iPhone 7と相性抜群 Bluetoothイヤホン4選
2016年9月に発売されたiPhone 7の「イヤホンジャック廃止」がオーディオ業界で大きな反響を呼んでいる。
iPhone 7には通常のイヤホンジャックとLightningコネクタとを接続する「Lightning - 3.5 mmイヤホンジャックアダプタ」が付属しているが、音質が劣化する上に日常的に持ち出すときにも不便。充電しながらイヤホンで音楽を聴けないデメリットもある。
そんななか、iPhone 7ユーザーに後押しされる形で人気が急浮上しているのが、ワイヤレスで音楽を聴けるBluetoothイヤホン・ヘッドホン。iPhone 7時代の今、買うべき最新Bluetoothイヤホン・ヘッドホン4選をお届けしよう。
初心者でも扱いやすい5000円イヤホン
iPhone 7のイヤホンジャック廃止で手持ちのイヤホンが使えなくなってしまった……という人には、2016年10月に出たソフトバンクセレクションの新ブランド「GLIDiC」の「Sound Air WS-3000」(4600円前後)をおすすめしたい。
スポーツ型、ネックバンド型などさまざまな形状があるBluetoothイヤホンだが、Sound Air WS-3000は15mm×51mmの超小型クリップ型のレシーバー部が付属するスタンダードなタイプ。通勤・通学のときに使うのであれば、服のえり元などに固定でき、リモコンによるボリューム操作も手元でできるこのタイプが初心者にはとっつきやすい。
iPhoneと接続する際の最高音質コーデック「AAC」にも対応するので音質劣化も抑えられるし、iPhone側で電池残量を確認できるのも扱いやすい。実売価格が5000円以下で、今までの有線イヤホン感覚で購入できる手ごろさがいい。
「完全ワイヤレス」はどれがいい?
より先進的な製品を選びたい人におすすめのワイヤレスイヤホンが「Apollo7」(3万7000円)だ。海外のクラウドファウンディングでスタートしたこの製品は、本体は耳穴に装着するイヤホン部のみ。ケーブルが一切ない「完全ワイヤレス」型だ。
Apollo7は本体サイズ15.4mm×22.2mm、質量4gというサイズ感で、実際に手に取ってみると文字通り通常のイヤホンからケーブルを取り払ったような衝撃的な小ささだ。持ち歩いてみても、スマートフォン(スマホ)からつながるケーブルだけでなく首元・胸元にもケーブルがなくなると、ケーブルを引っ掛けて落とすようなトラブルがなく実に快適。バッテリー駆動時間は約3時間とやや短いが、本体にはアルミハウジングの充電ケースが付属し最大2回のフル充電ができる。
同じ完全ワイヤレス型には「EARIN」という先行製品もあるが、Apollo7ではBluetoothを左右独立ペアリングで遅延もなく、BluetoothコーデックもAAC/aptXと高音質コーデックに対応している。実売価格は3万7000円程度と通常タイプよりも値は張るが、今のトレンドで選ぶならApollo7だろう。
約7000円のパイオニアヘッドホン
秋冬の寒い時期に入ると、ワイヤレス製品でもイヤホンではなく、耳元が暖かいヘッドホンを選ぶ人も増えると僕は見ている。そうした人に合う新製品を紹介しよう。
まずは、2016年10月中旬に発売されたパイオニアの新モデル「SE-MJ553BT」(約7000円)だ。コンパクトなきょう体に大口径の40ミリドライバーを搭載によるディープな重低音再生と、J-POPなどにもマッチする中高域までクリアな音再生が可能だ。Bluetoothによる音楽転送コーデックについても、iPhoneで高音質が転送できるAACもサポートしている。
本製品は、ワイヤレスヘッドホンとして個性的というわけではない。だが、イヤホンではなくヘッドホンを選ぶメリットのひとつは音の良さ。特に自宅で使う際に実感するだろう。実売価格は7000円と手ごろで、通勤・通学の電車に持ち出せる折り畳みタイプでもある。iPhoneで普段から音楽を聴いている人が選ぶ入門機に適するモデルといえる。
最高モデルを選ぶなら?
ワイヤレスヘッドホンを買う上で、長く使える最高のモデルを欲しいとなったら、ソニーの新製品「MDR-1000X」(3万9880円)が候補に挙がる。
まず音質が違う。ソニーの開発しているワイヤレスでハイレゾ級の高音質に対応する「LDAC」コーデックに対応。残念ながらiPhone 7で聴くときはハイレゾ伝送にはならないが、標準的な音源もハイレゾ再生する「DSEE HX」「S-Master HX」といったウォークマンで培われた技術をヘッドホンに搭載。通常のヘッドホンの域を越えた高音質設計がなされている。
MDR-1000Xは通勤・通学の電車や飛行機のフライトなどで有効なノイズキャンセリングヘッドホンでもある。ソニーはノイズキャンセリングヘッドホンの老舗だが、ユーザーの頭部の形などに合わせてノイズキャンセルを最適化する「パーソナルNCオプティマイザー」の機能に対応したことで、過去最上級のノイズキャンセル性能を備えた。ヘッドホン右側に手をかざすと外の音を聴ける「クイックアテンションモード」といった、ノイズキャンセリングヘッドホンの使いにくさを改革する新機能もユニークだ。
4万円前後とヘッドホンとして高価ではあるが、iPhone 7を機にワイヤレスヘッドホンを長く使おうとすれば、他にない1台だろう。
(ライター 折原一也)
[日経トレンディネット 2016年10月29日付の記事を再構成]
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