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30~40代も注意 運動不足の人の「いきなり運動」

「いきなり運動」が引き起こすトラブルを回避せよ!(2)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
運動会の親子競技、友人に誘われて久しぶりのテニス…。なにかと体を動かす機会が増える、この季節。本特集では、これまで全く運動していなかった人や、長年のブランクがあった人が急に運動したときに見舞われやすいトラブルと、その予防法を解説する。第1回「若さの目安はシミ・シワよりも『大腿四頭筋』」では、20歳をすぎると筋肉量は一気に減少していき、筋肉の衰えはまず下肢(脚)から始まるという話をした。第2回はいきなり運動したときのトラブルについて。ぎっくり腰やアキレス腱断裂を起こしやすいというウワサは本当だろうか?

怖いのは転倒とそれに続く骨折、筋肉のけいれん、捻挫

20歳をすぎると、心肺機能も下肢の筋量・筋力も、どんどん衰える(第1回「若さの目安はシミ・シワよりも『大腿四頭筋』」参照)。そんな体でいきなり運動をすれば、ケガ(外傷)や故障(障害)を招くことは想像に難くない。

順天堂大学大学院スポーツ医学教授で整形外科医の櫻庭景植さんは、「"運動不足"の定義が難しいこともあり、日頃運動をしていない人が運動時にどんなトラブルを起こしやすいか、という科学的なデータは実はありません」と明かす。その上で、「経験上、運動不足の人が急に運動をした際に多いトラブルは、『転倒とそれに続く合併症』、そして『筋肉痛』です」と話す。転倒の合併症とは、具体的には骨折、筋肉のけいれん、捻挫などだ。

"昔取った杵柄"のある人ほど自分の運動能力を過信しやすい

転倒が多い理由としては、以下のような要因が考えられる。

・加齢により神経-筋反応[注1]が衰えている
・運動不足による筋量・筋力の低下
・関節の柔軟性の低下
・準備運動不足
[注1]中枢神経から筋肉へと情報が伝達し、筋肉が動くまでの一連の反応のこと。この反応が速いほど、俊敏な動きができる

この4つがそろった状態でいきなり運動をするというのは、車に例えれば、エンジンを吹かして慣らし運転をすることなく、いきなりフルスピードで走り出そうとするようなものだ。これでは車の各部品にも負担がかかり、スムーズに走ることは期待できない。人間の体もこれと同じで、体の機能が衰えた状態でウオーミングアップもせずに動かすと、ダメージが生じやすい。

「特に、若い頃にスポーツに励んだ経験があり、"昔取った杵柄"がある人は、自分はできるはずという思いはあるのに、俊敏性は落ち、体重は増え、筋力は落ちているといったギャップが大きく、無理をして転倒やケガを招きやすい傾向があります」(櫻庭さん)

全速力で走る、ジャンプする…瞬発系の動きは特に危険

では、どんな運動が特に危険なのだろうか。

「短距離走やテニス、バドミントン、ジャンプを必要とする球技など、瞬発系の動きは、体の衰えた中高年がいきなり始める運動としてはあまり向きません」(櫻庭さん)。第1回でも述べたように、筋肉には速筋(瞬発的に大きな力を発揮する白い筋肉)と遅筋(長時間、力を維持する持久力にかかわる赤い筋肉)があり、瞬発系の動きにかかわる速筋の方が加齢とともに衰えやすいからだ。

さらに、中高年の場合、筋肉の衰えに加えて、内臓疾患が隠れている可能性もある。動脈硬化を起こしやすい生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)を持っている人は特に、自覚症状がなくても心臓に血液を送り出す血管(冠動脈)がもろく・狭くなっている可能性がある。その状態で心肺に急激な負荷をかけると、心臓が酸欠(虚血)状態となり、最悪の場合、突然死に至ることもある。

運動を始めるときは、できればメディカルチェックを受け、"ならし運転"が必要だということを、肝に銘じておきたい(予防については第3回で紹介予定)。

では、ぎっくり腰やアキレス腱断裂は?

