優しい甘みで女性客7割 ローソン「安納芋まん」
購入客の7割が女性!
コンビニの中華まんは、おでんと並ぶ冬の風物詩。近ごろは通年販売しているコンビニも多いが、やはり食べたくなるのは秋になってからだろう。
しかも、最近のコンビニの中華まんはラインアップが多いのが魅力。ローソンでは「肉まん」「ピザまん」「カレーまん」「北海道小豆の粒あんまん」「北海道小豆のごまあんまん」(各税込み120円)の5種類を定番品として販売している。嗜好性の高いカレーまんについては、現在はキーマカレーまんだが、冬には異なるカレーまんを提供するという。
また、これらに加え、「極上肉まん」(税込み170円)や「釜焼きチャーシューまん」(税込み160円)などワンランク上のメニューも発売されており、今年は日本各地の厳選食材を使用した中華まんを順次展開していく。その第1弾が、鹿児島県種子島産安納芋を使用した「安納芋まん」だ。
安納芋まんは2016年で3年連続での発売となる。2年目の2015年は、販売数が前年の約2倍にまで伸びたというヒット商品。そして購買層の7割が10~30代女性なのも特徴だ。この理由について、ローソン商品部の金井友香氏は「女性が芋系の味を好むことと、ピンク色のかわいい見た目が影響しているのではないでしょうか」と分析する。ちなみに中華まん全体の男女比率は5:5とのことからも、女性に支持されていることがうかがえる。
種子島産の安納芋を1カ月以上熟成させ、溶岩プレートでじっくり焼いた後、ダイスカットとペースト状にした餡をピンクの生地で包む。ダイスカットは昨年より蒸し時間を少し短くすることで、「よりホクホク食感が残るように仕上げた」(金井氏)という。芋本来の味わいや食感を損なうことなく甘さもしっかり出し、安納芋をイメージさせる見た目の工夫により、女性客のハートをつかんだようだ。
やや小ぶりなサイズも女性ウケの理由
早速、安納芋まんを食べてみることに。
カウンターの什器に並ぶ安納芋まんはピンク色で目立つ。よく見ると、肉まんなどに比べてサイズが小さいことが分かる。これはコスト的な問題か、はたまた甘味が強いとクドイため小さくしているのか。その理由は不明だが、ほかの中華まんより少しだけ小さいことで、ピンクの見た目と相まってなんだかかわいらしい。この"かわいい~!"も女性人気の理由ではないかと勝手に予想する。
さて実際に食べると、芋独特の風味が口いっぱいに広がっていく。ペースト状の餡は甘味が強く、実際の安納芋を思わせる濃厚感がある。そしてダイス状にカットされた安納芋はホクホクで、食感のアクセントとして利いている。あんまんなど甘い中華まんは途中で飽きることもあるが、これは1個ペロリと完食してしまった。
サイズも価格も手ごろで、満足感は大きく得られる安納芋まん。発売して2週間がたち、「今年は気温が高かったので、これから伸びてくるところです」(金井氏)とのこと。秋が深まってきた今日このごろ、あんまん好きはもちろんスイーツが食べたくなったときの選択肢にぜひ加えてほしい。
ローソンでは国産食材を使用したシリーズとして、同じ種子島産の紫芋を使用した「紫芋まん」や、高級食材をふんだんに使った「特撰国産カニホタテまん」「特撰国産黒毛和牛のすき焼まん」を今後展開していくという。
[日経トレンディネット 2016年10月14日付の記事を再構成]
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