検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

バイオリニスト三浦文彰 『真田丸』テーマ演奏を語る

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

バイオリニストの三浦文彰さん(23)がNHK大河ドラマ「真田丸」のメーンテーマ曲を弾いている。2009年に世界最難関といわれる独ハノーファー国際コンクールにおいて史上最年少16歳で優勝を果たし、国内外での活躍が目覚ましい。リハーサルの合間に「真田丸」からシューベルト、バッハまで、バイオリンの音楽について聞いた。

「最初に譜面を見たときに、バイオリン協奏曲みたいな格好いい曲なんだろうなと思った」。三浦さんは「真田丸」のオープニングを担うメーンテーマ曲についてこう話し始めた。作曲は服部隆之さん。「真田三代」の三代目、信繁(幸村)のドラマにふさわしく、祖父の服部良一、父の服部克久に続く3代目の作曲家だ。大河ドラマにしては珍しいバイオリン協奏曲ふうの音楽になっている。「協奏曲のように書くつもりだったと服部先生から聞いた」と言う。ただ、協奏曲はオーケストラから始まるのが普通であり、冒頭からいきなりバイオリン独奏が登場するのは異例ではある。

バイオリン協奏曲ふうの「真田丸」

「(服部隆之さんから)土臭さがほしいと言われ、どう具体的に音にしていこうかと考えた」。戦国時代の大河ドラマでは、大編成のオーケストラが勇壮に鳴らす音楽が多い。1988年の「武田信玄」(山本直純作曲)、2007年の「風林火山」(千住明作曲)などはマーラーやチャイコフスキーの交響曲を思わせる迫力のあるヒロイックな音楽だ。「真田丸」は「ストラヴィンスキーやショスタコーヴィチなど、もう少し後の時代の作曲家の作品を思わせるところがあって、和声の進行もそんな感じがある」と話す。三浦さんが得意とするシベリウスの「バイオリン協奏曲ニ短調」も引き合いに出して、「荒々しさがある」と指摘する。

ただ、協奏曲仕立てなのでオーケストラの響きに加え、細くて鋭い独奏バイオリンの音色も縦横無尽に糸を張る。バイオリン1本による音の線が細くても、戦国武士の気概を示すためには「土臭さがほしい」ことになる。徳川家康ら大名に対し、信濃の一国衆にすぎなかった真田一族が知略と策謀を駆使して戦う。そんな様子が、下野竜也指揮NHK交響楽団のサウンドに独奏バイオリンが挑むような音楽に投影される。「録音を終えて、ドラマで流れているのも聴いて、本当に素晴らしい曲だと思った」と三浦さんは話す。

三浦さんは今年、長野県上田市をはじめ真田一族ゆかりの長野県各地で「真田丸」のテーマ曲を含むリサイタルを重ねる。だが10代から天才バイオリニストとして世界的に注目を集めてきただけに、欧州をはじめ海外でも多忙な演奏活動を続けている。9月28日、ヤマハホール(東京・銀座)でのリハーサルの合間にインタビューに応じた三浦さんは「時差ボケで眠くてたまらない」とこぼした。この日は翌9月29日の「三浦文彰バイオリン&ビオラ・リサイタル~江口玲とともに~オール・シューベルト・プログラム」に向けてのリハーサルだった。ビオラも弾くのかと尋ねると「ハノーファーで優勝した後、18歳ごろに始めた」と話した。

ビオラはバイオリンよりも低く、チェロよりも高い中間音域を鳴らす弦楽器。バイオリンより地味で控えめな弦楽器ともいえるが、三浦さんは「ビオラを弾けば、室内楽の演奏でも周りの音をさらによく聴けるようになる」と指摘する。「バイオリンを弾く上でも良い影響しかない。よりよい音を求めていけるようになる。オーケストラと共演するバイオリン協奏曲を弾くにも役に立つ。バイオリニストはみんなビオラをやった方がいい」と語る。

バッハの無伴奏曲に畏怖の念

今年は初期ドイツロマン派の作曲家シューベルトの楽曲にも力を入れ、ヤマハホールでは全曲シューベルトのプログラムを組んだ。「シューベルトの曲は弾きづらい。奏法に工夫が必要だ」と言う。「自分の納得のいく音を作るのに苦労する。曲によって(音符や指示が少なくて)譜面がけっこう真っ白なのがある。フレーズをどう作ればいいか考えさせられる」。超絶技巧のチャイコフスキーの「バイオリン協奏曲」などとは異なるシューベルトの表現の難しさに挑んでいる。

この日、三浦さんはリハーサルの前にJ.S.バッハの「無伴奏バイオリンのためのソナタ第3番ハ長調BWV1005」を弾いた。「バッハの無伴奏曲は人前ではめったに弾かない。明るい曲の方がいいですね」と言いながら、同曲第4楽章「アレグロ・アッサイ」のきらめくような、疾走感あふれる音楽を奏でた。「一度、無伴奏曲のリサイタルをしたことがあるが、とんでもなく緊張した」と話す。「バッハがいなければその後の音楽も無かった」と言うほどバッハを畏怖し尊敬しているからこその慎重さだ。「うちではいつもバッハを練習している」。バイオリンの聖典といわれるバッハの無伴奏曲への忠義を貫く姿勢から、弦楽器界の若武者のさらなる活躍ぶりが見えてきそうだ。

(映像報道部シニア・エディター 池上輝彦)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_