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アイロン、ケトル…多様化IoT家電、普及への2つの課題

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NIKKEI STYLE

IoT家電の多様化が進んでいる。これまではAV機器や大型家電が中心だったが、最近はヒーターや加湿器から、歯ブラシ、アイロン、電気ケトルに子育て家電まで、多種多様な製品がインターネットにつながろうとしている。一方で、普及への課題も見えてきた。多くのIoT家電には、生活が豊かになっていく新たな「ストーリー」と「ビジネスモデル」が欠けているのだ。

アイロンやケトルもネットに接続

2016年に入って、急速に目にするようになった単語が「IoT(モノのインターネット化 Internet of Thingsの略)」だ。家電をインターネットにつないでインテリジェントに活用する「インターネット家電」というアイデアは、インターネットの黎明(れいめい)期の1990年からすでにあったが、これまでは、これ見よがしに大きなディスプレイを搭載した大型家電が中心だった。しかし最近、「目立たないIoT」にトレンドが変わりつつある。一見するとどこにでもあるような家電製品だが、よく見ると「Wi-Fi」と書いてあり、スマートフォン(スマホ)との連携機能が搭載されている。そんな製品が登場し始めているのだ。

同時に多様化も進んできた。これまで「スマート家電」や「IoT」というと、テレビやレコーダーなどのAV機器や、冷蔵庫や洗濯機といった大型家電の印象が強かったが、最近は多種多様な家電がネットにつながるようになっている。

例えばバルミューダはオイルレスヒーターの「SmartHeater 2」や加湿器の「Rain」でスマホ対応を実現している。しかし本体そのものは一見するとスマホ対応には見えない。英ダイソンの「Dyson Pure Hot+Cool Link」や、ブルーエアの「Blueair Sense+」などといった空気清浄機も同様だ。電動ではない普通の歯ブラシとスマホを連動させて「楽しみながら歯磨きができる」というサンスターの「G・U・M PLAY」などもその一つに数えられるだろう。

その動きは、この秋、ドイツ・ベルリンで開催された世界最大級の家電総合見本市「IFA2016」でも明らかだった。

たとえばアイロン。スイスのアイロンメーカー、Lauraster(ローラスター)は、スマホと連携する「スマートアイロン」を展示していた。スマホで電源のオン/オフができるほか、アイロンの使用時間やタンクの水量なども確認できる。スマホアプリの動画に従ってトレーニングすればプロ並みのアイロン掛けができるようになるとアピールしていた。スマホと連携する必要性については疑問符がつくものの、会場での注目度は抜群だった。

フランスのiFAVINE(アイファヴィーヌ)は、「スマートデキャンター」と「スマートケトル」を展示していた。スマートデキャンターは、アプリでワインの銘柄を検索するか、エチケット(ワインのラベル)をカメラで撮影することで、そのワインに最適なデキャンティング(ワインを空気と混ぜて飲みやすくすること)設定をデータベースから入手。デキャンター内にワインに適した量の酸素を送り込むことで、短時間でデキャンティングができるという。一方、スマートケトルはスマホ経由で遠隔地からでもお湯を沸かすことができる。

IoTで生活を豊かに。ストーリーが明確だったフィリップス

IFAの展示で特に印象に残ったのはオランダ・フィリップスだった。

同社は赤ちゃんの様子を隣の部屋や外出先から確認できるスマートベビーモニターや、検温するとスマホに転送できるスマート体温計、スマホで室内外の空気の質をチェックできるスマート空気清浄機など、"子育て家電" 「AVENT uGrow(アヴェント ユーグロウ)」を展示。スマホアプリと併せて、赤ちゃんの睡眠状況、ミルクやベビーフードをあげた時刻、体重の推移などを記録して写真とともに管理できるというソリューションを提案していた。

他にもタブレットなどで楽しみながら歯磨きを覚えられる子供向けの「ソニッケアーキッズ」(国内でも発表済み)、スマホで確認しながら磨き残しがないようにしっかり歯磨きができる「スマート音波振動歯ブラシ」(こちらは国内導入未定)なども展示しており、「健康寿命」を見据えたヘルスケアへの注力をアピールしていた。

フィリップスが他社に比べて進んでいるのは、単なる「IoT対応製品群」ではなく、ライフスタイル提案がある点だ。生活の中で機器がどのように使われていて、そこにスマホ対応機能が加わることでどのような利便性が生まれるのか。こうした提案がないと、「家中の家電をスマホから遠隔操作できる据え置き型学習リモコン」のような、デジタル機器好きの好奇心を満たすだけの製品になりかねない。幅広い層が利用するようになるためには、IoTによって生活がどう豊かになるかという「ストーリー」が重要になると感じた。

求められる「ストーリー」と「ビジネスモデル」

冒頭で書いたように、日本でも多様なIoT家電が登場しているが、テレビやレコーダーといったデジタル機器の分野でこそインターネット対応は進んでいるものの、洗濯機や冷蔵庫などの生活家電のネット対応はあまり進んでいない。

「お試し」でインターネット対応機能を搭載しても、ユーザーメリットにつながらなければ、単なるコストアップにすぎなくなってしまう。そこで必要になるのはフィリップスが提案しているような、ユーザーの生活を変えるストーリーだろう。

もう一つ問題になるのは「ビジネスモデル」だ。家電製品のビジネスは基本的に「売り切り」だが、IoT化してネットサービスなどと連携するようになると、サービスを維持するコストがかかる。そのコストは、ユーザーから月額課金で徴収するのか、それとも新たなビジネスモデルを構築するのか。こうしたことも継続的なサービスを実現するためには考えなければならない。

例えばパナソニックのBDレコーダー「DIGAシリーズ」の場合、インターネットを利用したテレビ番組情報サービス「DiMORA(ディモーラ)」で一部のサービスを月額300円で提供している。他社が同様のサービスを無料で提供しているので割高感はある。しかし、この取り組みはとても理にかなった考え方だ(金額の多寡は別として)。

幅広い層を狙ったITサービスなどの場合、最初に無料でスタートし、一部サービスを有料で提供する「フリーミアムモデル」も考えられるが、ユーザーが限られる家電製品の場合、最初の時点で継続できるビジネスモデルを考えなければならない難しさがある。無料でスタートしてしまうと、最終的にはコストを負担しきれずに終了せざるを得ない局面が出てくる可能性もある(もちろん有料でも同様だが)。こういった問題は。完成度の高い製品を作って販売するという「売り切り」の時代とは異なり、インターネットに接続してさまざまなサービスを提供するようになった以上、避けられないところだろう。

課題は少なくないが、生活に密着したアイデアを具現化した家電製品が確実に増え始めている。2017年には一般消費者のところにまで、当たり前のようにスマート家電製品が届くようになるかもしれない。

(IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志)

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