軽くてタフで快適 街履きアウトドアシューズ
トレッキングシューズやランニングシューズなど専用シューズは、各社が独自の機能を盛り込みながら、デザイン性も高めたものを、続々と発表している。アウトドアブランドならではの軽量性や耐久性、フィット性に長けたシューズは、海や山、川などでのアウトドア活動だけでなく、街履きにも役立つ場面が多く、人気が高まっている。
アウトドアに最適なこの季節だからこそ、トレイルランニングから登山、ハイキングなどで活躍して、しかも街で履いてもカッコいいお薦めのシューズを紹介しよう。
【トレイルランニング系】ブランド史上最軽量。グリップ力70%アップ
ブルックス「マザマ」
1914年、米国ペンシルバニア州で誕生したブルックスは、現在シューズのクッション素材として浸透しているEVA(Ethylene-Vinyl Acetate:エチレン酢酸ビニル)を、世界で初めてランニングシューズに採用したブランドだ。現在、米国ランニングシューズ市場でシェアはトップクラスだ。
そのブルックス史上、最軽量のスピードトレイルシューズが2016年にデビューした「マザマ」だ。ミッドソールが前足部分は柔らかく、ヒール部分は硬い二層構造のEVAであるにもかかわらず、薄いのが最大の特徴。アッパーには通気性に優れたメッシュ素材を採用し、総重量は約264gにまで抑えられている。
軽くなってもアウトソールに大小異なる凹凸を設けることで、ランニング中の安定性を確保。グリップ力が高まっているので、スピード感もアップするという。また、従来のアウトソールに比べ、乾いた地面では58%、ぬれた地面では70%以上、滑りにくくなったトレイルラバーを採用。軽量・スピード・安定の3つに優れたブルックスの中でも汎用性の高い一足に仕上がっている。
カラーは、イエローとブラックを基調に、レッドをポイントとした鮮やかな色使いで、街中で履いてもスタイリッシュに見えそうだ。
【登山系】ソールとアッパーのバランスに優れた、本格派ミリタリーブーツ
ローバー「ゼファー GTX ミッド タスクフォース」
ドイツを拠点に持つ登山靴メーカーのローバーは、整形外科学に基づき筋肉のつき方や血管の位置にいたるまで足を徹底的に研究。ミリタリーブーツの構造に反映してきた。そのなかでも、欧米の特殊部隊も着用している「ゼファー GTX ミッド タスクフォース」は、クッション性に定評のあるブーツだ。
両サイドをアッパー上方に向かって立ち上げ、左右から足を包み込むように支える「MONOWRAP」というローバー独自のオリジナルソールを採用。不安定な道での足の傾きを左右からサポートする。また足首から足の甲までを覆う部分に入れた肉厚なパッドが、長時間履いた場合の足への負担を軽減する。
さらにフィット感をより高めるため、2種類のヒモ通しを採用。足の甲回りはフィット感に優れたレースループ、足首回りには強度を持たせたメタル製のフックを備えており、その使い分けが履き心地を高めている。
険しい山道を歩くことを想定したミッドソールは、衝撃吸収性に特化した肉厚なソールを使っており、さまざまな地形に対して高いグリップ力を発揮。ハードな使用でも十分耐えられるタフなアイテムだ。
【ファストハイキング・軽登山系】ゴアテックスのメリットを生かしたオールラウンドシューズ!
サロモン「X ウルトラ 2 ゴアテックス」
トレイルランニングシューズで注目を集めるサロモンの「X ウルトラ 2 ゴアテックス」は、山歩き用のトレッキングシューズというよりも、軽快に動けるように考えられたスポーティーなシューズだ。メインのアッパーにゴアテックスを採用して着用時に生じるムレを軽減。透湿性の高さが特徴で、季節を問わず一年中、快適な履き心地が保てる。またトレッキングや軽登山などのアウトドアシーンだけでなく、街中でも履きやすい軽さとデザインなのも魅力だ。なおかつ耐久性も高いので、岩場などテクニックが必要な山道でも活躍する。
安定感のある構造が足全体を包み込み、長時間のウォーキングで足にかかる負担を軽減。さらにアウトソールにはハの字状の凹凸を設けることで、不安定な道にも対応できるようにグリップ力を高めている。素材からディテールまで、サロモンの技術がつまっている。
(ライター 長浜優奈、中澤範龍)
[日経トレンディネット 2016年10月5日付の記事を再構成]
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