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いっそ年収増、企業も期待 夫の協力欠かせない

働く主婦、壁は消えるか?(下)

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NIKKEI STYLE

多くのパート主婦らは配偶者控除などの恩恵を受けるために、年収が103万円を超えないように働いている。この「103万円の壁」が崩壊する可能性が出てきた。労働力減少を背景に、主婦に就労を促進しようと政府が配偶者控除の見直しに着手した。人手不足に悩む企業も主婦の潜在力に期待する。社会からのラブコールに主婦は応えられるのか。

「パートや派遣、契約社員。これまでいくつも仕事を変えてきたけれど、年収はいつも102万9000円と決めていた」。東京都の主婦(36)はこう話す。大学卒業後に商社に入社。8年勤めて結婚し退職した。現在は派遣社員として1日6時間週3日仕事に出ている。

 ◇   ◇

「103万円の壁」を自身で設けてきたのは配偶者控除を意識していたから。年収が上限を超えそうになり、勤務先と交渉して給与の一部を交通費名目に切り替えてもらったこともある。でも、就業調整はこの秋でやめる。「今の勤務先は人手が足りず『もっと働いてほしい』と前から言われていた。国の動きを見ていると主婦として働き方をセーブし続けられそうにない。勤務時間・日数を増やしたいと勤務先に先日伝えた」

10月の社会保険(厚生年金保険・健康保険)の適用拡大は主婦に就労を促す第1弾。二の矢、三の矢を政府はすでに準備する。9月15日、政府税制調査会で配偶者控除の見直し議論が始まった。27日には働き方改革実現会議がスタート。同じ仕事をしていたら非正規社員にも正社員と同じ賃金を払うという同一労働同一賃金の導入が検討される。実現すればパートらの時給アップが想定され、年収を低く抑えるのが難しくなる。

企業も先手を打って動く。「勤務時間を延ばしませんか?」。首都圏・近畿圏でスーパーマーケットを運営するライフコーポレーションは今春以降、パートとの個別面談で直属上司が呼びかけた。対象は年収約106万以上130万円未満の約3600人。10月の制度改定で社会保険の加入義務が生じる主婦らだ。人事本部の大庭祐一担当課長は「週20時間働いていたパートは週24時間働かないと手取りが減る。ならば思い切って収入を増やす道もあると示したかった」と説明する。

就労意欲を高める仕掛けも整えた。2015年にパートの職級と給与体系を見直し、実力に応じて昇給できるようにした。16年5月には転勤を伴わないエリア正社員制度を新設。家庭の事情を抱える主婦パートが正社員に転換しやすくするためだ。「このところ採用難が深刻。主婦パートが長く働き、キャリアアップしてもらえれば会社にもプラスになる」と大庭さん。要請に応えて約1200人が勤務時間を延ばした。

 ◇   ◇

東京都は今秋から、仕事と子育て両立支援合同就職面接会「レディGO! Project」を開いていく。子育て中の主婦の再就職を支援する。9月20日に立川市で開催した同イベントには主婦ら約250人が集まり、求人中の企業16社の話に耳を傾けた。

現在求職中の主婦(37)は14年に夫の転勤で正社員の仕事を辞めた。「子どもが幼いのでいきなりフルタイムは無理だけれど、103万円や130万円など制限して働くなんて意味がない」と各社の求人情報に目を通す。ただ参加者からは「働きたくとも保育園に入れない」(38歳、1児の母)、「夫に家事・育児の協力は期待できず、長時間は働けない」(36歳、2児の母)との嘆きも漏れる。

「103万円の壁」や「130万円の壁」を法制度で切り崩しても、保育所整備や男性の家事・育児参加などが同時に進まないと主婦を追い詰めるだけだ。

仕事内容も課題だ。企業勤務経験があり、能力の高い主婦は多い。ビースタイル(東京・新宿)しゅふJOB総研所長の川上敬太郎さんは「パートや派遣でもやりがいのある仕事を提供できれば、年収を気にせず働く主婦が増えるだろう」と指摘する。

 ◇   ◇

配偶者控除 ついに見直しか?

配偶者控除は1961年にできた。配偶者の年収が103万円以下の場合、夫は所得税38万円、個人住民税33万円の所得控除が受けられる。夫が仕事に集中できるのも、家事・育児を担う妻の支えがあるからこそ。そんな内助の功に報いるための仕組みだ。ただ制度導入当時は専業主婦世帯が主流だったが、今や共働き世帯が多数派だ。世帯構造の変化に配偶者控除は取り残されている。

政府・自民党は配偶者控除を見直す方針だ。狙いは主婦の就労促進。「103万円の壁」が働く主婦層の意識に浸透し、年収が増えないように勤務時間を抑制するケースが絶えない。共働き世帯の中では夫フルタイム・妻パートという組み合わせが多い。生産年齢人口の減少を補うためにもパート主婦の就業調整を減らしたい。年内にも内容を固めたい考えだ。

ただ税制上の「103万円の壁」は実はすでにない。年収103万円を超えた段階で手取り収入が激減しないよう特別措置を講じているからだ。だが、配偶者手当制度を持つ企業の約6割が年収103万円を支給基準としており、多くの世帯で妻は年収を103万円に抑えている。税制改正と同時に、こうした企業への働き掛けも欠かせない。

(編集委員 石塚由紀夫)

[日本経済新聞夕刊2016年10月4日付]

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