おしゃれするならレンタル 毎月定額で借り放題
お金をかけずに流行の服や小物をいつも身に着けたい――。こんな需要に対応しようと、服や小物のレンタルサービスが充実してきた。従来は結婚式などフォーマル向けが中心だったが、月額制で普段着を借りられる新サービスが続々と登場。パソコンやスマートフォン(スマホ)で簡単に手続きできる。上手に使いこなせば、お得におしゃれを楽しめそうだ。
「無駄遣いがなくなったし、おしゃれが楽しみ」。大阪府の男性Aさん(39)は最近、洋服をインターネットでレンタルできるサービスを利用し始めた。
これまでは服を買ってもコーディネートに自信がなく、袖を通すことなく捨ててしまうことも多かったという。いまはスタイリストが好みや体形に合う服を選んでくれるので、無駄な買い物がなくなり、流行の服の着回しを楽しめるようになった。
従来のファッションレンタルは、結婚式などの単発利用を狙ったものが主流だった。ここ数年は、普段からおしゃれな服や小物を取り換えながら使いたいという人向けに、商品を毎月定額で無期限にレンタルするサービスが増えている。男性向けのサービスも広がってきた。
Aさんが利用しているのはウェブサービス事業のキーザンキーザン(大阪市)が今年4月に始めた「leeap(リープ)」。会員登録するとスタイリストが選んだ洋服が自宅に送られてくる。中身はジーンズやカーディガンなど上下2組で6万円弱相当。返却期限はなく、違う服を着たくなった時に返却すれば、次の洋服が送られてくる。
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プレミアムプランの会員なら月会費1万2700円(税別、以下同)で、月に何度でも洋服を交換できる。スタイリストとの相談は対話アプリ「LINE」などで行い、気に入った服があれば定価より約3~4割安く買い取れる。月の交換数を1回に限定した7800円のプランもある。
女性向けではエアークローゼット(東京・港)の衣料レンタルが人気だ。リープと同様、スタイリストが選んだ服をレンタルできる。1回ごとに届くのは計5万円相当のスカートやブラウスなど3アイテム。月に何度も交換できる月額9800円からのコースが好評だという。
同社は2015年2月にサービスを開始し、現在は会員数が9万人超。30~40代前半の女性が多く、節約目的以外に「仕事や子育てに忙しく、服を選ぶ時間がないという女性の利用が多い」(同社)。
ファッション小物では、男性向けにネクタイやタイピンを貸し出すタナクロ(さいたま市)の「KASHI KARI」が便利。月額3334円のプランでは1回に3アイテムまで借りられ、月に何回でも交換できる。高級ブランド品を1回5アイテム借りられる上級プランもある。品物は郵便ポストに入る専用袋で送られてくるので、ビジネスマンでも使いやすそうだ。
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女性向けの洋服やカバン、アクセサリーなどを扱うのは「SUSTINA(サスティナ)」。スマホにアプリをダウンロードして利用する。月会費3900円で、一度に計20万円相当のアイテムが15個借りられる。
男性を対象に、30万~50万円もする高級服のレンタルもある。「CENDRILLON HOMME(サンドリヨンオム)」(栃木県那須町)のレンタルはスーツが平均40万円、約80万円のレザージャケットなども扱う。料金はレンタルごとに発生し、アイテムにより異なる。過去にはルイ・ヴィトンの50万円相当のスーツを2週間、1万5000円で貸し出したという。
ウェブサービス事業のエス(広島市)が運営する「Laxus(ラクサス)」は女性向けに高級ブランドのバッグをレンタルする。月額6800円でプラダなど平均30万円程度のバッグを一度に1点借りられ、月1回まで交換可能だ。「自分では買わないようなカラーやファー付きの華やかなものを楽しむ女性が多い」(同社)という。
「サンドリヨンオム」「ラクサス」ともに、利用者の手持ちのスーツやバッグを有料で人に貸すこともできる。クローゼットの中で眠っているブランド品の有効活用ができそうだ。
レンタル時に気を付けたいのは品物の取り扱いだ。次の人に貸せなくなるほど傷めてしまうと弁償金を求められる場合が多い。洋服などはレンタル中に自由にクリーニングもできるが、指定された方法を守り、品物を大切に取り扱うよう心掛けたい。
(ライター 福島 由恵)
[日経プラスワン2016年11月5日付]
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