Eテレで子ども向けの『LIFE!』ができないかと企画しています」
(「日経エンタテインメント!」11月号の記事を再構成。敬称略、文・内藤悦子)
[日経MJ2016年11月25日付]
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