ロボホンから卓球ロボまで、CEATECの注目ロボ
エレクトロニクスショー「CEATEC JAPAN 2016」が2016年10月4日から7日まで、幕張メッセで開催されている。IT機器や家電のイメージが強いCEATECだが、今年からは先端技術・イノベーションを重視した展示が増えている。展示エリアはインフラや交通システムなどの「社会」、街づくりに関連した「街」、暮らしや健康がテーマの「家」、電子部品や素材などの「CPS/IoTを支えるテクノロジ、ソフトウェア」の4つに分けられている。テーマとして目立つのがIoT、AI、ロボットだ。ここでは注目ロボットの展示を見てみよう。
オムロンは卓球コーチロボットを展示
色々なロボットが展示されていたが、人だかりができていたのが、オムロンのブースにある卓球ロボット「フォルフェウス」だ。対戦相手の位置や球の動きを計測し、球の軌道を予測して返球をコントロールして打ち返すというもの。初代は2013年公開だが進化を続け、現在の3代目ではAIで相手の特徴などを学習して、相手を上達させるようにラリーを続けられるという。
数回のラリーで相手のレベルを判断し、例えば相手を初心者と判断すれば打ち返しやすい場所に打ち返し、相手が上級者なら打ち返しにくい場所に打ち返すことができる。卓球台のネットの部分はディスプレーになっていて、「完璧なサーブですね!」「ラリーが10回続きました」などのメッセージが表示される。
富士通のロボピンはおもてなしロボ
富士通のブースでは、"人とICTをつなぐメディエータロボティクスサービス"として「ロボピン」が出迎えてくれる。メディエータは"仲裁する人"といった意味で、ロボピンが人と人や、人とシステムの仲立ちをしてくれるというコンセプトだ。搭載するカメラで人を認識して、手を挙げて歓迎したり顔を赤らめたりといった感情を伝える動作や、音声で気持ちを表現したりする。受付や訪問客の案内役として考えているとのことだった。
トヨタは「KIROBO mini」が大人気
トヨタのブースは半分以上のスペースがコミュニケーションロボ「KIROBO mini」の展示と体験用のブースに当てられていた。体験は行列ができる人気ぶりだ。
KIROBO miniは、2013年に国際宇宙ステーションに送られたロボット「KIROBO」を小さくしたようなデザインで、歩行機能は持たない。今冬に東京・愛知の一部販売店で先行販売を開始する。価格は3万9800円。KIROBO miniには、専用アプリをインストールしたスマートフォン経由で会話やしぐさが提供される。このアプリの利用料は月額300円の見込みだ。
シャープはロボホン推し、ホームアシスタントにも注目
シャープのブースにはすでに発売されているロボホンが大集結。ロボホンを観光案内に使う、受付やお店の注文などに使う、血圧や体温などの測定を習慣づけるのに使うといった、ロボホンの活用方法を提案していた。
注目は「ホームアシスタント」。エアコンやテレビなど様々な機器のリモコンを読み取らせて使う学習リモコンに近い製品で、利用者は話しかけることでこうした様々な機器をコンロトールできる。クラウドと連携して利用者のデータを蓄積して学習し、利用者が好みそうなテレビ番組があることを知らせるといったこともできる。
(IT・家電ジャーナリスト 湯浅英夫)
[日経トレンディネット 2016年10月5日付の記事を再構成]
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