元AKB48、高橋みなみ ソロ歌手では大人の恋愛意識
10年4カ月在籍したAKB48を、今年4月に卒業した高橋みなみ。現在はラジオの帯番組『高橋みなみのこれから、何する?』(TOKYO FM)でパーソナリティーを務めるなど、活躍の場を広げている。2013年に1stシングル『Jane Doe(ジェーン ドー)』でソロデビューを飾り、当時から「卒業後は歌手になりたい」と公言していた彼女が、1stアルバム『愛してもいいですか?』を発売。ソロシンガーとして本格始動する。
今作は槇原敬之、玉置浩二、高見沢俊彦、岸谷香などの著名なアーティストから楽曲提供を受け、全12曲入りの豪華な作品に仕上がった。AKB48グループ総合プロデューサーの秋元康に「AKB48を卒業して、僕の歌詞以外の楽曲を歌えるようになったのだから、今までお世話になった人や、曲を書いてほしい人にお願いして、新しい自分を表現してみては」と言われたことがきっかけだという。
その結果、中森明菜を1番好きなミュージシャンに挙げる彼女だけあって、1980年代から活躍するアーティストが多く名を連ねることとなった。音楽番組『新堂本兄弟』で共演していた槇原は、レコーディングのディレクションも担当してくれたという。「『ビブラートなしで歌ってみよう』とか、『マイクを替えたほうがいいかも』などのアドバイスをいただきつつ、1曲に数時間もかけて、何度も録り直す進め方は新鮮でした」
今作では作詞にも挑戦した。『コール・ミー・メイビー』などの恋愛ソングで、世界中のティーンに人気の歌姫カーリー・レイ・ジェプセンらが提供した『Kiss Miss Kiss』の日本語詞を手がけている。ただ、慣れない作業に何を書いても不安だったという。「最初はかわいらしくポップな恋愛模様を書いていたんですが、秋元さんに相談したら『それでは10代の歌詞。25歳ならではのものにしないと』とダメ出しされました(笑)」
改めて想像を膨らませて、何度も書き直していき、「重なる肌のその相性を/唇で重ねて!!」と、大人の恋愛を意識した歌詞が生まれたという。
提供アーティストの顔が浮かぶ個性の強い曲が並ぶが、通して聴くといい流れになったと手応えを感じている。「恋愛の曲が多いですが、かわいい系の曲調もあればバラードやすごいポップなものまである。色々な輝き方をする曲が詰まった、宝箱のような作品になったと思います」
今後は、ライブへの思いが強い。「AKB48でみんなと見てきた日本中の会場の景色を、今度は1人で目にしたいです」
「愛してもいいですか?」
(「日経エンタテインメント!」11月号の記事を再構成。敬称略、文・中桐基善 写真・藤本和史)
[日経MJ2016年10月28日付]
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