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最新医学研究で判明 ストレスが肌状態を左右する

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日経ヘルス

「肌は心の状態を映す鏡」といわれるほど、ストレスの影響を受けやすい。ストレスはニキビ、シミなど多くの肌トラブルの発生と悪化にかかわることが国内外の研究で明らかになっている。そのメカニズムとともに、ストレスから肌を守るのに役立つ最新研究をレポートする。

ストレスホルモンの影響でニキビや肝班にも

ストレスが多いと肌トラブルが生じやすいことは古くから知られ、現在も続々と報告がある。

男女422人を対象にした米国の研究では、ストレス度が高い人は肌がかゆくなる掻痒症(そうようしょう)が多かった。フランスの研究では、ニキビがストレスの感じやすさと関連することが確かめられている。また、ブラジルの研究では、シミの一種の肝斑は不安な傾向と関連があり、ストレスフルな出来事の後の発生が4~7%の人に、悪化が26%に見られたと報告されている。

 18~30歳の男女422人に自覚的なストレス度と気になる肌の症状をアンケート調査。ストレス度の高さで3群に分け比較した結果、高ストレス群は低ストレス群よりも肌のかゆみ(掻痒症)が多かった(グラフ)。脱毛や頭皮の脂っぽさ、ふけ、多汗、乾燥によるうろこ状の肌も多かった。(データ:Acta Derm Venereol;96,550-551,2016)
 15~24歳の男女2266人にニキビの有無とストレスを感じる頻度をアンケート調査。その結果、ニキビのある人は「毎日ストレスを感じる」と「ときどきストレスを感じる」の頻度がニキビのない人より高かった(グラフ)。男性より女性のほうがストレスが多いこともわかった。(データ:Acta Derm Venereol;95,485-488,2015)

これらの肌トラブルはすべてCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)を筆頭に次々放出される一連のストレスホルモンの影響によると考えられている。

例えばニキビは、CRHが誘導したMSH(メラノサイト刺激ホルモン)が皮脂を作る脂腺細胞を活性化するとともにCRHが炎症を生じさせた結果だ。一方、肝斑はMSHとその仲間のACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、CRHに活性化された交感神経が放出するアドレナリンの3つがメラノサイト(メラニン形成細胞)を活性化し色素沈着を促進したためと考えられている。

慢性ストレスが肌老化を進めることも判明。マウスを28日間ストレス状態に置いた実験で活性酸素による肌の酸化ストレスが増加。真皮のI型コラーゲンが減り、シワが増えたと報告されている。

 マウス20匹に、飼育カゴを1時間ごとに15分間回転させるストレスを28日間与え、皮膚への影響を調べた。結果、ストレスマウスは皮膚のコラーゲン分解酵素が増え、真皮のI型コラーゲンやエラスチンたんぱくが減少。真皮が薄くなった。マイクロスコープでシワの増加も確認された。(データ:Mech Ageing Dev;152,63-73,2015)
 CRH 分泌の高まりは本来、ストレスに対する防御反応として起こるが、ストレス状態が長引くと酸化ストレスが増加したり、免疫機能にアンバランスが生じ炎症の火が消えにくくなったりしてアトピー性皮膚炎や乾癬などの慢性疾患につながると推測されている。
(データ:Acta Derm Venereol;93,387-393,2013)

十分な睡眠、リラクゼーション、瞑想が肌の回復を促す

ストレスによる肌トラブルの予防・改善策としてまず挙げられるのが十分な睡眠をとることだ。米国女性60人を対象に、角層をセロハンテープではがす「テープストリッピング」により増加する経皮水分蒸散量が時間経過とともに回復する様子を調べた研究で、質・量ともに良好な睡眠がとれている人は肌のバリア機能が高いことがわかっている。よく眠れている女性は紫外線照射後の肌の回復やエイジングスコアにおいても睡眠に問題がある人より優れていたという。

 30~50歳の女性60人を過去1カ月間の睡眠の質が高い、または睡眠時間7~9時間の「良い睡眠群」と、睡眠障害の度合いが高め、または睡眠時間5時間以下の「睡眠に問題がある群」に分けた。テープストリッピング72時間後の経皮水分蒸散量は、良い睡眠群のほうが低く、バリア機能が高かった。(データ:Clin Exp Dermatol;40,17-22,2015)

睡眠が障害される睡眠時無呼吸症候群を治療して、よく眠れるようにすると、見た目が若返ることを確かめた研究もある。

ストレスを柔軟に受け止める態勢をつくる行動療法や精神療法も有効だ。心身の緊張をゆるめる筋弛緩法をテープストリッピングの前または後に20分間行った研究で、どちらのタイミングで行ってもその後のバリア機能回復率が高まることが確認されている。

 男女121人(18~82歳)をテープストリッピングの前か後に音楽を聴きながら筋弛緩法を20分間行う群と、読書をする対照群の3つに分けた。テープストリッピング前、直後、25分後の経皮水分蒸散量からバリア機能回復率を割り出し比べた結果、筋弛緩法の2群は対照群より肌のバリア回復率が高かった。(データ:Psychosom Med;77,844-852,2015)

腹腔鏡での胆のう摘出手術を控えた患者に手術前の3日間と術後7日間、1回45分間の精神療法を行うとともに自宅でリラクゼーションCDを聴くよう指導した研究では、患者のストレスが減り、術後の傷の治りが良くなったという。

呼吸と体の感覚に意識を集中させる瞑想の一種マインドフルネストレーニングを行い、ストレス下で肌に炎症を引き起こすクリームを塗布した研究では、炎症のサインである赤みの出現が抑えられた。

 19~59歳の男女49人を、呼吸と体の感覚に意識を集中する瞑想とウオーキングを行う群と、通常のウオーキングや体操を行う対照群に分けた。8週間後、スピーチと暗算のストレスを負荷してカプサイシン含有クリームを腕に塗り、赤み(フレア反応)の出方を比べた結果、瞑想群のほうが小さかった。(データ:Brain Behav Immun;27C,174-184,2013)

この研究グループは、インドの瞑想法ヴィッパッサーナなどに習熟した人と瞑想未経験者を比較した同様の研究を2016年にも発表。瞑想熟練者はストレス下で刺激のあるクリームを塗っても肌の赤みが出にくいことを再確認している。「心頭滅却すれば火もまた涼し」を実証したかのような研究成果だ。

アトピー性皮膚炎患者に自律訓練法、認知行動療法などのストレスマネジメントを行った8試験を分析した研究も、症状軽減やひっかき行動の抑制に効果があったと報告している。

(ライター 小林真美子)

[日経ヘルス 2016年10月号の記事を再構成]

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