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生保損保業界ウオッチ

元本確保の生命保険に注目 「自家製」の医療保険に

日経マネー

2016/12/20

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 契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。生命保険や損害保険の契約者の中には、こんな人も少なくないだろう。だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わる上、新たなサービスも続々と登場している。本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。

 マイナス金利による運用難の中、明治安田生命保険が特徴的な小口貯蓄性商品を発売した。

 生命保険では珍しい、いつ解約しても元本確保の「じぶんの積立」と、約3年経過後は元本確保となる「ひとくち終身」の2つで、既にある「つみたて学資」と併せて「かんたん保険シリーズライト!」としてラインアップする。

 2商品の販売は好調で、加入者のうち、それまで明治安田生命との契約がなかった人の割合が5割を超えるという。相対的に高い貯蓄性と小口加入できる手軽さが、保険未加入の若年層や他社契約者にも受け入れられているようだ。

 銀行などでの窓口販売は一切せず、営業職員経由での契約のみ。仕組みを簡素化し、維持・管理コストも抑えて、下表のような手軽に使える商品性を実現している。

 保険に入らない若者が増えている一方、加入者の中には、保障の必要性が低いにもかかわらず、「保険料が安い若いうちに」と薦められて月々1万円を超える保険に入っている例も少なくない。

 必要な時に必要なお金がすんなり出せることは、生活設計の安定につながる。無理せず小口で加入できる「じぶんの積立」は、保険で備えるのと同時に、貯蓄習慣を付ける入口としても良さそうだ。

 また、「死亡保障は不要だが、医療保険くらいは入っておこうか」という人にとっては、“自家製”医療保険としても活用できる。加入後、いつ解約しても元本割れはしないので、積み立てた分だけ医療費への備えができるのだ。

 1口5000円で5年間積み立てた後、据え置き期間に入る。そこで新たに5000円の積み立てを始めると、1口目が満期になる10年後には、2口目の元本30万円と1口目の満期で受け取る30万9000円と合わせて約60万円の貯蓄が手元に残る。これを2回繰り返せば、「支払い要件なし・支払限度額120万円」の自家製医療保険(貯蓄)の出来上がりだ。

 さらに、このうち100万円を「ひとくち終身」の保険料(2口分)に充てるのも一手。10年間は支払限度額(解約返戻金)が100万円、11年目以降はそれが少しずつ増えていく、自家製“終身”医療保険と位置付けられる。

 「じぶんの積立」は月額2万円(4口)まで加入できるので、目的別貯蓄の選択肢の一つにもなる。

内藤眞弓(ないとう・まゆみ)
 生活設計塾クルー。13年間の大手生命保険会社勤務の後、FPとして独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

[日経マネー2017年1月号の記事を再構成]

日経マネー2017年1月号

著者 :日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)


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