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生保損保業界ウオッチ

自転車事故への備え 車・火災保険の特約、割安に活用

日経マネー

2016/11/18

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日経マネー

 契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。生命保険や損害保険の契約者の中には、こんな人も少なくないだろう。だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わる上、新たなサービスも続々と登場している。本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。今回は、自転車事故に備えるための保険について見ていく。

 自転車の事故が社会問題化している。法律上は「軽車両」であり、自転車事故も自動車事故と同様に罰せられる。と同時に、被害者に対する損害賠償責任も発生する。

 自転車には自賠責保険がなく、賠償金全額を加害者が負担しなくてはならない。そこで、多くの人が連想するのが「自転車保険」だろう。他人にケガを負わせたり、ものに損害を与えたりした時の賠償金などを補償する「個人賠償責任保険」が付加された傷害保険で、最近ではコンビニや携帯電話、クレジットカードなどに販路が広がり、利用しやすくなっている。

 au損害保険の「自転車向け保険 Bycle」を例に取ってみよう(下表)。規定範囲の交通事故などで自分がケガをした場合には、死亡・後遺障害・入院・手術の補償が受けられる。セットされている個人賠償責任保険は、自転車事故を含む日常生活上の賠償事故を対象とし、補償額は1億円、示談代行サービス付きだ。家族タイプなら本人と家族が共に補償を得られ、「子供が自転車で他人にぶつかった」といったケースにも対応できる。年間保険料は1万円弱だ。

 住民の賠償保険への加入を義務化する条例を定めたり、保険の提供を始めたりする自治体も出てきた。「ハマの自転車保険」は、横浜市民向けに提供されている保険で、補償対象は自転車事故のみ。補償額1億円、示談代行サービス付きの個人賠償責任保険に傷害補償がセットされ、年間3000円で家族全員が補償を得られる。

 選択肢は他にもある。自動車保険や火災保険の特約として個人賠償責任保険を付加すると、割安で日常生活上の賠償を広くカバーできるのだ。自動車保険の特約には、賠償額無制限のものも少なくない(下表は一例)。賠償の備えが目的なら、この方法が一推しだ。

※横浜市交通安全協会自転車会の会員のみ利用可能で、年間保険料には年会費30円と制度運営費370円を含む
清水香(しみず・かおり)
 生活設計塾クルー。学生時代から生損保代理店業務に携わり、2001年、独立系FPとしてフリーランスに転身。翌年、生活設計塾クルー取締役に就任。『地震保険はこうして決めなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。財務省「地震保険に関するプロジェクトチーム」委員。

[日経マネー2016年12月号の記事を再構成]

日経マネー2016年12月号

著者 :日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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