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ビジネス英語・今日の一場面

怒り心頭! それでも日本人が避けるべき5つの英語 デイビッド・セイン「影の英語」(4)私、怒っています

2016/11/17

 ひとつの言葉は様々な顔を持っています。日本人の言葉が意図していない意味合いで伝わることもあります。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が使いがちな言葉から「影にある意味」を紹介します。今回は、「怒り」の表現です。

◇   ◇   ◇

 「怒り」を表すのには「慣れ」が必要になります。ネイティブは、怒ったときは、遠慮なく禁止言葉を使います。怒った挙句、感情的になってしまったと後で言い訳しても、決してプラスにはなりません。ネガティブなイメージが残ってしまうだけです。

 怒りに任せたということは、冷静さを欠いている、客観的に状況を見ることができないというあなたの弱さや欠陥を表面に出すことになってしまいます。特にビジネスでは避ける方がよいでしょう。

 こんな怒りの表現があることを知っておくのもよいでしょう。影の意味はありませんが、まず避けた方が良い表現です。

× God damn it!
正しい訳:神様がこれを罰します。

 「ちくしょう!」の意味。日本で考えるよりも、アメリカなどでは生活の中に深く宗教が根付いています。熱心なクリスチャンであれば、私たちが想像できないほどの嫌悪感と不快感を抱くはずです。そのあたりはきちんと意識しましょう。

× Fuck you!
正しい訳:ちくしょう!

 結局、「テメエは大嫌い、死んでしまえ!」ということ。映画などでは若い人が気楽に使うフレーズでもあります。しかし、fuckは褒められた言葉ではありません。使わないに越したことはありません。

× Go to hell!
正しい訳:地獄に行け!

 地獄へ行けば二度と会えません。もう二度と会いたくないとの最後通告。絶交にもつながることば。

× You asshole!
正しい訳:ばか野郎!

 you = asshole これほどの侮辱はありません。

× You son of a bitch!
正しい訳:このやろう!

 フィリピンのドゥテルテ大統領がオバマ大統領を「売春婦の息子」呼ばわりしたと新聞をにぎわせました。この言葉をそのまま訳せばそうなりますが、その意味よりは「最低のクズ野郎!」と考えるのが一般的です。

「影の意味」にご注意。一見問題なさそうな英語ですが…。

◎I'm not too happy with your performance.
正しい訳: あなたの実績には少し不満があります。
影の訳:あなたの業績にはかなり不満があります。

  not too happy は、回りくどいと感じるでしょうが、be not too happy with や be not very happy with は「あまり嬉しくない/あまり満足していない」というよりも「とても不満」のニュアンスが強い場合が多いことを知っておきましょう。

◎I'm trying my best to be patient.
正しい訳:我慢しようとしています。
影の訳: 我慢しようとしているが、無理かも。

 我慢するためにベストを尽くしている、すなわち控えめな「私は怒っています」という意思表示。

◎Are you serious? / Serious?
正しい訳:マジ?
影の訳: そんなことをしておいて、怒られないですむと思っている?

 日本語の「マジ?」と同じく、様々なシチュエーションで使えますが、怒っている場合のニュアンスがこちら。

◎I think you owe me an apology.
正しい訳: 謝って欲しいと思います。
影の訳: 謝まるのが当然とわかっていないですかね?

 この場合の I think...は自信がない場合のニュアンスではありません。「まさか気づいてないなんてことはないでしょうね。それくらいは分かっていますよね」というちょっと嫌味を含んだフレーズです。

 I owe you an apology.であれば「あなたに謝らなくちゃね」の意味。

◎Do you know what you have done?
正しい訳:自分がやったことを知りませんかん?
影の訳:もし、バカではなければ、すごくひどいことをしたというのが分かるはずですよね。

 Don't you know…? は「その当たり前のことも理解できない?」の含み。反語的に「自分の馬鹿さ加減が分かっていないでしょう」の意味になります。

あなたが知らない本当の使い方――怒りの度合いを表現で変えるには

 「怒りたい、でも言えない。でもやっぱり怒りたい」。

 人との付き合いで「怒りを表すこと」は大きな意味を持っています。ビジネスであればなおさらのこと。例えば、同僚がミスをしてしまった、そんなとき、あなたの怒りのレベルに合わせてフレーズを選べるようになりたいものです。

 I wish you hadn't done that. (あなたは)そんなことしなきゃよかったのにね。

 このフレーズには相手を責める気持ちよりも「困ったなあ」という当惑の気持ちがあります。

 I think you need to take responsibility. あなたが責任をとらなくちゃね。

 このフレーズには「責任」の所在を明らかにし、相手が責任を取る必要性を言っています。

 You really did it. やっちゃったんだ。

 「ああ、やっちゃったんだ」には特に相手を責めて感情的になっているというニュアンスはありません。落ち着いて客観的に状況について述べているイメージです。

 You really blew it. どじっちゃったんだ。

 これも「ああ、やっちゃったね」という意味になります。

 This is all your fault. これはあなたの責任です。

 こう言われたらちょっと落ち込むかもしれません。「責任はあなたにあるのよ」という冷静な言葉で、冷たさを感じます。

 You're going to pay for this.  自分でどうにかしなさいよ。

 「これに対しては自分で償いなさいよ」の意味。冷たく突き放しているニュアンスがあり、冷静ではない気持ちが見え隠れしています。

 I'm never going to forget this. 絶対、これだけは忘れないからね。

 怒りが抑えられないと同時にひどく恨みがましいニュアンスがあります。かなり感情的になっていることが分かります。

 母国語であっても怒りを表すむずかしさにはいつまでも慣れません。ましてや外国語となるとなおさらです。外国語でむずかしいのは程度を実感としてつかめないこと。代表的な表現からレベルを知っておく程度のことはしておけば、いざというときに困らないかもしれません。

Hang in there!

: Dセイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。次回は11月24日の予定です。
デイビッド・セイン(David Thayne)
 米国出身、20数年前に来日。 翻訳、通訳、執筆、英語学校経営など活動は多岐にわたる。企業や学校の人気セミナー講師。英語関連の出版物の企画・編集を手掛けるAtoZ(http://www.atozenglish.jp)・AtoZ 英語学校代表。長年にわたる豊富な英語教育経験を生かし、数多くの英語関連書籍を執筆。著者に「英語サンドイッチメソッド」シリーズ(アスコム)、「カシオ英会話学習機 入門ビジネス英会話 Joy Study」、「TOEIC テスト完全教本 新形式問題対応」(研究社)などの他ベストセラーも多数、累計300万部以上の著作を刊行している。日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞などでコラムを連載。NHKの日本語学習番組にレギュラー出演。英語教育推進事業団(EEPS) の学術顧問。受験生向けの英語学習サイト(http://david-thayne.com/)と日本文化を英語で紹介す る英語学習サイト(http://www.wakaru.guide/ )を監修。

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