さて、運動不足と、ぎっくり腰やアキレス腱断裂、肉離れなどのトラブルとの関連はどうだろうか。これらについても櫻庭さんに聞いてみた。

「ぎっくり腰(急性腰痛症)は、じっとしている状態から急に無理な動きをしたときに起こる急性の腰痛です。運動時に限らず、日常生活でも起こり得ますし、日頃よく運動している人でも起こります。運動不足との関連は特にないでしょう」(櫻庭さん)

では、アキレス腱断裂や肉離れはどうだろう。

「アキレス腱断裂や肉離れは、運動不足によって筋肉が硬くなったり、動きが鈍くなったりしていることが要因にはなり得ます。ただ、急に運動したからといって特別なりやすいわけではありません。定期的にスポーツをしている人の間でも高い頻度で見られます。実は運動習慣のある私も、1月下旬にテニスをしていて、決して無理していないのに、あっという間にアキレス腱を断裂しましたから(苦笑)」

遅れて出てくる、なかなか治らない筋肉痛に要注意

次に、「筋肉痛」について聞いてみた。筋肉痛は、確かにつらい症状だが、ケガではなく、自然に回復するものなので、それほど深刻に考えなくてもよいだろうか?

「筋肉痛自体は、大きなトラブルとは言えませんが、中でも問題視するとするならば、遅発性筋痛症です。これは、筋肉をある程度使った翌日から翌々日に生じる痛みで、この痛みが長引くと、神経-筋反応が遅くなったりして、転倒しやすくなります」(櫻庭さん)

実は、筋肉痛のメカニズムはまだ解明されていないのだという。筋肉を激しく動かした後は、何らかの代謝産物が筋肉に溜まって筋肉痛が起こることは分かっているが、この物質が何かは特定されていない。「よく、『疲労物質=乳酸が溜まる』という言い方がされますが、これは科学的に証明されたものではありません」(櫻庭さん)。

ただ、年齢を重ねるほど遅発性筋痛症が出やすいということは経験的に知られているほか、急に激しい運動をするよりも持続的な運動をした方が、筋肉の負担は少なく、筋肉痛も軽く済む場合が多いという。

マッサージは筋肉痛の解消に役立つ?

つらい筋肉痛は少しでも早く解消したいもの。マッサージでほぐすと、多少はよくなるのだろうか。

手や指を使った刺激によって筋肉をもみほぐすマッサージは、筋肉の血流を改善するともいわれ、筋肉を動かすという意味では循環促進にもなり、筋肉痛対策にもなると言われている。

近年、注目されているのが「筋膜リリース」といって、硬くなったりねじれたりした筋膜(筋線維を覆う薄い膜)をほぐして、体の器官を正しい位置に戻したり、可動域制限を取り除くことで痛みを解消する手法。整体やマッサージにも筋膜リリースの観点を取り入れたものが多い。

ただし、「強くもみすぎると筋肉にわずかな損傷が起こるので、痛みを感じるような負荷の強いマッサージはあまりすすめられません。専門的な技術をもった施術者にやってもらった方がいいでしょう」と櫻庭さん。セルフマッサージをする場合は自分が思うより軽めに行うほうがよいそうだ。

次回は、転倒と筋肉痛などのトラブルを予防するために、どんなことに気を付ければよいかを解説する。

(ライター 塚越小枝子)

この人に聞きました

櫻庭 景植(さくらば けいしょく)さん
 順天堂大学大学院スポーツ医学教授。1978年順天堂大学医学部卒。同大医学部整形外科講師、同大スポーツ健康科学部スポーツ医学助教授などを経て2002年より現職。日本オリンピック委員会強化スタッフ(スポ―ツドクター)。2007年、2009、2011年世界陸上チームドクターや2012年ロンドンオリンピックチームドクターなどを歴任。専門はスポーツ医学。

[日経Gooday 2016年4月28日付記事を再構成]

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