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初期のがんにも対応 三大疾病に強い医療保険

日経マネー

2016/10/18

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 契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。生命保険や損害保険の契約者の中には、こんな人も少なくないだろう。だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わる上、新たなサービスも続々と登場している。本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。今回は、三大疾病保障を得やすい医療保険について見ていく。

 従来ある三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)を保障する医療保険の特約には、上皮内新生物(初期状態のがん)を対象外とするものが多く、また、脳卒中と急性心筋梗塞の支払い要件が厳しいものも目立つ。そこで今回は、給付金の受け取りやすさに特徴がある三大疾病保障を取り上げる。

 一つは、メットライフ生命保険「終身医療保険フレキシィ」の終身特定疾病一時金特約I型、もう一つが、オリックス生命保険「新CURE」の重度三疾病一時金特約だ。フレキシィは保障対象とする疾患の範囲の広さ、新CUREは支払い要件の緩さで注目される。

 両者共に上皮内新生物を保障の対象とする。フレキシィでは、給付額を悪性新生物(いわゆるがん)の半額に設定。新CUREは保障対象の「がん」に上皮内新生物も含み、悪性新生物と同額保障とする。

注:ICD-10には基本分類コードD08がないため、フレキシィの「上皮内新生物:D00~07、D09」も新CUREの「D00~09」も意味は同じ。保険料は終身払い、三大疾病保険料払い込み免除なしで試算

 フレキシィの場合、急性心筋梗塞(新CUREの対象疾患)に加えて、慢性リウマチ性心疾患や狭心症、心不全などにまで範囲を広げているのが特徴。脳卒中についても、新CUREで対象となるのは脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞だが、フレキシィはそれ以外の脳血管疾患なども保障対象とする。

 対象疾患の幅広さでは一歩譲る新CUREだが、急性心筋梗塞と脳卒中の保障の得やすさでは分がある。「入院開始」を条件とする新CUREに比べると、フレキシィは「手術または20日以上の継続入院」と条件が厳しめ。狭心症も保障対象になるフレキシィではあるが、手術をせずに薬物療法を行う場合は給付金を受け取れない。

 両者共通の対象疾患になった場合、新CUREだと給付金を受け取れるが、フレキシィだと受け取れないといったケースもあり得る。

 保険商品では、対象疾患や支払い要件はどこかで線引きせざるを得ない。自分の病気や症状が必ず給付に結びつくとは限らないと割り切ったうえで、利用するのが肝要だ。三大疾病保障は特約なので、主契約の保障内容や保険料との兼ね合いも含め、よく検討したい。

内藤眞弓(ないとう・まゆみ)
 生活設計塾クルー。13年間の大手生命保険会社勤務の後、FPとして独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

[日経マネー2016年11月号の記事を再構成]

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