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本書はロバート・K・グリーンリーフによって提唱された社会性、公共性の高いリーダーシップ論の名著の邦訳です。グリーンリーフは当時世界最大の企業(従業員100万人)だったAT&Tでキャリアの大半を費やしましたが、退職後に教育、コンサルティング、講演活動などを経て1970年に「サーバントとしてのリーダー」という37項の小冊子を刊行。「サーバントリーダーシップ」という概念を初めて活字として公表しました。この時、66歳でした。

アーサー・D・リトル パートナー 森洋之進氏

アーサー・D・リトル パートナー 森洋之進氏

リーダーシップ論は実に数多くありますが、「サーバントリーダー」の際立った特徴は何でしょうか? また、何故米国はもとより、近年の日本においてもこのリーダー論に注目が集まっているのでしょうか?

著者によると、サーバントリーダーとはそもそもが"サーバント(従者、召使、尽くす人、奉仕者)"であり、奉仕したい、奉仕することが第一だという自然な感情を持っている人です。

しかし、単なる召使や奉仕者ではありません。奉仕の前提として、意識的な目標の選択と、目標の明確な表現ができる人です。ここでいう目標とは、大きな夢、絵に描けるような概念、最終的な到達地点といったもので、それは「今のところ手に届かないが、そこに向かって努力を重ねるべきもの」なのです。

そして、サーバントリーダーは明確な目標を掲げた上で、「私は行く。一緒に来たまえ!」と先頭に立って宣言するリーダーでなければいけません。さらに自らの志を追求し、身をささげ、献身的に働くことを通じて、「結果的に」リーダーとなる人であり、同時にフォロワーに対して受容と共感を示し、常に「聞く姿勢」を備えています。

このようなリーダーは日本人にとっても理想的なリーダーに違いありません。しかし、そのようなリーダーが見当たらなくなったことが、今「サーバントリーダシップ」に注目が集まっている理由なのかもしれません。

ケーススタディー:本田宗一郎氏の言動

サーバントリーダーという存在は文字通り、リーダーでありながらサーバント(奉仕者、召使)としての特性を持つ、と定義されています。グリーンリーフによると、サーバントリーダーは向かうべき方向を示すと同時に、聞く力を持ち、受容力・共感力を備え、予見力・直感力、創造力・概念化する能力、知覚する力、個別に説得する力を持ちます。

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