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「端末替え放題」「かけ放題」で勝負 FREETEL

佐野正弘のモバイル最前線

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日経トレンディネット

「FREETEL」ブランドでスマートフォン(スマホ)や通信サービスを提供するプラスワン・マーケティングは、2016年10月6日、新製品・サービスの発表会「FREETEL World 2016 Fall/Winter」を開催した。同社の新たな取り組みからは、ハードウエア、通信サービス共に"格安"から抜け出そうとする同社の戦略が伝わってくる。

「FREETEL SIM」は高速通信容量を増量したプランを追加

モデルで女優の佐々木希さんを起用したテレビCMで、今年注目を集めた「FREETEL」ブランド。自社でスマホの開発・販売を直接手掛けるだけでなく、自らMVNOとなって通信サービスを提供するなど、端末メーカーとしても、MVNOとしても非常にユニークな存在だ。そのため、注目度は高く、ベンチャーでありながらSIMフリースマホメーカーとしては国内上位の出荷台数を誇っている。

SIMフリースマホメーカー各社が次々と新製品を投入し、MVNOも相次いで新しい施策を打ち出すなど、端末・サービスともに競争環境が激化する中、FREETELの強みは自社で端末もネットワークも手掛ける垂直統合型のビジネスだ。ただしその半面、FREETEL以外のMVNOがFREETELの端末を採用する事例がほとんど見られなくなるなど、その強みが不利に働くケースも最近は目立ってきた。

そうした状況で開催した「FREETEL World 2016 Fall/Winter」で、FREETELは、新たな戦略を発表した。施策は大きく分けて3つだ。

1つ目の施策は、通信サービス「FREETEL SIM」の強化だ。FREETEL SIMには月額299円(データ通信のみの場合)で、最大10GBまでの高速通信が利用可能な「使った分だけ安心プラン」と、事前に1G~20GBまでの高速通信容量を選べる「定額プラン」の2種類がある。今回、新たな定額プランとして15、30、40、50GBの料金プランを提供するとともに、使った分だけ安心プランの最大通信容量も20GBに増量することを発表した。

大容量プランを追加した背景には、まず、動画サービスなどの利用が高まり、より大容量通信が求められるようになってきたことがある。加えて、9月に大手キャリアが相次いで発表した、月額6000円で20GBの通信容量が利用できるデータ定額サービスの影響も受けていると思われる。

また、FREETEL SIMの特徴の1つになっている、人気サービスの通信量を無料にする「パケット無料サービス」も対象を拡大。従来の「LINE」や「ポケモンGO」に加え、「Twitter」や「Facebook」、「Messenger」、「Instagram」も対象になるという。ただし、新たに追加された4サービスの通信量が無料になるのは、3GB以上(Instagramは5GB以上)の定額プランのみだ。

ほかにも、通常3000円かかる初期契約費用が299円になる「全プラン対応パック」や、余った通信量を翌月に繰り越せるサービスなどが新たに提供される。さらに、従来FREETEL SIMユーザーしか利用できなかった「電話かけ放題」が「だれでもカケホ」に名称を変更。FREETEL SIM以外のユーザーも299円からの月額料金を払えば利用できるようになったほか、月額1499円の10分間のかけ放題プランも追加された。

新フラッグシップモデルと大容量バッテリーモデルを用意

2つ目の施策は新しいスマホの投入だ。今回、FREETELは2つの新機種を発表している。その1つが新フラッグシップモデル「極 KIWAMI 2」だ。

KIWAMI 2は、昨年発売された同社のフラッグシップモデル「KIWAMI」に代わるモデルで、ディスプレーに5.7インチのSuper AMOLED(有機EL)を採用している。チップセットにはCPUのコア数を10個備える(デカコア)MediaTek製のHelio X20(MT6797)を搭載。メモリーは4GB、ストレージは64GBのものを採用しており、前回紹介した3G・4GのデュアルSIM・デュアルスタンバイ(DSDS)にも対応するなど、高性能となっている。

