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自分の思いに十分耳を傾けてもらうことの心理効果

モチベーションというのは、能力の問題ではなく気持ちの問題である。能力やスキル、知識は日々たいして変動するものではないが、モチベーションは日々大きく変動する。日々の思いがモチベーションを左右する。

日々の出来事は感情とともに思い出される。ここからわかるのは、日々の出来事として意識されるのは、とくに感情を喚起されたものだということだ。そして、ポジティブな感情を喚起する出来事があった日には仕事の成果が上がっていることも証明されている。

そこで大切なのは、日々の感情をケアすることであり、そのために日々の思いを引き出すことである。

「何か困っていることはない?」

「行き詰まってることとかない?」

「何か問題があれば、どんなことでも言ってみて」

といった問いかけによって、部下は抱えている問題を口にしやすくなる。

「最近どう?」

というようなオープン・クエスチョンを使うこともできる。敢えて焦点を絞らない問いかけによって、部下が気になっていることがあれば、どんな話題でも持ち出しやすい雰囲気になる。

もちろん、部下が悩んでいることや行き詰まってる思いなどを口にしたからといって、上司として解決策を示してやれるわけではない。部署としての方針に問題がある場合は、有効な対策を考えることもできる。部下の行き詰まり感に対して、発想の転換を促すようなアドバイスができることもあるだろう。だが、直接的に役立つ行動がとれない場合も、部下の思いに耳を傾けるだけで力になることができる。

自分のことを気にかけてくれている。自分の思っていることに耳を傾けてくれる。そう感じることで、ポジティブな感情が生み出され、モチベーションは上がる。

それに加えて、胸の内に溜め込んだ思いを吐き出すことで、カタルシス効果が生じ、気分がスッキリする。これもモチベーションの向上につながっていく。

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