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ソニーモバイル新Xperia カメラ機能への強いこだわり

佐野正弘のモバイル最前線

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NIKKEI STYLE

NTTドコモは2016年10月19日、冬・春商戦に向けた新サービス・新商品発表会を実施し、スマートフォン(スマホ)など13の新機種を発表した。中でも注目されるのは、ソニーモバイルコミュニケーションズの人気シリーズ「Xperia」の最新モデル「Xperia XZ」と「Xperia X Compact」。新機種はどのような変化を遂げているのだろうか。

NTTドコモが2つのXperiaシリーズ新機種を発表

今年も冬から春にかけての商戦期に向けて、大手キャリアが相次いでスマホなどの新製品を発表している。中でも唯一、大規模な発表会を開いて新製品をアピールしたのがNTTドコモである。同社は10月19日に都内で新サービス・新商品発表会を実施し、新しい製品やサービスを発表している。

NTTドコモが冬・春に向けて発表した新機種は、スマホ8機種、フィーチャーフォン4機種、Wi-Fiルーター1機種の合計13機種。中でもNTTドコモ自身が独自に新しいブランド「MONO」を立ち上げ、その第1弾として発表された「MO-01J」は、機能面ではシンプルながら一括価格で約650円となるなど、非常に安いことから大きな注目を集めている。

だがモノという視点で注目されるのは、ハイエンドモデルである、ソニーモバイルコミュニケーションズの人気機種「Xperia」シリーズの新機種であろう。今回、NTTドコモが発売するとしたのは、9月にドイツ・ベルリンで開催された家電の総合見本市イベント「IFA 2016」に合わせて発表された、「Xperia XZ」と「Xperia X Compact」の2機種である。

Xperia XZは、5.2インチディスプレイを採用したXperiaシリーズの新しいフラッグシップモデルであり、今年の夏に発売されたXperia X Performanceと同様、ボディにはメタル素材を採用しながらも、新たに神戸製鋼の「アルカレイド」という素材を採用し、より明るく、深い色合いを実現。さらに、側面にはラウンド感がありながら、上下はスクエアな印象の「ループサーフェスデザイン」を採用するなど、デザイン面でも異なる印象を与えている。

性能面を見ても、チップセットにハイエンド向けのSnapdragon 820、さらに3GBのRAMを搭載。Xperia XZは他のキャリアからも発売されるものの、NTTドコモ版は理論値で下り最大500Mbpsの通信速度を実現するなど、通信速度の面でもハイスペックだ。

もう一つのXperia X Compactは、4.6インチディスプレイを採用し、片手で持ちやすいサイズ感を実現したコンパクトモデル。国内ではNTTドコモだけの独占販売モデルとなり、海外向けのモデルではサポートされていなかった防水・防じん性能も、しっかりサポートしている。

だがXperia X Compactは、従来の同社のコンパクトモデルのように、最新機種のデザインや性能を可能な限りそのままコンパクトにしたわけではない。ボディ素材にはメタルではなく樹脂素材を採用するほか、チップセットにもミドルハイクラスの「Snapdragon 650」を搭載するなど、いくつかグレードが落ちる部分が見られる。

高性能なカメラをより一層強化

とはいえ共通した特徴もある。一つは、Xperiaシリーズの最大の特徴となっているカメラだ。Xperia XZとX Compactに搭載されているカメラは、夏に発売されたスマホ「Xperia X Performance」よりも一層の強化がなされ、より幅広いシーンで撮影が快適にできるようになっている。

カメラ機能のポイントの一つはオートフォーカスである。夏モデルのXperia X Performanceでは被写体の動きに追従してフォーカスを合わせ続ける「先読みオートフォーカス」を搭載。動く被写体に対してもオートフォーカスを合わせやすくなったが、それでも不得手としていたのが、暗い場所でのオートフォーカスである。

従来のXperiaシリーズでは、焦点距離を変えたときに一番明暗差が大きなところを探す「コントラストオートフォーカス」と、レンズから入った光を2つに分けて画像を作り、その2つの画像の差からフォーカスを決める「位相差オートフォーカス」によってピントを合わせていた。しかしながらこれら2つの方法は、いずれも被写体が見えないような暗い所に弱点があったのだ。

Xperia XZ/X Compactのカメラには、レーザーの反射から被写体との距離を測る「レーザーオートフォーカス」を導入。これによって、暗い場所にある被写体でも正確にフォーカスを当てられるようになったのである。