ほかにも1600万画素のカメラや指紋認証センサー、USB Type C端子など最近のトレンドをしっかりと押さえており、フラッグシップモデルとして、同社が力を入れていることが分かる。価格は、前機種のKIWAMIの発売当初の値段が3万9800円だったのに対し、KIWAMI 2は4万9800円と、1万円ほど高い。

もう1つの機種は、新シリーズのスマホ「雷神 RAIJIN」だ。こちらは5.5インチディスプレーにMediaTek製のオクタコア対応チップセット、4GBのRAMなどを採用したミドルクラスのモデル。最大の特徴は5000mAhもの大容量バッテリーを搭載していることだ。大容量バッテリーを売りにしているASUSの「ZenFone Max」に匹敵する容量だが、「RAIJINの方が薄い」とのこと。

また、出荷当初よりAndroid 7.0 Nougatに対応するなど、より新しい機能を取り入れているのも特徴だ。価格は2万9800円で、KIWAMI 2、RAIJIN共に12月の発売を予定している。

新機種に半年で買い替えやすくなる「かえホーダイ」

3つ目の施策は、「かえホーダイ」だ。これはFREETELの新しいスマホに半年おきに機種変更できるプランだ。月額料金には、スマホの割賦払い料金に加え、通信料と無料通信料、端末補償料を含む。支払い開始から半年が経過すると、現在使用している端末をFREETELに買い取ってもらう代わりに、新しい端末に乗り換えられる。

機種や通信サービスの料金プランによって月額料金は異なるが、最も安いケースでは月額1790円から利用できる。新しい機種に次々と乗り換えやすくなるという意味で、自動車でいうところの「残価設定ローン」に似た仕組みといえるだろう。

ちなみに、返却した端末は整備して中古品として販売するとのこと。FREETELでは自社のWebサイトでアウトレット品の販売などをすでに手掛けており、海外でもスマホの販売を開始している。カンボジアやメキシコのほか、最近はベトナムにも進出。今後はコロンビアやジャマイカへの進出を予定しているそうで、中南米やアジアを中心に販路を拡大していく方針だ。そうした販路をフル活用して中古品を販売することで、かえホーダイのサイクルを回していく考えだ。

プラスワン・マーケティングの増田薫社長は、「これまで2年間の割賦販売が当たり前だったが、ずっと不思議でしかたなかった」と話す。スマホは進化が停滞したとはいえ、大手キャリアは半年に1度新製品を投入してくる上、iPhoneのフラッグシップも年に1回は登場するのが通例だ。にもかかわらず、割賦が残っているからといって、端末の画面が割れるなど破損してもなお、2年間使い続けなければいけないことに疑問を抱いていたという。それが、かえホーダイのサービス提供につながったと増田社長は話している。

ユーザー層の変化で価格訴求に限界も

これらの新施策を振り返ると、通信容量の増大や端末性能の強化、スマホの継続的な買い替え支援によるユーザーのつなぎとめなど価格以外を重視しようとする同社の戦略が見えてくる。

MVNO同士の競争は非常に激しさを増しているが、最近は、単に安価というだけでは新たなユーザーの獲得は難しい。MVNOのSIMをメーン回線として利用するユーザーが増えている現状、安さよりも重視されるのは、知名度やブランド力、実店舗販売やサポートなど、コストをかけてでも得られる安心感だ。

端末も同様だ。従来はスマホの性能をある程度知っている人が、割り切って安価な端末を選ぶ傾向が強かった。しかしメーン回線として、より幅広い層のユーザーが利用するようになった現在では、多少価格が高くても使い勝手がよく、安心して使えることを求める傾向が強い。実際、最近のSIMフリースマホメーカーの最新機種を見ると、従来1万~3万円台が多かったのに対し、最近は4万~8万円とより高価格帯のモデルが増えている。

今回の同社の発表会からはそうした市場の変化を捉え、価格訴求から脱却しようとする姿勢が見て取れる。MVNOやSIMフリー端末の分野は、通信業界の中でも今最も競争が激しく、ユーザーが大きく動いているだけに、市場動向を常に的確に捉え、柔軟に対応することが強く求められている。

佐野正弘(さの・まさひろ)
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

[日経トレンディネット 2016年10月12日付の記事を再構成]

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