『スター・トレック』に学ぶ職場の人間関係のヒント
働く女性のシネマ羅針盤 [スター・トレック BEYOND]
10月21日(金)全国公開 (C) 2016 Paramount Pictures. All Rights Reserved. STAR TREK and all related marks and logos are trademarks of CBS Studios, Inc.
配給:東和ピクチャーズ
公式サイト:http://www.startrek-movie.jp/
1966年から全米で放送された伝説的TVシリーズ「スター・トレック」。日本では「宇宙大作戦」という題名で放送され、見たことはなくても聞いたことがある人は多いと思います。その後、数々のスピンオフ(兄弟番組)や映画版が作られ、2009年にはヒットメーカー、J・J・エイブラムスによるリブート版(新たな視点で製作されたシリーズ)が公開。
リブート版の3作目となる「スター・トレック BEYOND」は、単にSF映画というだけではなく、働く女性にぜひ見てほしい面白さがあります。何度も困難に直面して難しい選択を迫られながらも、瞬時に危機管理対策を考え出すリーダーと、各自が持っている技術と知識を最大限生かして問題に立ち向かうクルーたちを描いた、人間ドラマとしての魅力が満載なのです。
長期間任務を共に過ごすうちに生じるストレスや、恋愛問題も含む人間関係に登場人物たちが悩む姿には共感するところが大。さらにイケメン俳優がズラリと顔をそろえ、目と心を潤してくれるところもポイントです。
本作に出演し、脚本も担当した人気英国俳優のサイモン・ペッグが来日。映画の魅力や、クリエーティブな人に必要な心構えなどをお聞きしました。映画のあらすじの後にお届けします。
カーク船長(クリス・パイン)率いるエンタープライズ号のクルーたちは、宇宙探査任務に就いて3年目。彼らは謎の異星人による急襲を受け、エンタープライズ号は壊滅状態に陥ります。カークはチェコフ(アントン・イェルチン)と共に、未知の星で離ればなれになったクルーを捜しますが、次々とトラブルに見舞われます。
果たして、カークはスポック(ザッカリー・クイント)やスコッティ(サイモン・ペッグ)らクルーたちを救い出し、生還することができるのでしょうか……?
1970年2月14日生まれ、英国出身。スタンダップ・コメディアンとしてデビューし、TVやラジオに出演。脚本家としても活躍。主演・脚本のTVシリーズ「SPACED~俺たちルームシェアリング~」が人気を博す。主な出演映画に「ショーン・オブ・ザ・デッド」「M:i:III」(以降の「ミッション:インポッシブル」シリーズにも)「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」「スター・トレック」(以降のシリーズにも)「宇宙人ポール」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」「しあわせはどこにある」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」などがある。
――「スター・トレック BEYOND」は、これまでの作品よりも人間関係が濃密に描かれていて、とても面白かったです。脚本を書くにあたって、どんなところを工夫しましたか?
「人間関係は物語において大切な要素で、もともと『スター・トレック』シリーズはその点において優れているんだ。本作のストーリーは、まさに欧州連合(EU)離脱やドナルド・トランプ氏の発言など、さまざまな問題が起きている今の時代に適したものにしようと、監督のジャスティン(・リン)や共同脚本のダグ(・ユング)と話し合い、"分離"や"引き離し"に立ち向かうようなストーリーにしたよ」
――サイモンさんはJ・J・エイブラムス(製作。シリーズ過去2作では監督も担当)さんと出会ったことをきっかけに、お仕事の世界が大きく広がったのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。人生に大きな影響を及ぼした出会いについて教えてください。
「J・Jとの出会いは本当に大きな出来事だったね。2004年に彼が、僕が脚本を書いて出演した映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』を見てくれて、翌年『M:i:III』に出演しないかと声をかけてくれたんだ。もちろん大興奮して出演したよ。彼との出会いによって『スター・トレック』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に出演することになり、彼とすばらしい友人関係を築くこともできた。J・Jには常に感謝しているよ。
エドガー・ライトとニック・フロストは一緒に作品を作ってきた大切な仲間で、2人は僕にとても大きな影響を与えてくれた。『ショーン・オブ・ザ・デッド』を彼らと作らなければ、J・Jとの出会いもなかったし、今のような状況にはなっていないからね。
そして、スティーブン・スピルバーグ監督とは2度、一緒に仕事をさせてもらったが、本当にすばらしく楽しい体験だった。彼がいるからこそ、僕は映画を好きになったんだよ。影響を受けた人はほかにも大勢いて、全部話したら1時間くらいかかりそうだ(笑)」
――サイモンさんに影響を受けた人も多いと思います。サイモンさんは演技で観客を笑わせたり、泣かせたり、すばらしい脚本を執筆して楽しませたり、とてもクリエーティブですよね。どうしたらクリエーティブな人になれるか、何かヒントをいただけませんか?
「心から語ることが大切だ。僕は脚本を書く時も演じる時も、常にそれが心からのものであることを心掛けている。そこには真実が伴わなくてはいけないんだ。そうすることによって、リアルだと感じてもらえると思うし、『スター・トレック』のようなファンタジーであっても、どこかに真実に根付いているものがあれば、見てくれる人に喜んでもらえると思うよ」
(ライター 清水久美子)
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