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iPhoneの「電話」が実は便利になっていた

 
日経トレンディネット

2016/11/6

日経トレンディネット

 2016年9月にiPhone・iPadの新OS、「iOS 10」がリリースされた。「iOSの歴史でも最も大きなアップデート」と発表された通り、さまざまな機能が追加・変更されている。なかでもiPhoneの最も基本的な機能「電話」が、これまでにないほど機能強化されている。iOS 10の新しい電話機能の魅力的な点と残念な点を紹介していこう。

■通話アプリでも普通の電話と同じように受けられる

 まず、サードパーティー製の通話アプリとの連携機能について紹介しよう。連携内容についてはいくつかあるが、まずは着信や発信の連携だ。SkypeやViberなどの通話・着信も、通常の電話と同じようにロック画面に全画面で表示され、その場で受けられる。

 また、「連絡先」アプリや「電話」アプリの履歴などから、他の通話アプリからも発信できるようになった。「連絡先」からの場合は、電話マークを長押しすると、電話を掛けられる一覧が表示される。そのなかに通話アプリの名前も出てくるので、かけたいアプリを選択するだけだ。

 この機能は非常に便利なのだが、2016年10月13日時点ではLINEは対応していない。

 個人的な話で恐縮だが、筆者はよくLINEで通話をしている。しかし通話するために、iPhoneのロック解除やLINEの通知をタップするなどの作業が多くて時間がかかるため、電話を取り損ねるケースが少なくない。iOS 10と連携すれば、そのような煩わしい作業からも解放され、すぐに電話に出ることができるはず。1日も早く対応してほしいところだ。

Skypeでの通話も、通常の電話と同じように、ロック画面でも全画面に表示され、受けることができる
連絡先にある電話マークを長押しすれば、登録されている電話番号を、サードパーティー製アプリでかけることができる

■着信拒否を他アプリから設定できる

 サードパーティー製アプリとの連携機能で、もうひとつ注目したいのは着信情報を使う連携だ。

 例えば、電話番号を入力することで、迷惑電話や勧誘電話を検索するサードパーティー製アプリ「Whoscall」はこの連携機能を使い、着信拒否ができる。

 Whoscallで着信拒否をすると、自分のiPhoneには着信履歴が残らず、電話をかけている相手には電話がつながらない旨のアナウンスが流れる。

 これは、iOSの着信拒否設定と同様の動作だ。しかし、iOSの着信拒否設定は、連絡先を参照するため、拒否したい電話番号を登録しなければいけない。拒否したいのに、連絡先に登録しておかなければならないのは、何か釈然としない。

 Whoscallは連絡先に登録することなく、拒否したい電話番号を直接入力できるため、連絡先に余計なデータが増えることがない。

 また、Whoscallは迷惑電話かどうか着信時に画面で通知する機能もある。

 iOS 10がリリースされてから、迷惑電話の着信がないので確認できていないのだが、着信者の名前とともに、注意マークが表示されるとのこと。注意マークが表示されたら電話を切るといった対応をすれば、不快な気分にならずにすむはずだ。迷惑電話がよくかかってくる人にとっては魅力的な機能といえるだろう。

設定を開き、「電話」→「着信拒否設定と着信ID」をタップし、Whoscallをオンにすれば設定完了
設定を開き、「電話」→「着信拒否設定と着信ID」をタップし、Whoscallをオンにすれば設定完了

■Siriに誰からの電話か教えてもらえる

 通勤などの移動中、iPhoneを使って音楽を聴いている人も多いだろう。このときに突然電話がかかってくると、相手を確認するためiPhoneを取り出す必要がある。これが意外と面倒で、電話に出るまで時間がかかる。

 もちろん、マイク付きのイヤホン・ヘッドホンを使えば、iPhoneを取り出さなくてもそのまま通話できる。しかしその場合、通話相手が誰なのかを気にしながら話をしなければならず、話に集中することが難しい。それを避けるために、結局iPhoneを取り出し、画面を確認しなければいけないのだ。

 iOS 10を使えば、この問題を解決できる。イヤホンやヘッドホンの装着時に、Siriが着信相手を読み上げてくれるよう設定できるからだ。まず「設定」を開き、「電話」→「着信を知らせる」→「ヘッドフォンのみ」を選択しておくことで、Siriが着信相手を教えてくれるようになる。

 この設定をしておけば、音楽を聴いているときに電話がかかってきても、慌てることなくすぐ電話に出られるだろう。

「設定」を開き、「電話」→「着信を知らせる」→「ヘッドフォンのみ」を選択しておくことで、ヘッドフォン装着時にSiriが着信相手を教えてくれる
ヘッドフォンを差し込んでいる状態で着信すると、Siriが相手の名前を読み上げてくれる

■自動転送や3D Touch対応も

 iOS 10になって、他の番号に転送する自動転送も追加された。「設定」アプリから「電話」→「自動電話転送」を選択し、転送先電話番号を入力するだけで、すぐに設定した電話番号に転送される。

 また、電話アプリ自体も進化している。これはiPhone 6s以上の機種限定だが、履歴や連絡先などの人物リストで3D Touchに対応した。3D Touchを使うと、メッセージやメールなど、その他の連絡手段が一覧表示できる。

 これまでは、<i>ボタンをタップし、表示された連絡先情報から、連絡手段を選んでいたが、操作ミスで電話をかけてしまうことも少なくなかった。操作ミス防止という意味でも、3D Touch対応はかなり重宝するだろう。

自動電話転送をオンにし、転送先電話番号を入力すれば、その番号に着信が転送される
着信履歴で3D Touchを使えば、連絡先に登録した、ほかの連絡手段が一覧で表示される

■あの注目機能はどうなった?

 最後に、iOS 10発表時に電話アプリの新機能として注目を集めた「Voicemail transcription」についても言及しておこう。

 Voicemail transcriptionは「Visual Voicemail」を進化させたもので、留守電の内容を文章にしてくれる機能だ。留守電の内容をメールと同じように読むことができるので、留守電を聞いている時間がないときなどは、とても便利になるはずだ。

 この機能を試してみようとしたが、2016年10月上旬時点では動作せず、設定らしきものも見当たらない。おそらく、今後のOSバージョンアップで順次対応していくのだろうと思うが、個人的にも注目していただけに、iOS 10の正式リリース後も試せないのはとても残念だ。

「Voice transcription」はVisual Voicemailの真ん中あたりに表示されるはずだが、表示されない

 このようにiOS 10の電話は、未実装の注目機能があるものの現段階でもかなり進化している。これまで電話機能はあまり進化してこなかったが、ようやくiPhoneらしい「便利な電話」になってきたように思える。これにLINEとの連携や「Voicemail transcription」が加わり、さらに使える電話になることを期待している。

(ライター 村瀬浩司)

[日経トレンディネット 2016年10月15日付の記事を再構成]

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