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どうやって生産性を上げる? ロンドン流から学ぶこと

kay me 毛見純子のロンドン起業挑戦記(最終回)

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NIKKEI STYLE

こんにちは。kay me(ケイミー) ファウンダー兼リードデザイナーの毛見純子です。

kay me は2011年に私が立ち上げた「一瞬で華やか ずっとラク」をコンセプトとした働く女性のための仕事服ブランドです。創業から5年、2016年夏からいよいよ本格的に英国ロンドンに活動拠点を移し、海外展開を始めています。

さて、最終回の今回は、私がロンドンで仕事をする中で感じた「生産性を上げるためのヒント」をまとめてみたいと思います。

「生産性を上げる」とは、つまり「同じ成果をより短い時間で出す」ということ。それによって生まれる利点は「余った時間でほかのことも楽しめる(家族と会える! ご飯に行ける! デートができる! など)」ということ。人生の時間には限りがありますから、効率的に使いたいですよね。

kay me 創業以前に、私がマーケティングコンサルティングの会社を立ち上げたのが10年近く前でした。スタッフには常に、「生産性」を上げ続けてほしいと願っています。同じ成果をより短い時間で出してもらうことでさらに他のことにも挑戦してもらえる! ということもありますが、同時に、余った時間でいろいろな人生体験をしてほしいなと思うのです。人間的な魅力は、最終的には仕事の質にも反映されますしね。

生産性を下げている要因は「日本語」と「協調性」?

日本の働き方やビジネスの習慣にはもちろん良いところもあります。例えば、相手の意見や話を傾聴しようとするところや、集団の総意、つまり「空気」を読んで自分の発言や行動を制御する……つまり「協調性」がある、という点です。

一方でこの協調性が、生産性を低めていると感じることも多々あります。「就業1時間あたり労働生産性(2014年調査)」でも、OECD加盟34カ国の中で日本は21位。主要先進7カ国(G7:米国、英国、ドイツ 、フランス、イタリア、カナダ、日本)の中にいたっては最下位です

この点についてロンドンのビジネスパートナーと議論をしたことがあります。その結果見いだしたのは、「この生産性の差は初等教育の段階から発生しているのでは」という仮説でした。

要素は2つあるように思います。1つは、英語と日本語による思考やコミュニケーションレベルの違い。もう1つは、「協調性」を良しとするのか、「特異性(ほかの誰とも違う点)」を良しとするのかという、教師や親のスタンダードです。

まず言葉の問題です。英語をビジネスで使っているみなさんならお分かりかと思いますが、言葉の並び順では英語のほうが、伝えるべき意思が最初に来ます。

例えばこの広告。こちらはアーリーステージの会社向けのローンの宣伝なのですが、「〇〇を止めて〇〇を始めよ」と、伝えたい主張が最初の1単語目で明確です。

また、こちらのロンドンの地下鉄のポスターには「Everyone welcome, London is Open」とあります。日本語でいうと「どんな国からの人でも歓迎します。ロンドンは開かれた都市です」。やはり英語の構成はシンプルで短く、ダイレクトだなと感じます。

一方、日本語は言葉の並び順が英語と逆であるために意思を表現する部分が後ろの方になってしまう上に、丁寧表現や敬語表現の言葉が前後に付け加わります。これが会話や文書、メール、そして会議……すべてのコミュニケーションに反映されているとしたら、一つの意思を疎通するまでに20%増し(私の感覚ですが)くらい、英語に対して時間がかかっているように思います。

2つめの、「協調性」を良しとするのか、「特異性」をほめるのかについてですが、英国の初等教育では人と違う意見を披露することや、特異であることは賞賛されることなのです。もちろん、意見に論理性を併せ持つことは初等教育以降求められていきますが、とにかく間違っていても人と違うことを述べるなど、他と違う個性を否定しないということが教育者や親の基本姿勢にあります。なので、会議などでも臆することなく意見をポンポン言うため、議論が早いのです。

それらの表れに思えるのですが、ロンドンではカフェの店内で突然ギターを弾いて歌いだす若者の集団や、パブやレストラン、あるいは行列に並んで待っているときに隣や前後の見知らぬ人に話しかける光景をよく見ます。若者が地下鉄の中ですっと立って妊婦や老人に席を自然に譲る姿も頻繁に見ます。他の人が何をしていようとあまり構わない、人と違うことをするのをちゅうちょしない、そんなふうに感じます。

日本では公共の場で、親が幼い子どもに「やめなさい。ほら、みんな見てるでしょ。恥ずかしい」と叱っている光景を見ることがあります。これは、イギリス人には不思議なセリフのようです。

日本の会議では「自分の意見は上司と同じか」「この意見は今発言して大丈夫か」「自分に知識がないために恥ずかしいことを言っているのではないか」と内心気にして、なかなかストレートに話が進まない傾向にあるのではないでしょうか(沈黙の時間も相対的に長いですね)。

言いたいことは単刀直入に、組織全体の目的を最短で目指す

英国から学ぶ、日本にいながらにして生産性を上げるヒントとしては、

(1)言いたいことを冒頭に。単刀直入に話す文化をつくっていく

(2)「組織全体の目的に最短で近づくこと」を良しとして、自ら率先して発言していく

この2つではないでしょうか。

余談ですが、私の経営するkay meでも「英語がほぼネーティブな日本人」「英語がネーティブな外国人」「英語が第一言語ではないけど同じ欧州圏の言葉を母国語とする外国人」「英語が流ちょうでない日本人」「英語が苦手な日本人」の5種類のスタッフがおり、会議はほぼ共通語である英語で展開されます。私も英語が流ちょうではない派閥にまだいますが、リーダーとして会議の目的を達成するために、もはや文法の間違いや英語が上手でないことの恥ずかしさにかまっている暇がない! という感じです。

組織全体での効率的な目的達成を目指すのか、それとも組織全体の協調性を重んじるのか……結局は、根底にある考え方の選択によるものなのではと思います。

日本にずっといると分かりにくいですが、国を超えて経済活動の覇権をとろうとする戦いは激烈です。ぜひ、時間をうまく使って生産性向上を目指したいですね。

連載4回を通じてみなさまとお知り合いになれたことをうれしく思います。ぜひ、ご意見・ご要望などはこちらまで。kayme@maojian.jp (毛見純子宛て)

再び(オンライン上でもリアルにも)お会いできることを楽しみにしています。

毛見純子(けみ・じゅんこ)
 kay me 株式会社代表取締役。早稲田大学第一文学部卒業後、ベネッセコーポレーションでの営業職、PwC、ボストンコンサルティンググループでの経営戦略コンサルタントを経て、2008年にマーケティングコンサルティング会社設立。自らの経験とマーケティングメソッドを生かし、2011年「一瞬で華やか ずっとラク」をコンセプトとしたキャリア女性向け日本製ストレッチ素材アパレルブランド「kay me」を創業。2015年英国法人を設立し欧米を中心とした海外展開を開始。オンラインショップのほか、銀座、新宿、日本橋、梅田、羽田空港、ロンドンにて店舗展開。2015年英国商工会議所が選出する「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」受賞、2016年日本政策投資銀行「DBJ女性起業大賞」受賞。

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