2つ目の強化ポイントは、「RGBC-IRセンサー」の搭載である。従来、写真の色のバランスは光の3原色(赤、緑、青)を用いて再現していたことから、人間が可視化できない赤外線の情報は写真に反映されていなかった。だが実は、その赤外線が色のバランスに大きく影響しており、赤外線の情報をカットしていたことで、一部の撮影シーンにおいて色のバランスがおかしくなるなどの現象を引き起こしていたという。

そこでXperia XZ/X Compactでは、従来カットしていた赤外線の情報を反映できるRGBC-IRセンサーを採用。これによって従来色味がおかしくなるケースが多かった、夕暮れ時などのシーンで撮影した場合でも、自然な色合いを実現できるようになった。

そしてもう一つ、動画の撮影に役立つ強化ポイントとなるのが、手ぶれ補正の強化である。従来機種では縦横と回転の3軸手ぶれ補正までだったのが、今回は新たに細かな上下の動きも補正する、5軸の手ぶれ補正を採用。これによってマクロ撮影時に起きやすい、"手がプルプルする"ようなブレを軽減できるようになっている。

分かりにくいハイエンドモデルの位置付け

カメラ以外での大きな特徴となるのが、バッテリーへの"いたわり"である。韓国サムスン電子のGalaxy Note7が発火事故で販売中止になったことに象徴されるようにバッテリーはスマホ設計において非常に重要な部分になっている。ソニーモバイルはXpeira X Performanceから、米Qnovoの技術を用いてバッテリーにかける負荷を減らし、バッテリーの寿命を延ばす充電の仕組みを導入。これまであまり考慮されてこなかった、バッテリーをいたわる取り組みを強化している。

そして今回のXperia XZとXperia X Compactには、新たに「いたわり充電」という機能が搭載されている。これはユーザーの日ごろの充電行動を学習し、利用スタイルに合わせてバッテリーに負荷がかからない充電を実現する技術。例えば寝る前に充電を開始した場合、充電し始めてから一気に充電を完了させるのではなく、一定量までバッテリーを充電した後はしばらく充電を休み、起きる直前に再び充電を開始して充電を完了させる。こうした充電方法によって、バッテリーにかかる負荷を可能な限り抑えて長寿命化へとつなげる。

カメラの強化やバッテリーの長寿命化に力を入れているのには、特徴を際立たせることで、販売を伸ばしたい狙いが大きいといえる。ソニーモバイルのスマホ事業は、2014年の販売不振から再建を進めている途上であり、総合力では資金力に勝るアップルやサムスンにかなわない。それゆえ自社の強みを生かすことができ、なおかつユーザーニーズが高い機能に注力して強化することにより、市場での存在感を高めたい狙いがあるといえそうだ。

中でもカメラは、ソニーグループ全体で一眼レフまで手掛けるカメラ事業を抱えているのに加え、多くのスマホメーカーにカメラセンサーを外販しているなど、多くの強みを持っている。それだけに、Xperia XZ/X Compactのカメラ機能には、ソニーモバイルの強いこだわりを感じさせる。

このように、さまざまな強化がなされ魅力的な内容に仕上がっている両機種。だがユーザーの目線からするとどうしても気になってしまうのが、Xperia X Performanceの発売から半年足らずで、新しいフラッグシップモデルであるXperia XZが登場したことである。ソニーモバイルは事業再建のため、現在の社長である十時裕樹氏が就任した際、フラッグシップモデルは1年に1回に絞るとしていた。にもかかわらず、半年で新しいフラッグシップモデルが登場するのはどういうことなのか。

その理由についてソニーモバイルは、Xperia X PerformanceとXperia XZとでは、実は位置付けが異なるモデルであると説明している。Xperia X Performanceは、国内では発売されていないミドルクラスの端末「Xperia X」の性能を向上させた派生モデルであり、Xperia X Compactもその系列に位置するという。

一方でXperia XZは、Xperia Xの上に位置する、高性能なフラッグシップモデルとして位置付けられているとのこと。それゆえ今後、「Xperia XZ 〇〇」といったように、Xperia XZの派生モデルが登場する可能性もあるとしている。

だがこうした位置付けの違いも、サムスン電子の「Galaxy S」シリーズと「Galaxy Note」シリーズのように、シリーズによって端末の特徴面で明確な違いがあるわけではないことから、非常に分かりにくい印象を受けてしまうのは事実だ。その分かりにくいブランディングが、特に端末の買い時に関してユーザーへの混乱をもたらし、今後シリーズ全体にマイナスの印象を与えてしまう可能性も考えられる。製品自体の評価は高いだけに、ユーザーの満足度を高めるためにも、発売時期を含めたXperiaシリーズ自体のブランド戦略を見直す必要があるのではないかと筆者は感じている。

佐野正弘(さの・まさひろ)
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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